〔解 説〕
1 本件は,当時福島県知事であった被告人Aとその実弟である被告人Bが,共謀の上,同県発注に係るダム工事を建設会社が受注できたことの謝礼の趣旨で,同社の下請会社に,被告人B経営の会社所有の土地を買い取ってもらい,土地売却による換金の利益の供与を受けたという収賄,及び被告人Bと他の共...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Y社が経営するホテルでフロント業務を担当していたXがYに対し時間外手当等の支払請求をした事案である。
XはYとの間で,月額基本給14万円,成果給13万円の合計27万円とする労働契約を締結した。Yの就業規則及び賃金規程によると,成果給は前年度の成果に応...
拒絶査定と異なる主引用例を引用して判断しよ うとするときは,主引用例を変更したとしても 出願人の防御権を奪うものとはいえない特段の 事情がない限り,原則として,法 159 条 2 項に いう「査定の理由と異なる拒絶の理由を発見し た場合」に当たるものとして法 50 条が準用さ れる
移動体操作傾向解析方法第 2 事件 名称を「移動体の操作傾向解析方法,運行管理 システム及びその構成装置,記録媒体」とする 発明につき,進歩性が欠如するとして,特許無 効審判請求不成立審決を取り消した事例
〔解 説〕
1 本件は,平成22年7月11日施行の参議院議員通常選挙(以下「本件選挙」という。)について,東京都選挙区の選挙人であるX(原告,上告人)らが,公職選挙法14条,別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定(以下,数次の改正の前後を通じ,平成6年法律第2号による改正前の別...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,コンビニエンスストアのフランチャイジーであるXらが,フランチャイザー(本部)のY会社に対して,加盟店が顧客に対して販売することが可能な期限として設定した販売期限が迫ったデイリー商品(弁当,おにぎり等の年間を通じて毎日店舗に納品される商品)を値引きして販売...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,5階建てビルの4階,5階部分の建物(本件建物)の賃貸人である被控訴人(原告)Xが,賃借人である控訴人(被告)Yに対し,選択的に,①特約で定められた期日の経過により終了した,②訴状送達日に信頼関係破壊を原因とする解除により終了した,③民事再生手続開始の申立...
〔解 説〕
1 本件は,破産者Aの代理人である弁護士がYを含む債権者一般に対して債務整理開始通知(受任通知。本件通知)を送付した行為が,破産法162条1項1号イ及び3項にいう「支払の停止」に当たるか否かが問題となった事案である。
本件の原判決(D1-Law.com)は,支払の停止に当たらな...
〔解 説〕
1 事案の概要
中小企業等協同組合法に基づく事業協同組合である申立人は,と畜場法4条1項に基づくと畜場設置許可を受け,相手方から借り受けた建物(以下「本件建物」という。)において,と畜場(八王子食肉処理場)を運営していたが,本件建物の貸付契約が平成24年3月31日をもって終了し...
〔解 説〕
1 事案の概要
控訴人は,A外9名を被告として提起した別件訴訟において,別件訴訟係属裁判所に対し,調査嘱託の目的をAに対して訴状副本及び期日の呼出状等を送達するため等と調査嘱託を必要とする経緯を記載して,被控訴人を嘱託先として,Aが使用していた携帯電話番号について,契約締結時か...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1) 抗告人(債権者)は,相手方(債務者)に対する執行力ある判決正本に基づき,大規模な金融機関である第三債務者に対して相手方が有する預金債権につき債権差押命令及び転付命令を申し立てた。同申立ては,差し押さえるべき債権の表示について,第三債務者の店舗を支店名で特定...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,被告会社における痩身薬の企画製造等に従事していた被告人が,業として,医薬品製造業等の許可なく,ダイエット目的の箱入りカプセル剤であるセルナーゼを製造したとして,被告会社及び被告人個人が,薬事法13条1項違反の罪(無許可製造)に問われた事案である。本件の主...
〔解 説〕
1 本件事案の概要
(1) Xは,平成16年8月から平成17年3月にかけて,Y会社との間で,医療保険,生命保険の各契約(本件各保険契約)を締結した。本件各保険契約の約款(本件約款)では「契約者が保険料を払込期月(月単位の契約応当日の属する月の初日から末日まで)の翌月末日までに支払...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,原告らにおいて,被告が経営する産科診療所の分娩介助により長女を出産したが,長女は,その後の診療上の過誤により大動脈弁狭窄症を見落とされ,その結果,出生後1か月余りで死亡したと主張し,被告に対して債務不履行ないし不法行為による損害賠償を請求した事案である。...
〔解 説〕
1 本件は,弁護人が恐喝被告事件で上告中の被告人の身柄を他の刑事施設に移送する旨の職権発動を促す申立てをした事案であり,職権発動をする場合の判断主体が問題となった。
弁護人の申立ての理由は,概要,次のとおりである。
被告人は,前刑で本件当時の勾留場所でもある宮崎刑務所服役中,...
1 商標法4条1項6号の適用を受ける標章は「著名なもの」に限られると解すべきであり,告示されたことのみを理由として「著名なもの」とすることはできない 2 商標法4条1項6号の「著名」とは,指定商品・役務に係る一商圏以上の範囲の取引者,需要者に広く認識されていることを要する 3 本願商標と日南市章を全体として対比すると,本願商標の図形部分と日南市章は外観において類似するものの,当該図形部分は「日」という漢字の古代書体に由来するありふれた図形であって出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとは認められず,本願商標が「ダイワ」の称呼を生じ,「ダイワ」ないし「大和」の企業名としての観念を生じるから,全体として類似するとはいえないとした事例
〔解 説〕
1 事案の概要
Xは,Y1に対し,受託保証による事前求償権に基づき,1億1206万9760円のうち2000万円の支払を求めるとともに,Y1及びY2に対し,受託保証による事前求償権に基づき,1950万5123円のうち1950万円の支払を求めた。Yらは,民法461条1項の規定に基づ...
〔解 説〕
1 Aは,Y独立行政法人B(以下「Y1」という。)の開設する医療機関であるBに入院及び通院して治療を受けていた。Y1は,平成18年6月16日,児童相談所に対し,原告らがAに適切な栄養を与えておらず,また,必要な治療等を受けさせていないとして,児童福祉法25条に基づく通告(以下「本...
ホテル事業用建物の賃貸借契約につき,通常損 耗の範囲に含まれるか否かにかかわらず,賃借 人は同建物の損傷箇所の原状回復として更新又 は交換する義務を負う旨の特約が明確に合意さ れたとはいえないとされた事例
1 FX 取扱業者である被告がインターネット 上のFX取引画面上にレートを表示する行為は, 各顧客の申込みに対する個別の承諾の意思表示 ではなく,交叉申し込みの意思表示であり,各 顧客と被告の各申込みの意思表示が合致する限 度で,決済取引が成立する
2 被告が市場レートからかけ離れた誤レート を FX取引画面上に表示して各顧客に提示した 場合には意思表示について錯誤無効が認められ るところ,当該誤レートの提示につき,被告に おいて通常期待される注意を著しく欠いている 状態にあったと認められない場合には,被告に 重過失は認められず,当該決済取引は無効となる