〔解 説〕
1 事案の概要
Xは,羽田空港(東京国際空港〔羽田〕)の国内線旅客ターミナルビルを管理している株式会社であり,Yは,羽田空港を含む国内空港間を結ぶ国内線を運行している株式会社である。
Xは,国内線旅客ターミナルビルにおける施設の使用料金等に関する供用規程を定め,旅客サービス施...
〔解 説〕
1 事案の概要等
A(男性,75歳)は,平成22年2月26日13時25分ころ,被告が営業を受託するプールの初級コースで水泳中,溺れて沈んでいたところを発見されて,引き上げられたが心肺停止の状態であり,救急搬送されたが,溺水による心肺停止蘇生後脳症と診断されて入院し,意識を回復し...
〔解 説〕
1 事案の概要と争点
本件は,原動機付自転車を運転して右折のため停止していたTが,運転免許取消処分のため無免許でかつ酒気を帯びていたMが運転する普通乗用自動車に追突されて死亡した交通事故(以下「本件事故」という。)につき,Tの父母であるX1及びX2が,Tとの間で自動車総合保険契...
人工歯意匠事件 人工歯に係る意匠につき,相違点の看過及び意 匠の類否判断に誤りがあるとして,公知意匠に 類似することを理由に拒絶査定不服審判請求を 不成立とした審決を取り消した事例
〔解 説〕
1 本判決の意義
本判決は,弁護士会照会に対する報告義務の確認請求を認容した最初の裁判例であり,しかも照会をした弁護士会でなく,照会申出をした弁護士の依頼者が,報告義務の確認請求の原告適格を有するとした事例として意義がある。
原告は,本件各照会に先立ち,A社(株式会社)に対し...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1)本件は,元依頼者が,弁護士に対し,債務整理等の処理に関して,委任契約上の善管注意義務違反に基づく損害賠償を求める弁護過誤訴訟である。
(2) 本件の事案の概要は次のとおりである。
Xは,弁護士であるYに対し,Xの実弟・亡Z(平成19年7月頃に死亡。Zは妻と...
〔解 説〕
1 本件は,いずれも地域金融機関のXら及びYが,石油製品の卸売等を目的とするAに対し,合計9億円をシンジケートローンとして融資したところ(以下,この融資を「本件シ・ローン」という。),その約1か月後にAのメインバンクが期限の利益喪失通知を行うなどしたことによりAが経営破綻に至り,...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,大型ショッピングモールを運営する原告が,ショッピングモール建物内の来客用駐車場に放置されている自動車(本件車両)について,本件車両の購入代金を立替払いし,購入者との間の立替払契約において購入者に対する立替金債権(本件立替金債権)の担保のために本件車両の...
〔解 説〕
本件は,破産法(平成16年法75号。以下「現行破産法」という。)による廃止前の破産法(以下「旧破産法」という。)が適用される事件であり(附則3条1項),破産財団に対し破産債権の残額相当額の債務を負担することの合意をしたX(申立人)が,本件破産事件の利害関係人に該当すると主張して,...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件事案の概要は,次のとおりである。Y社は,株式数3000株を発行している株式会社である。3000株のうち1000株はAが所有し,残り2000株は,XとBの2名による持分2分の1ずつの準共有状態にある(以下,上記2000株を「本件準共有株式」という。)。本件準共...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,借家契約において,Yほか(賃貸人ら)から賃料の増額請求を受けたA(賃借人)や,その包括承継人Xが,従来どおりの賃料に加えて,請求された増額分の一部を支払っていたところ,後日の確定裁判においてその増額の一部のみが正当とされ,これに照らすとAないしXの支払額...
発明の名称を「レーザーによつて材料を加工す る装置」とする特許権に基づく製造販売禁止等 請求控訴事件について,構成要件該当性が肯定 され,かつ,特許法 104 条の 3 の抗弁について, 訂正による対抗主張が認められるとして,構成 要件該当性を否定した原判決が変更された事例
〔解 説〕
1 事案の概要
本件事案の概要は次のとおりである。AはYに対し金銭債権を有しており,これについて公正証書を作成し,執行力を有する債務名義を有していた。Aは破産し,Xが破産管財人に選任された。Xは,YがBに対し債権を有しているとの情報を掴み,上記執行力を有する債務名義に基づき,Y...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xは,弁護士であり,亡Aの相続人(非嫡出子)であるYから他の相続人(養子)であるBに対する遺留分減殺請求訴訟の提起等の法律事務を受任し,Yを代理して,Bを債務者とする仮処分の申立て,Bを被告とする遺留分減殺請求訴訟の提起,Bとの間の和解交渉等の手続を行い,上記遺...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,結着肉を使用した「サイコロステーキ」と称する商品をレストランで提供してきた会社が,O157が混入したサイコロステーキを顧客に提供して食中毒事件が発生したことに関し,サイコロステーキを製造した者等に対し,約12億円の損害賠償を求めた事案である。
Xは,フ...
〔解 説〕
1 本件は,平成24年12月4日に公示され,同月16日に施行された衆議院議員選挙(以下「本件選挙」という。)の選挙人である原告らが,最高裁大法廷判決(最大判平23.3.23民集65巻2号755頁,判タ1344号70頁)により憲法の投票価値の平等の要求に反する状態(いわゆる違憲状態...
商品の名称や構成,販売時の広告態様,当該商 品及びこれと同種の商品についての使用状況や これから推認される取引者及び需要者の認識等 に照らし,装飾品の鎖部分などに付ける飾り「ロゴチャーム」について,おしゃれを目的と して使用される装飾品である「身飾品」にも該 当するとされた事例
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Xが,発明の名称を「結晶性の〔R─(R*,R*)〕─2─(4─フルオロフェニル)─β,δ─ジヒドロキシ─5─(1─メチルエチル)─3─フェニル─4─〔(フェニルアミノ)カルボニル〕─1H─ピロール─1─ヘプタン酸ヘミカルシウム塩(アトルバスタチン)」と...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,原告が,発明の名称を「省エネ行動シート」とする特許出願に対する拒絶査定不服審判の請求について,特許庁が,同請求は成り立たないとした審決の取消しを求める事案である。
本件審決の理由は,本願発明は,①産業上利用することができる発明であるとは認められないから...
〔解 説〕
1 事案の概要及び争点
本件は,原告(建築設計事務所)が,被告(施主)から被告宅新築工事の設計監理業務を委託されて設計(基本設計・実施設計)業務を行ったが,設計段階で中途解約されたため,解約時までの設計業務に対する報酬の支払を求めた事案である。
建築工事において建築主が建築士...