国の機関の公用車の管理運行業務を受託していた事業者に雇用されていた労働者につき,当該国の機関が労働者に対し直接の指揮命令を行い,労働局から違法な労働者派遣に該当する等との是正指導を受けていた場合において,当該労働者の雇用確保についての団体交渉に関し,国は労働組合法7条の「使用者」に当たらないとしてその団交義務を否定した事例
地方公共団体が申立人となり,被相続人に対して介護予防支援事業契約に基づき予防訪問介護サービスを提供等をしたことを理由としてした,特別縁故者に対する相続財産分与の申立てを却下した事例
過払金が発生している継続的な金銭消費貸借取 引の当事者間で特定調停手続において成立した 調停であって,借主の貸金業者に対する残債務 の存在を認める旨の確認条項及びいわゆる清算 条項を含むものが公序良俗に反するものとはい えないとされた事例
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関 する法律(平成 23 年法律第 74 号による改正前のもの)3 条 1 項 9 号にいう「詐欺罪に当たる 行為を実行するための組織」に当たるとされた 事例
東日本大震災に伴う原発事故による仕入先工場の操業停止により,売上げの大半を失った会社(間接被害者)に対する賠償が一部認められた事例
訴訟の目的である金銭債権の数量的な一部に対 応する訴え提起の手数料につき訴訟上の救助を 付与する決定が確定した場合において,請求が 上記数量的な一部に減縮された後の訴えを却下 することの許否
1 一部の区分所有者が共用部分を第三者に賃 貸して得た賃料のうち各区分所有者の持分割合 に相当する部分につき生ずる不当利得返還請求 権を各区分所有者が行使することができない場合
2 一部の区分所有者が共用部分を第三者に賃 貸して得た賃料につき生ずる不当利得返還請求 権を他の区分所有者が行使することができない とされた事例
内国法人がタイ王国に所在する関連法人発行の新株を額面価額で引き受けた場合において, 当該株式が法人税法施行令(平成19年政令第83号による改正前のもの)119条1項4号に規定するいわゆる有利発行有価証券に該当するとされた事例
公共住宅内に設置されたエレベーターにおいて,ブレーキライニングという部品が擦り減ったことが原因で,エレベーターのかごが停止階で停止せずに上昇し,その結果発生した死亡事故について,エレベーター製造会社の保守課長については,故障対応に当たった時点では本件事故原因が発生していたとは認められないとして無罪とし,他方,本件事故当時,保守点検を行っていた会社の代表取締役社長,専務取締役及び保守部長に業務上過失致死罪の成立が認められた事例
被相続人の家業である農業に従事したことを理由とする寄与分を遺産総額の30パーセントと定めた原審判を変更し, 農業に従事したこと以外の寄与を認めることができないことも考慮して, 農地のみの評価額の30パーセントと定めた事例
住居侵入,強制わいせつ未遂,強制わいせつ保護事件において少年を第1種少年院に送致した決定について,試験観察に付するなどして,社会内処遇による改善更生の可能性を十分検討することのないまま,収容処遇を選択した原決定の処分は著しく不当であるとして,これを取り消して事件を原裁判所に差し戻した事例
臨場した弁護士が,職務質問に応じない旨を明確に示しているのに,これを無視する形で行われた被疑者に対する有形力の行使が任意捜査の限界を超える違法なものとされた事例
商号がゴルフ場経営会社と全く同一であり,ゴルフ場のクラブ名とも同一である上,ゴルフ場の所在地を本店所在地とする株式会社について,本件で認められる諸事情から法人格否認の法理を適用して,預託金の返還を求めるゴルフ場の元会員に対し信義則上ゴルフ場経営会社と法人格を異にすることを主張できないとした事例
権利能力のない社団の理事長及び専務理事の地 位にあった者が当該社団からの借入金債務の免 除を受けることにより得た利益が,所得税法 28 条 1 項にいう賞与又は賞与の性質を有する給与に当たるとされた事例
衆議院議員の関連政治団体の事務全般の統括等をしていた者及び同議員の資金管理団体の会計責任者に対する政治資金規正法25条1項違反の罪(収支報告書の虚偽記入・不記載の罪)について,執行猶予付き禁錮刑の有罪判決が言い渡された事例
フランチャイズ契約終了後の競業避止義務を定めた条項に基づいて,フランチャイザーがフランチャイジーに対して営業禁止を求めることが,信義則に違反し許されないとした事例
弁護士による破産手続開始申立ての受任通知の送付後,同申立てが行われないまま辞任するまでの間に行われた債務者所有不動産の売却について,これを阻止できなかったことなどに関する弁護士の不法行為責任及び債務不履行責任が否定された事例
過払金が発生している継続的な金銭消費貸借取 引の当事者間で成立した裁判外の和解につい て,当該和解が過払金返還請求権についての争 いを対象とするものではないとして和解の効力 が否定された事例