治験実施計画書(プロトコル)中の除外基準に 違反して手術が実施されたと認められ,当該除 外基準の違反は民事法上も違法と評価されると して,損害賠償が一部認容された事例
〔解 説〕
1 事案の概要
(1)X1社(中古車販売業者)の代表者であるX2は,Y社(投資業者)の担当者から「A社は年間約3億円の利益を上げる人気カードゲーム等の製作販売をしており,タイ王国株式上場企業を子会社化して,株価の上昇が見込まれる。」,「もともと1億円を出資する予定であった顧問弁護...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1) 本件は,遺産分割審判によりXらとYの持分各4分の1で共有取得するものとされた株式,MRF等の投資信託受益権(振替投資信託受益権)及び個人向け国債につき,XらがYに対し共有物分割等を求めた事件である(以下,分割対象となった国債等を「本件国債等」という。)。
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〔解 説〕
1 事案の概要
(1) 相手方(債権者)は,執行力ある債務名義(判決の正本)に基づき,不法行為に基づく損害賠償請求権及びこれに対する遅延損害金支払請求権を請求債権として,第三債務者から抗告人(債務者)に支給される給料,賞与及び退職金に対する債権差押命令を申し立てた。
(2) 原審...
炭酸飲料小出し装置事件拒絶査定不服審判請求に伴う手続補正に対し て,独立特許要件違反を理由として補正却下をした審決が,審判における手続違背を理由とし て取り消された事例
1 イレウスを発症し,腹痛,嘔気等を訴える 患者について,開業医の転送義務違反を認め, 大学病院の開腹手術義務違反を否定した事例
2 上記の転送義務違反と死亡の結果との間の 因果関係を否定したが,生存の相当程度の可能 性の侵害があったとして,慰謝料が認められた事例
1 壁面に吹き付けられたアスベストが露出している建物が遅くとも昭和63年2月頃には通常有すべき安全性を欠くと評価されるようになったとされた事例 2 壁面に吹き付けられたアスベストが露出している建物の所有者兼賃貸人が民法717条1項にいう「占有者」に当たるとされた事例
〔解 説〕
1 本件は,権利能力のない社団であるXが,土地建物について,これらがXの所有に属すると主張して,共有持分の登記名義人のうちの1人の権利義務を相続により承継したYに対し,「X代表者A」への持分移転登記手続を求めた事案である。
2 事実関係の概要等は,次のとおりである。
(1)Xは権...
〔解 説〕
1 本件事案の概要
Y会社を含む貸金業者などから借入れをしていたXは,平成17年7月,認定司法書士であるA司法書士に債務整理を依頼した。A司法書士は,Y会社に対して取引履歴の開示を求め,直近10年間の取引履歴(本件取引履歴2)の開示を受けた。この履歴を基にいわゆる「冒頭ゼロ計算...
〔解 説〕
1 事案の概要
抗告人(原審相手方)及び抗告人がその代表者を務めていた会社(以下「本件会社」といい,抗告人と本件会社とを併せて「抗告人等」という。)は,本件土地建物の元所有者であったところ,本件土地建物を基本事件債務者兼所有者(以下「本件所有者」という。)に対して売却した(以下...
いわゆる悪質商法の主体である法人の代表者が 整理屋グループと組み詐害目的での資産移転行 為をしたものの事後的に破産管財人の調査に協 力した場合における裁量免責の可否
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,X(使用者)が,本訴として,Y(労働者)を相手に,Yに対する未払賃金債務が173万1919円を超えて存在しないことの確認を求め,Yが,反訴として,Xを相手に,未払賃金の支払等を求めるとともに,労働基準法37条所定の割増賃金の未払金(以下「未払割増賃金」と...
〔解 説〕
1 本件は,覚せい剤密輸入事件について,裁判員裁判による第1審が被告人に無罪を言い渡したが,控訴審が事実誤認を理由に破棄,差戻しとしたことから,被告人が上告していた事案である。
2 事案は,日本在住のイラン・イスラム共和国籍の被告人が,共犯者らと共謀の上,約4kgの覚せい剤をト...
1 家事審判官が成年後見人に対する監督義務 を怠ったことにより被後見人に対する債権の回 収が不能になったとする国家賠償請求が棄却さ れた事例
2 家事審判官の後見開始申立事件記録の閲覧 謄写申請不許可処分に違法はないとされた事例
商標登録の無効審判請求において,商標法4 条1項 10号違反を理由に本件商標登録を無効にするとの審決がなされたところ,いわゆる一事不 再理に反するとして,この審決が取り消された事例
1 離婚に伴う財産分与において,医療法(平成 18 年法律第 84 号による改正前のもの)に基 づいて設立された医療法人に係る夫婦名義の出 資持分のほか,夫の母名義の出資持分をも財産分与の基礎財産として考慮し,医療法人の純資 産価額に 0.7 を乗じた金額を出資持分の評価額 として財産分与額を算定した事例
2 離婚に伴う財産分与において,高額な収入の基礎となる特殊な技能が,婚姻届出前の個人 的な努力によっても形成され,婚姻後もその才 能や労力によって多額の財産が形成された場合に,いわゆる 2 分の 1 ルールを重視しつつも, 上記のような事情を考慮して寄与割合を算定することを是認した事例
申立人と相手方の監護意欲,監護態勢その他の 事情を比較し,申立人の監護意欲及び監護態勢 の方が優っているとして,申立人を未成年者ら の監護者として指定するとともに,相手方が申 立人に対する未成年者らの引渡しを拒否するよ うな態度を示していることから,相手方に対 し,未成年者らの引渡しを命じた事例
〔解説〕
1 本件は,亡Aの妻であるXが,Aがその遺産の全てを長男であるYに相続させる旨の遺言をしたことにより遺留分が侵害されたと主張して,Yに対し,遺留分減殺を原因として,不動産の所有権の一部移転登記手続等を求めた事案であり,時効の期間の満了後に後見開始の審判を受けたXについて,その遺留分...