資産運用コンサルティング会社の役員が証券会社の営業員から上場会社の公募増資に係る重要事実の伝達を受けて当該上場会社の株式を売り付けたとして金融商品取引法(平成23年法律第49号による改正前のもの)175条1項1号,166条3項に基づきされた課徴金納付命令が違法であるとされた事例
精神科受診歴のない労働者(コンビニエンスストア店長)が自殺した事案について,うつ病エピソードの発病を認め,業務起因性を認定した事例
公立学校教員に任命する採用決定について教育委員会のした取消処分が違法であるとして処分取消し及び国家賠償が認められた事例
県知事から営業停止の勧告及び営業許可取消しの処分を受けた事業者が,勧告及び処分は国家賠償法1条1項の適用上違法であると主張して,県に対し,国家賠償法1条1項による損害賠償請求権に基づき,損害金の支払等を求めた事案において,勧告による損害に係る賠償請求権については勧告を受けた日の翌日を起算点とする時効により,処分による損害に係る賠償請求権については処分を受けた日の翌日を起算点とする時効により,いずれも消滅したとして,請求がすべて棄却された事例
決定時13歳の少年に係るぐ犯保護事件において,少年の問題点,保護者の監護能力等からすると在宅処遇が相当とはいえないとした上で,少年の問題点が強化された背景にある事情,少年の年齢等を考慮して,少年を少年院ではなく児童自立支援施設に送致した事例
匿名組合契約の営業者が新たに設立される株式会社に出資するなどし,同社が営業者の代表者等から売買により株式を取得した場合において,営業者に匿名組合員に対する善管注意義務違反はないとした原審の判断に違法があるとされた事例
学校法人が,私立大学准教授に対し,告訴事実が存在しないにもかかわらず大学学長等を刑事告訴したとして,懲戒解雇したことが懲戒権の濫用に当たるか(積極)
輸入業者の委任を受けて経済連携協定に基づく特恵税率での輸入申告の代理を継続的に行っていた通関業者が,当該特恵税率の適用要件を満たさないことを理由に輸入業者が受けた更正処分につき,委任契約上の善管注意義務違反の責任を負わないとされた事例
1 生活保護法10条本文にいう「世帯」の同一性を認めた事例
2 同条ただし書にいう「これによりがたいとき」に当たらないとされた事例
別居中の夫婦間において,妻である相手方が,夫である抗告人に対し,毎月相当額の婚姻費用の支払を求める事案について,いわゆる標準算定方式を前提としつつ,義務者の年収がいわゆる算定表の上限額である2000万円を相当程度超えている場合において,基礎収入を算定するに当たっては,税金及び社会保険料の各実額,職業費並びに特別経費に加え,貯蓄分を控除すべきであるとした事例
専門委員の意見に基づきDCF法による評価を基礎とし純資産法による評価も考慮して株式の買取請求に係る公正な価格が決定された事例
交際費の性質を有する市長の懇親会出席に際しての寸志5000円を,食糧費として資金前渡を受けた前渡金から支出したことが,単なる内部手続違反にとどまらない違法な公金の支出に当たり,市長及び資金前渡職員はこれにより生じた損害について賠償責任を負うとされた事例
日本国内の自国の総領事館において自国の方式により婚姻した外国人からの婚姻届出を受理しなかった日本の区長の処分が違法,不当といえないと判断された事例
保険法施行後の普通傷害保険契約の約款に基づき死亡保険金の支払を請求する場合における偶然な事故についての主張立証責任
遺産の中の一部の土地について抗告人に取得させた上で,代償金の支払を命じるなどした原審判の一部を変更し,抗告人の代償金支払能力や,抗告人が同土地の換価分割に反対し,相手方もこれに難色を示していることなどを考慮すると,双方の希望と公平な分割を実現するには同土地を共有取得させることもやむを得ないなどとして,共有取得を命じた事例
1 バイク転倒事故の原因が,当該バイクのレギュレータの遮熱不十分によりバッテリー上がりが生じて突然のエンジンストップが生じるという不具合にあり,当該不具合は製造物責任法上の欠陥に該当するとしたうえで,5割の過失相殺をして,当該バイクを輸入した業者に対する同法に基づく損害賠償請求を一部認容した事例
2 雑誌出版社に対する情報提供者の情報提供行為と記事の掲載との相当因果関係及び共同不法行為の成立を否定した事例
確定した前件審決と主引用例が同一であり,多数の副引用例も共通し,証拠を一部追加したにすぎない本件審判の請求は,「同一の事実及び同一の証拠」に基づくものと解するのが,特許法167条の趣旨にかなうものというべきである
訴え提起から約20年前に起きた交通事故において,その後高次脳機能障害の後遺障害が生じたとして,被害者である原告が,加害車両の保険者である被告の保険会社に対し,自賠法16条1項に基づいて,保険金額の限度で損害賠償の支払いを求め,一部認容された事例
不動産業を営む有限会社が,不動産売買の仲介に伴い売り主とコンサルティング契約を締結し,宅地建物取引主任者の資格を有し不動産取引等に関する業務を行う個人業者と共に法律事務を取り扱い,売り主からコンサルティング料名目や謝礼名目で金銭の支払を受けた行為について,弁護士法72条に違反し,かつ,不法行為に当たるとして,代表者,不動産業者及び両者とともに売却に関わった個人業者に対する売り主の損害賠償請求を認めた事例