〔解 説〕
1 事案の概要
(1) 原告は,デザイナーズ戸建賃貸住宅のブランド「ユニキューブ」について,その設計・施工事業(以下「ユニキューブ事業」という。)に必要なマニュアル等を提供する事業を行っており,かつ本件商標(横書きで,カタカナ「ユニキューブ」とアルファベット「unicube」が二...
〔解 説〕
1 事案の概要と裁判所の判断
本件は,再生手続開始決定を受けたA社が,賃貸人であるY社に対し,平成22年7月12日に到達した書面により,民事再生法49条1項に基づき,同月31日をもって建物(貸室)の賃貸借契約を解除する旨の意思表示をし,同日までに原状回復工事を完了して,貸室を明...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,私立大学(以下「A大学」という。)を設置する原告が,同大学の入学試験日において,入学試験会場となるキャンパス及び指定会場周辺での情報宣伝活動の禁止を求める事案である。
原告は,都内や川崎市内に校舎を有しており,毎年度の入学試験の際,上記各校舎やその他数...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Vから,その頸部を締め付けた上,顔面を水中に沈めるよう嘱託された被告人が,Vが死ぬことはないとの認識で嘱託された行為を実行したところ,これによりVが死亡したという事案である。
被告人が本件行為に及ぶには,特異な経緯があった。すなわち,Vは,自分はトップ...
〔解 説〕
1 本件は,根保証契約の主たる債務の範囲に含まれる債務に係る債権(以下「被保証債権」という。)を当該根保証契約に定める元本確定期日前に譲り受けたXが,保証人であるYに対し,保証債務の履行を求める事案であり,根保証について,元本確定期日前にも随伴性が認められるかが問題となった事案で...
船員等の労働組合が国際的労働協約を締結して いない海運会社に労働協約締結を訴えるデモ行 動をした際に通行人に「賃金を搾取する会社」 等の記載のあるビラを配布し,労働組合の機関 紙である新聞に「悪徳船主」である旨の記事を 掲載したことが,真実性・誤信相当性を欠き, 海運会社に対する名誉毀損を構成するとされた 事例
被告人が覚せい剤を自己の身体に注射して使用 した事案につき,覚せい剤密売人からけん銃を 頭部に突き付けられて覚せい剤の使用を強要さ れたため,断れば殺されると思い,仕方なく覚 せい剤を使用した旨の被告人の供述の信用性は 排斥できず,被告人の供述を前提にすると,被 告人の覚せい剤使用行為は緊急避難に該当する として,原審の有罪判決を破棄し,無罪を言い 渡した事例
本人確認情報提供制度の趣旨からすれば,司法 書士である被告には,本人確認を行うに当たり 高度な注意義務が課せられているところ,被告 はこれを怠ったため,過失責任が認められた事 例
〔解 説〕
1 事案の概要
原告は,「シャンパンタワー」の文字を横書きしてなり,第43類「飲食物の提供」等を指定役務として設定登録された本件商標の商標権者である。被告は,フランスのシャンパーニュ地方における酒類製造業者の利益の保護を目的の一つとして法律により設立されたフランス法人であり,対...
〔解 説〕
1 本件は,仮差押えの本案訴訟で被告が敗訴したことを踏まえ,原告において,被告が,実際には被保全権利である請求債権が存在していないにもかかわらず,原告の全財産を網羅するような仮差押えを申し立て,仮差押決定を得たことにより,原告は,これらの財産を処分することができなくなり,債務の弁...
〔解 説〕
1 本件事案の概要
活魚運搬業者であるX会社に勤務し,大型活魚運搬車の運転業務などを担当していたAは,平成21年8月,配達業務中に,自動車販売業者であるY会社の従業員Bが運転する自動車に追突される事故(本件事故)に遭い,同年10月31日まで休業した。X会社は,Aの休業中,C会社...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Xが,民法709条に基づく交通事故による物的損害に係る損害賠償請求権を被保全権利として,事故により人的損害を負ったとされる訴外Aが自賠責保険の保険者Yに対して有する自賠法16条1項に基づく損害賠償額の支払請求権を債権者代位権(民法423条1項)によりAに...
インターネットのサイトから写真をダウンロー ドし,自ら運営するブログに写真をアップロー ドした被告について,写真の利用権原の有無の 確認を怠ったとして,著作権(複製権,公衆送 信権)侵害に係る過失を認めた事例
〔解 説〕
1 はじめに
本件は,東証一部上場企業であった株式会社アーバンコーポレイション(以下「アーバン」という。)の株式(以下「アーバン株」という。)を取引所市場で取得した個人投資家らが,アーバンの提出した臨時報告書等に虚偽記載等があったことを理由として,アーバンの再生手続において,金...
〔解 説〕
1 本件のうち判示事項に関係する部分は,土地の共有者の1人であるYがこれを第三者に50台程度の駐車場として賃貸して得る収益につき,他の共有者であるX1(Yの姉の夫)及びX2(Yの姉とX1との間の子)が,Yに対し,Xらの持分割合に相当する部分の不当利得返還請求をするものである(1審...
北朝鮮に居住し,北朝鮮国籍を有する者らが PCT に基づいて行った国際出願に関して,特 許庁長官が,上記出願が日本が PCT の締約国 と認めていない北朝鮮の国籍及び住所を有する 者によりなされたものであることを理由に行っ た手続却下処分が維持された事例
コイル状ストラップ付きタッチペンについて, 不正競争防止法 2 条 1 項 3 号の不正競争行為が 成立するとされた事例
商品の形態自体が特定の出所を表示する二次的 意味を有し,不正競争防止法 2 条 1 項 1 号にい う「商品等表示」に該当するためには,①商品 の形態が客観的に他の同種商品とは異なる顕著 な特徴を有しており(特別顕著性),かつ,② その形態が特定の事業者によって長期間独占的 に使用され,又は極めて強力な宣伝広告や爆発 的な販売実績等により(周知性),需要者にお いてその形態を有する商品が特定の事業者の出 所を表示するものとして周知になっていること を要する
商標法 51 条 1 項にいう混同を生ずるおそれの 有無については,商標権者が使用する商標と引 用する他人の商標との類似性の程度,当該他人 の商標の周知著名性及び独創性の有無,程度, 商標権者が使用する商品等と当該他人の業務に 係る商品等との間の性質,用途又は目的におけ る関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要 者の共通性その他取引の実情等に照らし,当該 商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として,総合的に判断される べきものである