〔解 説〕
1 事案の概要
(1)A会社所有の本件建物(その敷地も含む。)につき抵当権に基づく競売開始決定があり,Yは,本件建物を競落し,本件建物の占有者とされたXの息子に対する引渡命令を得て,引渡執行に着手した。Xは,本件建物を占有していたところ,買受人であるYに対抗できる賃借権を有してい...
〔解説〕
1 事案の概要等
本件は,被告人が,過去に離婚事件の相手方に就いた知人弁護士の被害者を恨み,その拉致・殺害の目的で被害者方に侵入した上,被害者に対し,殺意をもって,刃物を突き出して心損傷等を生じさせ,よって,左胸腔内出血により死亡させて殺害したほか,その際,けん銃を適合実包と共に...
労働組合組合員に支給される一時金が非組合員 と比較して著しく低額であったことの不当労働 行為該当性が大量観察方式により認定された事 例
破産者が元勤務先の早期退職支援制度に基づき 支給を受けるべき年金の給付請求権について, 民事執行法 152 条 1 項 2 号所定の差押禁止債権 に該当せず,その全額が破産財団を構成し,破 産管財人が管理処分権を有すると判断した事例
〔解説〕
1 本件は,被上告人Yにつき破産手続が終結し免責許可決定が確定した後,Yに対し確定した破産債権を有していた上告人Xが,当該破産債権が破産法253条1項2号の「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」に該当すると主張して,Yに対し,当該破産債権が記載された破産債権者表につ...
〔解 説〕
第1 事案の概要
1 本件は,Xが,営業秘密の侵害を理由に損害賠償及び差止めを命じた米国の裁判所の判決(懲罰的損害賠償を命じた部分を除く。)について,民事執行法24条に基づく執行判決を求めた事案である。
外国裁判所の判決について執行判決を得るためには,民訴法118条各号に掲げる...
1 ウレタン性断熱材が吹き付けられた鉄骨を 切断するために行ったアセチレンガス溶断作業 により火災が発生したことにつき作業者の重過 失を認めた事例
2 震災により被災した倉庫の時価につき算定した事例
商業手形の割引業務,資金の貸付業務等を目的 とする株式会社の代表取締役兼会長であった被 告人に対し,詐欺再生罪及び特別背任罪につい て無罪と判断された事例
持株会社が複数事業年度においてその子会社に 当該子会社の株式の一部の譲渡をそれぞれして 有価証券の譲渡に係る譲渡損失額(当該株式の 譲渡に係る対価の額と当該株式の譲渡に係る原 価の額との差額)を上記の各譲渡をした日の属 する各事業年度の所得の金額の計算上損金の額 にそれぞれ参入した結果生じた欠損金額に相当 する金額を含むいわゆる繰越欠損金を連結納税 の承認があったものとみなされた連結所得の金 額の計算上損金の額に算入することが法人税法 132 条 1 項にいう「不当」なものと評価される べきであると認めるには足りないとされた事例
ハンバーガー店を経営する原告との間で顧問契 約を締結していた被告らがハンバーガー店の売 上金を回収した行為が,共同不法行為であると 認定した事例
機械的,網羅的な馬券購入を反覆継続した大規 模な馬券購入行為について,その払戻金による 所得は雑所得に当たるとし,外れ馬券の購入費 用等も所得計算上控除される必要経費に含まれ るとした事例
〔解 説〕
第1 事案の概要
本件は,標準規格に必須となる特許権についていわゆるFRAND宣言がされた場合の当該特許権による差止請求権や損害賠償請求権の行使にどのような制限があるのかやこれに関連する論点について,知財高裁が大合議事件(民事訴訟法310条の2)として,審理判断した事案である。
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1 収益の帰属者につき実質主義を定める所得 税法 12 条について,「実質」の意義
2 被告人両名が共謀の上,被告人の 1 名が個 人事業として行った多数の不動産取引をいずれ も法人が行った取引と仮装するなどして所得を 秘匿し,同被告人の 2 箇年分の所得税合計 8 億 円余を免れたとする所得税法違反各被告事件に ついて,被告人両名に無罪が言い渡された事例
売買契約の目的物である土地にその隣接地上の 建物及び当該建物に設置された広告塔の照明灯 が越境していたことが,当該土地の隠れた瑕疵 に当たらないとされた事例
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Y(広島県府中市・上告人)の市議会議員であったX(被上告人)が,府中市議会議員政治倫理条例(以下「本件条例」という。)4条3項に違反したとして,議員らによる審査請求,市議会による警告等をすべき旨の決議,議長による警告等を受けたため,同条1項及び3項の規定...