1 第一審における証拠提出について依頼者の明示の指示に反した弁護士の訴訟活動につき説明義務違反が認められたが,債務不履行に基づく損害賠償責任が否定された事例(本訴)
2 依頼者による弁護士の懲戒請求につき不法行為の成立が否定されたが,本訴の訴え提起の一部につき不法行為の成立が認められた事例(反訴)
企業提携についての基本合意の締結後,最終合意に向けて交渉が進んでいたとき,最終的に,被告らが原告の提示した内容での最終合意を拒否した事案において,①最終合意が締結されたとは認められない,②基本合意には最終合意をすべき具体的義務まで定められていないから被告らに債務不履行又は不法行為はない,③最終合意をしなかった被告らに契約締結上の過失はないとして,被告らには,原告に対する損害賠償義務がないとの判断がされた事例
1 コンピュータグラフィックス(以下「CG」という。)の素材となった写真の被写体である児童と全く同一の姿態,ポーズをとらなくても,当該児童を描写したといえる程度に,被写体とそれを基に描いたCG画像等が同一であると認められる場合には,平成26年法律第79号による改正前の児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ等処罰法」という。)2条3項の「児童の姿態」に該当する
2 児童ポルノ製造罪の成立には,被写体の児童が,児童ポルノ製造の時点及び児童ポルノ等処罰法施行の時点において18歳未満であることを要しない
北陸新幹線融雪・消雪基地機械設備工事の請負契約において受注者による入札談合があった場合の発注者による違約金債権の行使につき,信義則違反等・過失相殺の主張がいずれも認められなかった事例
1 都税事務所の職員による固定資産税等の賦課徴収行為について,国賠法1条1項の職務上の注意義務違反を認めた事例
2 都税事務所の職員の注意義務違反が,納税者の申告等に基づいて把握することが予定されている事情に基づくものではなく,もっぱら担当職員らが行う実地調査により判明する事情に基づくものであるため,納税者に過失があるとはいえないとされた事例
3 違法な賦課処分がされた場合,その納税通知書の到達により賦課処分の効力は発生するものの,その後,納税者が当該賦課処分に従って納付することで加害行為が終了するといえるので,その時点を除斥期間の起算点とすべきとされた事例
労働保険の保険料の徴収等に関する法律12条3項所定の事業に該当する事業(いわゆるメリット制の適用を受ける事業)に従事する労働者について業務災害に関する保険給付等に係る支給処分がされたことを前提として,当該事業の事業主に対し,同法19条4項に基づく労働保険料の額の決定処分がされている場合に,当該決定処分の取消訴訟において,当該事業主が上記支給処分の違法を当該決定処分の取消事由として主張することの可否
住民訴訟の係属中にされたその請求に係る市の損害賠償請求権及び不当利得返還請求権をいずれも放棄する旨の市議会の議決が違法であると判断された事例
被選挙権の要件である「引き続き3箇月以上市町村の区域内に住所を有する」との事実を否定するまでの事情は認められないと判断された事例
強制執行認諾文言のある公正証書で養育料の支払が定められたが,その支払期限が到来しているものについて未履行分がある場合において,その支払期限が到来していない養育料債権を被保全債権として債務者所有の不動産に対してされた仮差押命令の申立てについて,民事保全制度を利用する必要性(権利保護の利益)を欠くとの理由でこれを却下すべきものとした原審の判断が是認された事例
検索事業者に対し,自己のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL並びに当該ウェブサイトの表題及び抜粋を検索結果から削除することを求めることができる場合
特殊詐欺のいわゆる受け子として詐欺未遂の事実で起訴された被告人が一審で有罪とされた事件について,控訴審が,原判決が認定した罪となるべき事実には,明示的にも黙示的にも,被告人らが,被害者に対し,財物の交付に向けて人を錯誤に陥らせる行為をしたと解し得る事実が記載されていないから理由不備の違法があるとして原判決を破棄し,証拠関係に照らすと詐欺罪の実行の着手があったとは認められないとして無罪の自判をした事例
介護施設利用者が転倒して頭部を負傷した事故について,事業者側の安全配慮義務違反を認め,事業者の損害賠償責任が肯定された事例
東日本大震災の支援のため被災地に派遣された地方公務員が,同派遣中に脳出血により死亡したことについて,同人の業務が過酷なものであったとは認め難く,異常な出来事に遭遇したものとはいえないとして,公務上の死亡に該当するとはいえないとされた事例
原告の名誉を侵害する投稿があったフェイスブックのアカウントに,投稿の12日前から投稿日までは特定のIPアドレスからのアクセスしかないが,投稿の13日前に別のIPアドレスからのアクセスがあった場合において,当該特定のIPアドレスが原告の権利の侵害に係る発信者情報に当たらないとされた事例
面会交流審判に対する抗告事件において定められた義務を履行しないとして相手方が抗告人に対して間接強制の申立てをした事案について, 原決定が, 抗告人が義務を履行しないときは, 相手方に対し不履行1回につき100万円の割合による金員を支払うことを命じたことに対し, 抗告審は, 従前の経緯や抗告人の主張からすると抗告人に対し少額の間接強制金の支払いを命ずるだけでは面会交流の実現が困難であると解されること, 抗告人の年収等, その他本件に顕れた一切の事情を考慮すると, 本件における間接強制金を不履行1回につき30万円と定めるのが相当であるとした事例
窃盗保護事件において少年を第1種少年院に送致した決定に対する処分不当を理由とする抗告に関し,原決定は,少年の要保護性及び社会内処遇の可能性に関する評価を誤っており,第1種少年院送致とすることは,短期間の処遇勧告を伴っていたとしても,処分の相当性を欠いており,著しく不当であると判断して,原決定を取り消して本件を原裁判所に差し戻した事例