〔解 説〕
1 事案の概要
ジャスダック市場に株式を上場しているYは,普通株式750万株を発行価額1株100円で発行することにより第三者割当増資を行うことにした(それまでの発行済株式数は555万1000株,発行に係る取締役会決議当日の株式の終値は560円)。Yは,平成21年9月18日付けの...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1) 本件は,被告人らが東京都内から栃木県内までを往復するに際し,区間の連続しない乗車券等を用いて大部分の運賃の支払を免れた,との事案である。被告人らは,東京都内の鶯谷駅等において,130円区間有効の乗車券(本件乗車券)を購入し,これを自動改札機に投入して入場し...
〔解 説〕
1 本件の争点等
(1) 高知県内に居住するX(本件の相手方,基本事件の原告)は,故Aの死後,内妻として社会保険庁長官に対し遺族厚生年金の裁定を請求したが,同庁は平成21年12月31日に廃止され,その後,関係法令に基づき,厚生労働大臣がXに対し遺族厚生年金不支給決定処分(本件処...
〔解 説〕
1 本件は,Xが,Aから川崎市内の土地(本件土地)の所有権を取得したB(Aの兄)から本件土地を購入したところ,別件訴訟においてAB間の売買契約等がAの意思無能力により無効とされXが本件土地の所有権を失ったことから,XがAB間の売買契約等に基づく登記手続を代理した司法書士らであるY...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1) 本件は,商標登録無効審判請求を不成立とした審決の取消訴訟である。争点は,本件商標について,公序良俗を害するおそれの有無(商標法4条1項7号),である。
(2) 本件商標(登録第5338568号)は,「ターザン」の片仮名を標準文字で表してなり,指定商品を第7...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,不法薬物の使用が疑われる状態にあったXが,A病院において,採尿のためにカテーテルを挿入された行為,B病院において身体を拘束された行為などが,①各病院が捜査機関に協力する目的で行った行為,又は②医療行為として不適切な行為であるとして,各病院の開設者及び診療...
〔解 説〕
1 本件は,弁護士である申立人が,民事訴訟等の準備を目的として,既に確定している刑事被告事件の第1審判決書について,「プライバシー部分を除く」とした上で刑事確定訴訟記録法(記録法)に基づき閲覧請求をしたところ,保管検察官が閲覧を全部不許可とし,準抗告も棄却されたことから,特別抗告...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,いわゆる一部上場企業である原告が,重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券届出書(以下「本件有価証券届出書」という。)に基づく募集により新株予約権証券を取得させたとして,金融庁長官から,納付すべき課徴金の額を8億3913万円(うち本件有価証券届出書の虚偽...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xは,A大学大学院において,「商標法1」の授業を履修してその単位を取得し,同大学院を修了したものであるが,弁理士試験を行う工業所有権審議会(以下「審議会」という。)に対し,弁理士法11条4号に基づき,短答式試験の一部科目の免除を認めるよう申請したが,審議会から,...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,吉本興業株式会社(平成22年6月1日合併により解散。以下「旧吉本」という。)の株式の公開買付が行われた後,同社の株主総会において,普通株式を全部取得条項付株式へと変更し,これらを同社が取得するなどの決議がされたことにつき,①同社の株主が,同社の株式を保有...
〔解 説〕
1 本件は,大手消費者金融会社であるYにおいて,国内の消費者金融子会社を再編する手続の一環として,完全子会社である貸金業者のAが顧客であるXに対して有する約定利率に基づく残債権の譲渡を受けた事案について,Xが,Aとの取引は引直し計算をすると過払いになっており,この過払金等返還債務...
側部観察窓付き容器に係る意匠について,容器 本体の周面に内容物の観察のための垂直に細長 い観察窓を設けた構成は,ありふれた態様であることなどから,当業者が,引用意匠及び周知 意匠に基づいて,容易に創作し得るものとされ た事例
特許法 153 条 2 項にいう「当事者の申し立て ない理由」とは,新たな無効理由の根拠法条の 追加や主要事実又は引用例の追加等,不利な結 論を受ける当事者にとって不意打ちとなりあら かじめ通知を受けて意見を述べる機会を与えな ければ著しく不公平となるような重大な理由を いうものであって,特定の引用例に基づいて当 該発明が容易に想到できるか否かの判断の過程 における一致点や相違点の認定は,上記「当事 者の申し立てない理由」には当たらない
〔解 説〕
1 事案の概要
Yの代表取締役であったXは,Yに対し,①Yのホームページ上に公表されたXの代表取締役の解任等を通知する「代表取締役の異動に関するお知らせ」と題する文書(以下「本件通知」という。)によって名誉が毀損されたと主張して,民法709条に基づく損害賠償及び民法723条に基...
〔解 説〕
1 事案の概要
不動産賃貸業等を営む事業者である被告は,不特定かつ多数の消費者との間で建物賃貸借契約を締結又は更新する際に使用している契約書において,契約が2年間更新されるに際して,更新後の契約における賃料,共益費及び附帯施設管理費(以下「賃料等」という。)1か月分相当額の更新...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xら及びYは,いずれも,リゾート地として有名な軽井沢町の旧軽井沢市街のほぼ中心部に所在する土地を所有する者である。Xらは,一連の4筆の土地からなるY所有地のいずれかの部分に接道する各土地を所有しているが,Y所有地の元所有者とXらとの間で,Xらがそれぞれ所有する土...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,交通事故で死亡した被害者の相続人らの代理人である弁護士が,医療過誤に基づく解決金6600万円を病院から受領したことを秘したまま加害者に対し損害賠償請求訴訟を提起し,訴訟上の和解に基づき損害賠償金9000万円の支払を受けたことが,損害の二重請求をした不法行...
〔解 説〕
1 本件は,被告人が,共犯者と共謀の上,第三者が開設したインターネット上の掲示板に記憶,蔵置されていた児童ポルノを,共犯者が管理運営するホームページ上にその識別番号(URL)を明らかにするなどして,不特定多数のインターネット利用者において閲覧可能な状況を設定し,児童ポルノを公然と...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,DVD商品(本件商品)の映像(本件映像)の著作権を有すると主張する原告が,被告に対し,著作権法112条1項に基づき,本件商品の販売,頒布の差止めを求めるとともに,民法709条,著作権法114条2項又は3項に基づき,損害617万5000円及び弁護士費用61...
1 「SAMURAI」と「JAPAN」からなる 3 つ の被告標章について「SAMURAI」の部分の大 きさ等により,要部認定を行った事例
2 インターネット上のウェブサイトにおける被告標章の使用について,商標法 2 条 3 項 8 号 の適用を認めた事例
3 フットサルコート事業者が主催する大会に おいて優勝商品等として格安で販売している商 品について,損害が発生したとは認めがたいと して,商標法 38 条 2 項又は 3 項の適用を否定 した事例