ぐ犯,窃盗保護事件において少年を保護観察に付した決定に対し,親権者らが児童自立支援施設送致又は少年院送致決定を求めてした抗告につき,少年にとって不利益な処分を求めて抗告を申し立てることは認められないとしてこれらを棄却した事例
関西建設アスベスト京都訴訟判決 1 建設作業に従事する過程で石綿粉じんに曝露し, 石綿肺, 肺がん, 中皮腫等の石綿関連疾患に罹患した労働者に対し, 国が労働関係法規に基づく規制権限を行使しなかったことが違法であるとして, 国家賠償法1条1項の責任が一部肯定された事例 2 建設作業に従事する過程で石綿粉じんに曝露し, 石綿肺, 肺がん, 中皮腫等の石綿関連疾患に罹患した者に対する, 石綿含有建材を製造又は販売した企業の民法719条1項に基づく責任が一部肯定された事例
未成年者が面会交流の場に行くことを嫌がったために, 面会交流の義務を履行しなかったことについて, 今後, 債務者が未成年者に対して適切な指導助言することにより, 未成年者の福祉を害することなく義務を履行することが可能であるなどとして, 間接強制金の支払を定めた事例
1 火薬類である緊急保安炎筒1本を遠隔操作により電気点火が可能な状態に加工した行為が,火薬類を変形したものとして火薬類の製造(火薬類取締法3条)にあたるとされた事例
2 放射性物質を含有する土砂を入れ放射性物質の存在を示す標識等を付した容器や1に係る緊急保安炎筒等を搭載したドローンと称する小型無人機を遠隔操作し,総理大臣官邸の上空まで飛行させた上,同官邸屋上に落下させ,その13日後にこれを発見した官邸職員らに通常業務と異なる対応を余儀なくさせたことが,威力業務妨害罪にいう威力及び業務妨害にあたるとして同罪の成立を肯定した事例
1 銃砲刀剣類所持等取締法11条7項の銃砲の仮領置がされた後に許可の効力が期間満了により失われた場合における上記仮領置の効力の帰趨
2 銃砲刀剣類所持等取締法7条の3第1項による猟銃所持許可の更新の申請をした者につき申請書提出先の警察署がその者に配偶者暴力のおそれがある旨の情報を得ていた場合において, 申請書添付書類の同居親族書に別居中の妻子が同居親族として記載されていたことが, 同法5条1項に規定する重要な事項についての虚偽の記載に該当しないとされた事例
1 担当医師の専門外の疾患について,患者に対する診療契約上の専門医紹介義務及び同義務違反が認められた事例
2 診療契約上の債務不履行に基づく損害賠償が認められる範囲
3 患者の疾患(身体的素因)と過失相殺の規定の類推適用の可否(肯定)
強要罪と平成26年法律第79号による改正前の児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条3項の児童ポルノ製造罪とが併合罪の関係にあるとされた事例
1 就業規則に定められた賃金や退職金に関する労働条件の変更に対する労働者の同意の有無についての判断の方法
2 合併により消滅する信用協同組合の職員が, 合併前の就業規則に定められた退職金の支給基準を変更することに同意する旨の記載のある書面に署名押印した場合において, 上記変更に対する当該職員の同意があるとした原審の判断に違法があるとされた事例
前件調停後に妻ではない女性との間に子が出生したこと等が婚姻費用の分担額の減額を認めるべき事情の変更に該当するとして,抗告人が分担すべき婚姻費用額の減額を認めた事例
改正前の障害者自立支援法(現・障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)に基づき事業者が障害者に代わって支払を受けるという訓練等給付費の制度の下において,障害者ごとに提供された就労継続支援等に関する資料を添付するという態様で請求がされ,障害者ごとに提供されたその内容等を審査して金額の算定がされる訓練等給付費について,被告人が,就労継続支援等の提供をした障害者に係る給付費に,その提供をしなかった障害者に係る分を加えて金額を水増しした内容虚偽の請求をし,水増し分を含む給付費の交付を受けたという本件事実関係の下では,詐欺罪は,内容虚偽の請求と因果関係のある就労継続支援等の提供をしなかった障害者に係る給付費について成立し,交付を受けた給付費全額について成立するものではないとされた事例
