競業会社の取引先に対する調査依頼文書の送付 や弁護士会による照会を行ったことなどが不法行為とならないとされた事例
1 民法 915 条所定の期間が経過した後に相続 放棄に関する相談をされた司法書士において, 相続放棄申述手続に係る事務を受任したものと は認められないと判断された事例
2 民法 915 条所定の期間が経過した後に相続 放棄に関する相談をされた司法書士において, 相続放棄申述手続に係る事務を受任する意思が ないにもかかわらず,これがあるかのように装 い,相談者らが相続放棄の申述をする機会を 奪ったものとは認められないと判断された事例
1 金融機関における暴力団員等の反社会的勢力との取引拒絶規定と憲法 22 条 1 項等
2 暴力団員が金融機関の係員に対し自己が反 社会的勢力ではない旨の表明・確約をして預金 口座の開設等を申し込み預金通帳の交付を受け る行為が,詐欺罪に当たるとされた事例
1 1棟のマンションの売買に関し,同マン ションの一室で自殺があったことについて,売 主及び売主の依頼を受けた宅地建物取引業者に 調査説明義務違反がなかったとされた事例
2 売買の目的物であるマンションの一室で自 殺があったことが「瑕疵」に該当するとして, 建物価値の低下の程度や収益性の低下の程度等 を考慮して,損害額を算定した事例
特別縁故者に対する相続財産の分与の申立人が その申立て後に死亡し,相続人のあることが明 らかでないとして相続財産法人が成立した場合 には,当該相続財産法人が申立人の地位を承継 したものというべきであるとして,申立人の死 亡により上記申立て事件が終了したと判断した 原審判を取り消し,原審に差し戻した事例
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,高校1年の柔道部員が試合前の練習で急性硬膜下血腫を発症した事故について,学校側に過失があると主張して,本人及びその両親,妹が,学校に対し,総額2億7000万円余の損害賠償を提起した事案である。X1は,平成20年4月,Y高校に入学し,同月9日,同校柔道部(...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,原審が,面会交流を認めたところ,これを不服とする抗告人が原審判を取消し,面会交流の申立てを却下するよう求めて,高裁に抗告した事案である。本件の事実経過は次のとおりである。X(夫)とY(妻)は平成13年ころ婚姻し,両者の間には長女(平成17年生,以下,「未...
被告病院が開設する歯科クリニックにおいてサ イナスリフトを受けたところ上顎洞炎を発症し たことについて注意義務違反が認められた事例
重要事項について虚偽記載等のある有価証券報 告書等を提出した株式会社の取締役が,当該有 価証券報告書等の公衆縦覧後に当該株式会社の 株式を取得した一般投資家に対して,当該虚偽 記載等がなければ株式を取得しなかったであろ うと認められるとして,金融商品取引法第 24条の 4 等において準用する同法第 22 条第 1 項に 基づく損害賠償責任を負うとされた事例
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Xが,Yに対し,Yから請け負った公共事業工事についての追加工事施工代金315万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めたのに対し,Yが,当事者間の工事下請負契約約款による仲裁合意(あっせん又は調停による解決若しくはこれにより解決する見込みがない場合は審査...
〔解 説〕
1 本件は,選定者A及びX(以下「本件選定者ら」という。)とBとの共有に係る不動産のBの持分につき,Bが滞納していた相続税を徴収するため国税徴収法47条1項に基づく差押処分がされたことから,Xが,選定当事者として,上記処分の取消し等を求めた事案である。
2 本件の事実関係の概要...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1)本件は,東京都府中市内の区分建物を共有し,その敷地権に係る固定資産税の納税義務を負うXが,府中市長により決定され土地課税台帳に登録された上記敷地権の目的である各土地(以下「本件各土地」という。)の平成21年度の価格を不服として,府中市固定資産評価審査委員会(...
〔解 説〕
1 本件は,Aの相続人であるXらが,Aは鉄道高架下の建物(本件建物)で長年勤務していた間に本件建物の壁面に吹き付けられた石綿(アスベスト)の粉じんを吸入したことにより悪性胸膜中皮腫に罹患して自殺したと主張して,本件建物を所有する鉄道会社であるYに対し,所有者の土地工作物責任(民法...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,担保不動産競売事件において,土地の売却許可決定を受けて買受人となったX(抗告人)が,民事執行法75条1項に基づき,売却許可決定の取消しを求めた事案である。
Xは,本件土地の隣接地の建物に暴力団幹部が居住し,暴力団関係者が本件土地に自動車を駐車してこれを...
勾留されていた被告人であった者についても, 公判期日等に出頭することに伴う積極的損失(いわゆる出頭諸雑費)は費用補償の対象となる
住民訴訟で勝訴した原告らが地方公共団体に対 し地方自治法(平成 14 年法律第 4 号による改正前のもの)242 条の 2 第 7 項に基づき支払を請 求することのできる「相当と認められる額」は 1億5000万円と算定するのが相当であるとして, 当該地方公共団体に対し同額の支払が命じられた事例
複数の一斗缶に詰められた被害者 2 人の死体が発見された事件で,被告人を被害者 2人を死亡させた犯人であると認め,被害者 1 人に対しては殺意を認めて殺人罪の成立を,もう 1 人に対 しては殺意を否定して傷害致死罪の成立を認めて,懲役 28 年を言い渡した事例
1 弁護士法及び弁護士の報酬に関する規程上 弁護士に依頼者との間での委任契約書の作成義 務が存するとしても,認定された事実関係の下 では契約書が作成されていないことが委任契約 の成立自体には影響を与えないとされた事例
2 弁論準備手続終了後の新たな攻撃防御方法 の提出が,認定された事実関係及び具体的な訴 訟経過の下では時機に後れた攻撃防御方法とし て却下すべきとまでは認められないとされた事 例
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,破産法160条3項のいわゆる無償行為否認に関し,X(破産管財人)が,Y(国)に対し,(1)A(破産者)がしたB(Aの子会社)の滞納国税の納税保証(本件納税保証)を同項に基づいて否認し,Z(処分行政庁)がした充当処分(本件充当処分)によって本件納税保証債務...
〔解 説〕
第1 事案の概要
1 本件は,次の2つの請求からなる事案である。
(1)Xが,貸金業者であるA及びこれを吸収合併したYとの間で,基本契約に基づいて継続的に金銭の借入れと弁済を繰り返したところ,過払金が発生していると主張して,Yに対し,過払金合計182万7505円及び法定利息の支払...