〔解 説〕
1 事案の概要
本件事案の概要は,次のとおりである。Y社は,株式数3000株を発行している株式会社である。3000株のうち1000株はAが所有し,残り2000株は,XとBの2名による持分2分の1ずつの準共有状態にある(以下,上記2000株を「本件準共有株式」という。)。本件準共...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,借家契約において,Yほか(賃貸人ら)から賃料の増額請求を受けたA(賃借人)や,その包括承継人Xが,従来どおりの賃料に加えて,請求された増額分の一部を支払っていたところ,後日の確定裁判においてその増額の一部のみが正当とされ,これに照らすとAないしXの支払額...
発明の名称を「レーザーによつて材料を加工す る装置」とする特許権に基づく製造販売禁止等 請求控訴事件について,構成要件該当性が肯定 され,かつ,特許法 104 条の 3 の抗弁について, 訂正による対抗主張が認められるとして,構成 要件該当性を否定した原判決が変更された事例
〔解 説〕
1 事案の概要
本件事案の概要は次のとおりである。AはYに対し金銭債権を有しており,これについて公正証書を作成し,執行力を有する債務名義を有していた。Aは破産し,Xが破産管財人に選任された。Xは,YがBに対し債権を有しているとの情報を掴み,上記執行力を有する債務名義に基づき,Y...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xは,弁護士であり,亡Aの相続人(非嫡出子)であるYから他の相続人(養子)であるBに対する遺留分減殺請求訴訟の提起等の法律事務を受任し,Yを代理して,Bを債務者とする仮処分の申立て,Bを被告とする遺留分減殺請求訴訟の提起,Bとの間の和解交渉等の手続を行い,上記遺...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,結着肉を使用した「サイコロステーキ」と称する商品をレストランで提供してきた会社が,O157が混入したサイコロステーキを顧客に提供して食中毒事件が発生したことに関し,サイコロステーキを製造した者等に対し,約12億円の損害賠償を求めた事案である。
Xは,フ...
〔解 説〕
1 本件は,平成24年12月4日に公示され,同月16日に施行された衆議院議員選挙(以下「本件選挙」という。)の選挙人である原告らが,最高裁大法廷判決(最大判平23.3.23民集65巻2号755頁,判タ1344号70頁)により憲法の投票価値の平等の要求に反する状態(いわゆる違憲状態...
商品の名称や構成,販売時の広告態様,当該商 品及びこれと同種の商品についての使用状況や これから推認される取引者及び需要者の認識等 に照らし,装飾品の鎖部分などに付ける飾り「ロゴチャーム」について,おしゃれを目的と して使用される装飾品である「身飾品」にも該 当するとされた事例
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Xが,発明の名称を「結晶性の〔R─(R*,R*)〕─2─(4─フルオロフェニル)─β,δ─ジヒドロキシ─5─(1─メチルエチル)─3─フェニル─4─〔(フェニルアミノ)カルボニル〕─1H─ピロール─1─ヘプタン酸ヘミカルシウム塩(アトルバスタチン)」と...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,原告が,発明の名称を「省エネ行動シート」とする特許出願に対する拒絶査定不服審判の請求について,特許庁が,同請求は成り立たないとした審決の取消しを求める事案である。
本件審決の理由は,本願発明は,①産業上利用することができる発明であるとは認められないから...
〔解 説〕
1 事案の概要及び争点
本件は,原告(建築設計事務所)が,被告(施主)から被告宅新築工事の設計監理業務を委託されて設計(基本設計・実施設計)業務を行ったが,設計段階で中途解約されたため,解約時までの設計業務に対する報酬の支払を求めた事案である。
建築工事において建築主が建築士...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件事案の概要は次のとおりである。
X社は各種半導体製造装置の販売等を目的とする日本法人,Y1社は資本財設備の輸出入業等を目的とする韓国法人,Y2はY1社の代表者で,韓国に住所を有する外国人である。
X社は,転売を目的として,Y1社との間で,Y1社が所有する...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,平成21年8月に兵庫県佐用郡佐用町付近で起きた集中豪雨のため,Aが運転し,妻B,長男C及び二男Dが同乗する自動車が,冠水していた道路に進入し,走行不能になったため,A,B,C,Dが車両から降車したが,避難する際,A,B,Cが濁流に流されて死亡した(Dは奇...
〔解 説〕
1 事案の概要
原告は,高校教師であったが,平成21年12月4日,①前任校において女子生徒のすぐ横に座り,時にはカーテンを閉めて補習をしたこと,②免職処分当時の在任校において女子生徒(生徒A)に好意を持ち,複数回にわたり同生徒を夜間から明け方にかけて自宅に滞在させるなどしたこと...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Xが,平成19年4月1日から平成20年3月31日までの事業年度(以下「本件事業年度」という。)終了時に保有する米ドル建社債(以下「本件米ドル建社債」という。)について,本件事業年度終了時の外国為替の売買相場により円換算した金額とその時の帳簿価額との差額(...
〔解 説〕
1 ①事件は,社会保険事務所に年金審査官として勤務していた厚生労働事務官である被告人が,衆議院選挙に際し,日本共産党を支持する目的で,同党の機関紙及び政治的目的を有する文書を住居や事務所に配布したという事案,②事件は,厚生労働省本省の総括課長補佐として勤務していた厚生労働事務官で...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,覚せい剤取締法違反(自己使用)の事案であり,主として強制採尿手続の適法性が争われた。本件の強制採尿に至る経緯は概ね次のとおりである。警察官らは,平成24年3月2日午後1時51分頃から,被告人に対する別件覚せい剤取締法違反被疑事件で被告人使用の居室等の捜索...
〔解 説〕
1 本件は,国際航空運送を行う運送人である被告の航空機(以下「本件航空機」という。)に搭乗していた原告が,機長の過失による事故(以下「本件事故」という。)で後遺障害等を負ったとして,被告に対し,民法715条に基づき,損害の賠償を求めたのに対し,被告は,国際航空運送についてのある規...
〔解 説〕
1 事案の概要
鉄道・ホテル経営をメインとする大企業Sグループは,一連の組織再編を実施した。Sグループ創業者である亡Aの法定相続人であるXは,Sグループの事実上の持株会社であった株式会社Bの株式の大半はその株主名簿記載の株主ではなく,Aの未分割遺産としてXを含むAの相続人及びそ...
1 第三者に無断譲渡する意図を秘して自己名 義で携帯電話機の購入等を申し込む行為と詐欺 罪にいう欺罔行為の成否
2 第三者に無断譲渡する意図を秘して自己名 義で携帯電話機の購入等を申し込んだ被告人両 名の行為は,販売店の店長が被告人両名に携帯 電話機を販売交付したのは錯誤によるものであ ると認めるには合理的疑いが残るとしても,詐 欺未遂罪を構成するとされた事例