不動産の所有権移転登記手続を委任された司法書士について,売主の本人確認を怠った職務上の注意義務違反は認められないとされた事例
暴力行為等処罰ニ関スル法律違反,道路交通法違反保護事件において少年を第1種少年院に送致した決定に対する処分不当を理由とする抗告に関し,少年に対しては,直ちに施設に収容しなければならないほどの高い要保護性があるとまでは認められず,試験観察によって少年の動向を観察して在宅処遇の可能性を検討することもなく第1種少年院に送致した原決定の処分は,短期間の処遇勧告を付した点を踏まえてもなお,著しく不当であると判断して,原決定を取り消して本件を原裁判所に差し戻した事例
退職勧奨に応じて会社を退職した元従業員が,会社に対し,在職中に会社から割当てを受けていた新株予約権について,主位的に,新株予約権を行使できる地位の確認を請求し,予備的に,会社において元従業員が新株予約権を行使できるよう取締役会に承認決議を求める義務に違反したことなどを理由とする損害賠償を請求したが,いずれも棄却された事例
事業者の供給する商品に係る表示が不当景品類及び不当表示防止法(平成26年法律第118号による改正前のもの。以下同じ。)4条2項により同条1項1号に規定する実際のものよりも著しく優良であると示す表示等とみなされるとして同法6条に基づいてされた措置命令の取消訴訟においては,同法4条2項に基づいて当該事業者が当該商品に係る表示の根拠として提出した資料が同項に規定する当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料に該当するか否かが審理の対象となる
2 不当景品類及び不当表示防止法(平成26年法律第118号による改正前のもの)4条2項に基づいて事業者がその供給する商品に係る表示の根拠として提出した資料が,同項に規定する当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料に該当しないとされた事例
3 事業者の供給する商品に係る表示が不当景品類及び不当表示防止法(平成26年法律第118号による改正前のもの。以下同じ。)4条2項により同条1項1号に規定する実際のものよりも著しく優良であると示す表示等とみなされるとして同法6条に基づいてされた措置命令が適法とされた事例
フェイスリフト手術により,患者の期待していた効果が得られず,手術痕が残ったことについて,切開線に関する注意義務違反を否定し,手術の効果や合併症に関する説明義務違反を肯定した上で,慰謝料等の損害について賠償を命じた事例
多数の判例及びその解説を収録した雑誌の「編者」として表示された者について,著作者の推定が及ぶとした上でその覆滅を認め,同人の著作者人格権に基づき当該雑誌の改訂版の複製等を差し止める仮処分決定を認可した原決定を取り消し,仮処分命令申立てを却下した事例
1 墓地,埋葬等に関する法律10条1項に基づいて宗教法人がした墓地経営許可の申請に対しこれを許可しない旨の市長の処分が違法ではないとされた事例
2 墓地の設置に係る事業を計画していた宗教法人が市長との事前協議をするよう求める行政指導に従う意思がないことを真摯かつ明確に表明した後においても上水道及び公共下水道に上記墓地の給排水設備を接続するのに必要な工事承認の申込み及び適合確認の申請についての審査を開始しなかった市の職員の行為が国家賠償法上違法とされた事例
3 上記2の市の職員による違法行為と上記1の宗教法人が権限委譲前の都知事の権限の委任を受けた都の保健所長から上記1の申請に対する許可処分を得ることができなかったこととの間に因果関係があるとされた事例
親権者である父から暴行等を受け, 自立援助ホームで生活している高校3年生の未成年者について, 就職先の会社からパスポートの取得を求められているなど, 就職の諸手続を進めるために親権者の同意が必要であるが, 親権者が協力を拒んでいるなどとして, 親権停止審判申立事件の審判の効力が生ずるまでの間, 親権者の職務の執行を停止し, その停止期間中の職務代行者を選任した事例
信販会社が作成,所持するとされた文書について文書の存在を認め,その一部につき自己利用文書に当たらないと判断して,原決定を一部変更し,その提出を命じた事例
1 情報源を公にしないことを前提とした報道機関に対する重要事実の伝達と金融商品取引法施行令(平成23年政令第181号による改正前のもの)30条1項1号にいう「公開」
2 情報源が公にされることなく会社の意思決定に関する重要事実を内容とする報道がされた場合における金融商品取引法(平成23年法律第49号による改正前のもの)166条1項によるインサイダー取引規制の効力
行政不服審査法34条2項(平成26年法律第68号による改正前のもの)に基づく執行停止の申立てに対する執行停止をしない旨の決定は抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるか
1 自動車のナンバープレートに表示される地域名として「世田谷」を導入することを要望した被告世田谷区の区長及び職員らの行為につき,国土交通省の定める要綱の性質上,職務上の法的義務を根拠付けるものではないことから,当該区長及び職員らの行為が当該要綱に反することを理由として,職務上の法的義務違反を認めることはできないし,当該行為により原告らのプライバシー,平穏な生活,その他法的利益を侵害されたものとも認めることはできないとした事例
2 被告世田谷区の区長の実施したアンケート調査が不適当なものであり,世田谷区の住民として,直接精神的苦痛を受けたとの原告らの主張を排斥し,請求を棄却した事例
1 地方税法73条の7第2号の3にいう「共有物の分割」の意義
2 地方税法73条の7第2号の3にいう「分割前の当該共有物に係る持分の割合」の意義
水俣病の補償協定について,水俣病の認定を受けた者であれば,不法行為に基づく損害賠償請求権の金額が判決によって確定したものであっても,その適用を求めることができるとした事例
国外の企業が掲載した記事等につき,原告らがプライバシー権又は名誉権が侵害されたと主張し,当該企業を被告として当該記事等の削除を求めた訴訟につき,我が国の裁判所に国際裁判管轄を肯定した事例
私立大学の教員に係る期間1年の有期労働契約が3年の更新限度期間の満了後に期間の定めのないものとなったとはいえないとされた事例
地上建物に対する仮差押えが本執行に移行して強制競売手続がされた場合において,土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたが,その後に土地が第三者に譲渡された結果,当該強制競売手続における差押えの時点では同一の所有者に属していなかったときの法定地上権の成否
土地につき所有権移転登記等の申請をして当該登記等をさせた行為が電磁的公正証書原本不実記録罪に該当しないとされた事例