1 商標法50 条1項にいう「登録商標と社会通 念上同一と認められる商標」は,①書体のみに 変更を加えた同一の文字からなる商標,②平仮 名,片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に 変更するものであって同一の称呼及び観念を生 ずる商標,③外観において同視される図形からなる商標に準ずるような,これと同程度のものをいう
2 「RHYTHM」「RHYTHM」 の商標が「rhythm」なる登録商標と社会通念上同一と認められる商標には当たらないとされた事例
〔解 説〕
1 本件は,神奈川県藤沢市内に工場を有するXが,神奈川県臨時特例企業税条例(以下「本件条例」という。)に基づき道府県の法定外普通税である臨時特例企業税(以下「特例企業税」という。)を課されたことから,本件条例は法人事業税の課税標準である所得の金額の計算につき欠損金の繰越控除を定め...
自ら出産した新生児を殺害した被告人が,その 死体をタオルで包み,ポリ袋に入れるなどして 自宅などに隠匿した死体遺棄の事案について, 葬祭義務を果たさないまま放置した不作為によ る遺棄行為を起訴したものであるから,公訴時 効の起算点は,警察官が死体を発見したときで あるという検察官の主張を排斥し,作為による 死体遺棄罪が成立するとした上,公訴時効が完 成しているとして,免訴を言い渡した事例(裁 判員裁判実施事件)
〔解 説〕
1 本件は,Yらから売買(本件各売買)により土地区画整理事業の施行地区内の土地(本件各土地)を購入したXらが,本件各売買後に土地区画整理組合の総代会の決議により賦課金を課されたため損害を被ったと主張して,Yらに対し,瑕疵担保責任に基づく損害賠償を求めた事案である。本件の主な争点は...
自転車の走行中に生じた転倒事故の原因が,同 自転車の前輪のサスペンション部分が分離した ことにあり,同自転車には製造物責任法上の欠 陥があるとして,これを輸入した業者に対する 同法に基づく損害賠償請求が認容された事例
商標法 50 条 1 項に基づく不使用商標登録取消審 判請求において,本件商標の通常使用権者が製 造販売し,本件商標が表示された商品が,本件 審判請求の登録前 3 年以内に第三者により取引 されていたと認められることから,通常使用権 者により本件商標が指定商品に使用されていた と判断されるとして請求不成立とした審決が維 持された事例
原告らの代理人である弁理士らにされた拒絶査 定の謄本のオンライン送達が,代理人弁理士の 意思能力の欠如等により無効であるとして,請求期間経過を理由に拒絶査定不服審判請求を却 下した審決が取り消された事例
被告標章(後掲)とカタカナの標準文字で「ナーナニーナ」と一連に横書きしてなる本件 商標とが類似する等として,被控訴人(被告) による商標権侵害を肯定し,これを否定した原 判決の一部が変更された事例
〔解 説〕
1 事案の概要
(1)Y(日本相撲協会)は,Y所属の幕内力士であるXを「故意による無気力相撲を行った」ことを理由として故意による無気力相撲懲罰規定に基づき引退勧告処分とし,その後,Xが同処分に従わないことから,Yの寄附行為施行細則に基づき「協会内の秩序を乱す」という理由で解雇処分...
居住地から職場や学校等への日々の通勤や通学 等の手段として反復継続して日常的に鉄道を利 用している者は,鉄道事業法に基づく旅客運賃 認可処分の取消しの訴え等の原告適格を有する とされた事例
〔解 説〕
1 事案の概要
(1)国立市の住民は,国立市が住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)に接続していないことは住民基本台帳法(住基法)に違反するものであって,住基ネットに接続していれば不要である年金受給権者現況届の郵送費等を支出したことは,財務会計上の違法行為に該当するなどと...
〔解 説〕
1 ①,②事件は,いずれも,地方の中堅企業であるX社が,メガバンクであるY銀行との間で行った金利スワップ取引に係る契約を締結した際,Y銀行に説明義務違反があったと主張して,Y銀行に対し,損害賠償を求めた事案である。
事実関係は,各事件の判文を参照していただきたいが,補足すると,...
1 暴行を振るってきた相手に反撃して,床に 座り込んだ同人の身体にのしかかり押さえ続け て死亡させた行為について,過剰防衛に当たる として傷害致死罪の成立が肯定された事例
2 上記行為は,現行犯逮捕行為としても逮捕 の際許される有形力行使の限界を超えており, 違法性は阻却されない
〔解 説〕
1 有罪の言渡しを受けた者の親族らによる再審請求事件についても,請求人が死亡した時点で再審請求手続が当然に終了するかという問題に関する2件の最高裁決定である。
2 ①決定の事案は,有罪の言渡しを受けた者が心神喪失の状態にあるとしてその親族が再審請求をしていた事件の特別抗告審で,...
〔解 説〕
1 事案の概要
相手方(債権者)は,執行文の付された仮執行宣言付判決に基づき,抗告人(債務者)が第三債務者3名に対して有する預金債権の差押命令を求める本件申立てをした。原審が,本件申立てに基づき,債権差押命令(原決定)を発したところ,原決定正本を第三債務者らに発送する前に,抗告...
〔解 説〕
1 事案の概要
X会社は,企業経営のコンサルタント業務等を目的とする株式会社,Y会社は,陶磁器,ガラス器の輸入・販売等を目的とする株式会社,Z会社は,油類及び雑貨類の販売等を目的とする株式会社である。
Y会社は,X会社との間で,Y会社の事業について株式譲渡の手続によりX会社が...
本件発明の属する技術分野及びその特徴,原告 従業員 Aと被告従業員 Bの本件発明に係る技術 分野について有する知見の程度及び原告と被告 の関係等の諸事情に照らし,原告従業員 Aが 本件発明の発明者又は共同発明者とはいえない とした審決の認定判断に誤りがないとされた事 例
1 製造段階における製品の薬事法 2 条 1 項 3 号 の医薬品該当性は,製造時に想定される販売方 法ないし販売の際の演述・宣伝等,一般消費者 が入手する段階の事情をも考慮して判断すべき である
2 被告人に対する製品の製造依頼の内容や企 画書の内容から,体重を減少させ,痩身効果を もたらすものとして製造されたことが明らかで あり,含有される成分の作用により痩身効果が 期待できる旨の宣伝,広告がなされることは当 然予想されていたなどとして,製造段階におけ る製品の薬事法 2 条 1 項 3 号の医薬品該当性を認めた事例
〔解 説〕
1 事案の概要
(1) 本件は,控訴人(以下「Y社」という。)が,学校法人AからY社が購入した本件土地に生じた本件土壌汚染(土壌汚染対策法所定の特定有害物質である揮発性有機化合物や重金属によるもの)は,被控訴人(以下「市」という。)が管理する清掃作業場において生じた焼却灰や清掃事...
〔解 説〕
1 事案の概要
不動産賃貸業者であるY会社は,不特定かつ多数の消費者との間で建物賃貸借契約を締結,更新するに当たって,①2年間更新されるに際しては更新料として賃料等の1か月分を支払うとの条項(本件更新料支払条項),②契約終了後に明渡しが遅滞した場合には遅滞した期間について賃料等...