1 東京都特別区の借上型区民住宅に関する賃貸借契約が賃借人の更新拒絶により終了しても, 賃貸人が信義則上その終了を転借人に対抗することができないとされた事例
2 前記借上型区民住宅の賃貸人が賃借人及び転借人に対してした将来の明渡しを求める訴えが, いずれも不適法とされた事例
1 死刑確定者又はその再審請求のために選任された弁護人が再審請求に向けた打合せをするために刑事施設の職員の立会いのない面会の申出をした場合にこれを許さない刑事施設の長の措置が「死刑確定者の心情の安定を把握する必要性が高いと認められる」として国家賠償法1条1項の適用上違法とならない場合
2 死刑確定者が代理人弁護士との間で自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇に関する救済を求める訴訟に向けた打合せをするために刑事施設の職員の立会いのない面会の申出をした場合にこれを許さない刑事施設の長の措置が国家賠償法1条1項の適用上違法となる場合
3 死刑確定者に対する刑事施設の長の措置その他死刑確定者が受けた処遇に関する救済を求める訴訟における死刑確定者の代理人弁護士が死刑確定者との間で同訴訟に向けた打合せをするために刑事施設の職員の立会いのない面会をする固有の利益の存否
網膜剥離を発症して1眼を失明した患者について,担当医師が適切な時期に転送義務を果たしていたとしても,患者に重大な後遺症が残らなかった相当程度の可能性を認めることはできないとして,損害賠償責任が否定された事例
請求項に記載された特許を受けようとする発明が,そこに何らかの技術的思想が提示されているとしても,その技術的意義に照らし,全体として考察した結果,その課題解決に当たって,専ら,人の精神活動,意思決定,抽象的な概念や人為的な取決めそれ自体に向けられ,自然法則を利用したものといえない場合には,特許法2条1項所定の「発明」に該当するとはいえない
1 内閣官房報償費に係る行政文書において,報償費の支払相手方等が記載されている情報が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号,6号所定の不開示情報に該当するとされた事例(①事件)
2 行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号,6号所定の不開示情報に該当するとされた情報を,同法6条1項に基づき更に細分化し,その一部のみを不開示とし,その余の不開示決定部分を取り消すことが許されないとされた事例(②事件)
高等学校のバスケットボール部の顧問教諭から継続的な暴行や威迫的言動等の行為を伴う指導を受けていた生徒が自殺した場合において, 顧問教諭の当該行為が不法行為に該当し, 顧問教諭の当該行為と自殺との間に相当因果関係が認められ, 当該生徒の自殺における顧問教諭の当該行為の寄与度が7割と認められるとされた事例
被告人両名が共謀の上,被告人のうち1名が個人事業として行った多数の不動産取引を会社が行った取引であるかのように装うなどの方法により事業所得を秘匿し,2年分の所得税合計8億円余りを免れたとされる事案において,不動産取引の収益が誰に帰属するかは,基本的には,所有者が誰であるかの問題であり,これを確定するためには,不動産購入契約の買主を検討すれば足りるとの判断枠組みに基づき,買主は,不動産取引による収益を申告した会社であり,その収益は個人には帰属しないとした原判決は,事業所得の帰属の認定に当たっては,事業取引の主体が当該個人であるか否かを検討すべきであるのに,これと異なる不適切な判断枠組みに依拠したものであって,事実誤認の疑いが生じるとされた事例
1 民法910 条に基づき価額の支払を請求する場合における遺産の価額算定の基準時
2 民法910 条に基づく価額の支払債務が履行遅滞となる時期