強制わいせつ致傷,窃盗保護事件において少年を第1種少年院に送致した決定に対する抗告について,付添人が証人尋問の申出をした者の一部について証人尋問を採用しなかった原審の判断には決定に影響を及ぼす法令違反はないとして,これを棄却した事例
担任する生徒へのわいせつな内容を含む多数のメール送信をしたことなどの理由により免職とした懲戒処分に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとした事例
配当表記載の根抵当権者の配当額に相当する金銭が供託され,その後,当該根抵当権者に対し上記配当表記載のとおりに配当がされる場合における,当該供託金の充当方法
刑事確定訴訟記録法 4 条 1 項ただし書,刑訴法53 条 1 項ただし書にいう「検察庁の事務に支障 のあるとき」と関連する他の事件の捜査や公判 に不当な影響を及ぼすおそれがある場合
社会福祉法人を任期満了で退任した理事が仮理事選任の申立てをしたのに対し,処分行政庁が職権で別の者を仮理事に選任する処分をした場合に,当該退任理事が,処分行政庁の行った仮理事選任処分の取消訴訟を提起することの原告適格を有すると判断された事例
山岳ガイドの業務に従事していた被告人が,有 料登山ツアーを企画,主催し,5 名の女性登山客を引率して,降雨の中,登山を開始し,その 登山道上で天候悪化のため,登山客らを強風, みぞれ,吹雪等にさらさせて,追従,歩行がで きない状態に陥らせ,そのうち 4 名を低体温症 で死亡させるに至ったという遭難事故につい て,過失判断の前提としての予見の内容として は,遭難事故となる危険性のあるような天候の 悪化の可能性で足り,それ以上に,現に生じた ような著しい天候の悪化の可能性は予見の対象 とはならないとして,被告人に過失を認め,業 務上過失致死の責任を認めた原判決を是認した 事例
自らが経営する会社で貸金業者から買い取った不良債権を回収する営業を行っていた被告人が債権を保有している清算中の法人の全株式を取得した行為が,債権管理回収業に関する特別措置法2条2項後段にいう債権を「他人から譲り受け」たことに当たるとされた事例
撮影対象に私道部分や原告らの自宅出入口付近を含む屋外設置のカメラについて,防犯目的を含むものの原告らのプライバシーを違法に侵害するとして,その撤去及び損害賠償が認められた事例
いわゆるオレオレ詐欺に係る詐欺未遂保護事件において少年を第3種少年院に送致した決定に対する事実誤認及び処分不当を理由とする抗告について,詐欺の故意及び共謀の認定に係る原審の判断に重大な事実誤認はないとした上で,少年の問題性を考慮して,少年を第3種少年院に送致した原決定の判断は是認できるとしてこれを棄却した事例
道路交通法違反保護事件において少年を第1種少年院に送致した決定(特別短期間の処遇勧告あり)に対する処分不当を理由とする抗告について,非行内容や少年の問題性を考慮して,これを棄却した事例
地方税法 11 条の 8 にいう「滞納者の地方団体の 徴収金につき滞納処分をしてもなおその徴収す べき額に不足すると認められる場合」の意義
不動産の売買契約の買主から委託を受けて売主と名乗る詐称人の本人確認及び同人の持参した登記手続書類の確認を行った司法書士の注意義務違反を否定した事例
1 原告の特許権を侵害する被告装置に対して,点検,整備,部品の交換,修理を行う行為の差止請求は,間接侵害品である部材の交換の差止請求権の行使を実効あらしめるために必要な範囲を超える過大な請求であって,許されないとされた事例
2 特許法102条3項の「その特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額」が不当利得における受益者の利得の額及び権利者の損失の額に相当するとされた事例
団体信用生命保険契約において精神障害に罹患した被保険者が自殺した場合について,保険者の免責を認め,保険金債権の確認を求める原告の請求を棄却した事例
1 医薬品の製造販売につき,特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった承認に先行する承認が存在することにより,上記出願の理由となった承認を受けることが必要であったとは認められないとされる場合
2 医薬品の製造販売につき,特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった承認に先行する承認がされている場合において,先行する承認に係る製造販売が,上記出願の理由となった承認に係る製造販売を包含するとは認められないとされた事例
原審検察官が,共謀は,①特定の日より前の関係者間での一連のやり取りの中で成立したか,②そうでなかったとしても,特定の日の打合せにおいて成立したと主張しているのは明らかであるのに,原裁判所が求釈明及び釈明を経ることなく,検察官は②において共謀が成立したと主張しているとみるべきであると断じて,上記打合せの事実の存否のみを検討し,その余の事実に関する検察官の主張を検討の対象から除外したのは,裁判所の釈明義務に違反する違法な措置であるとした事例
弁護士である弁護人が被告人の委託を受けて保管している同人の犯行状況とされるものを撮影録画したデジタルビデオカセットについて, 刑訴法105条の「他人の秘密に関するもの」に当たらないとされた事例
既存の版胴を加工することにより表面粗さに関する特許発明に係る版胴を新たに作り出した被告の行為について,特許法102条1項が適用された事例
衆議院比例代表選出議員の選挙区及び各選挙区 において選挙すべき議員の数を定める公職選挙 法 13 条 2 項,別表第 2 の規定の合憲性
保証人が主たる債務者に対して取得した求償権 の消滅時効の中断事由がある場合における共同 保証人間の求償権の消滅時効中断の有無