〔解 説〕
1 事案の概要
訴外A(昭和54年生)は,平成14年8月10日,Yの経営するクリニックを受診したところ,心気症,腰痛と診断され,それ以降,同クリニックにおいて通院治療を受けていたが,平成15年6月9日,自室にて首を吊り自殺した。
そこで,Aの母であるXは,(1)重大な副作用の...
〔解 説〕
1 事案の概要
Yは,上段に「ABBEYROAD」の欧文字を,下段に「アビーロード」の片仮名文字を,白抜きの変形文字で横書きした商標(本件登録商標)について,指定商品を第18類「かばん類,袋物」として,昭和57年6月29日に設定登録を受けている商標権者である。Yは,「ABBEY...
〔解 説〕
1 本件は,厚生労働大臣が生活保護法による保護の基準(以下「保護基準」という。)を改定し,原則として70歳以上の者を対象とする生活扶助の加算(以下「老齢加算」という。)を廃止したため,所轄の福祉事務所長からそれぞれ上記変更を反映した保護変更決定を受けた東京都在住のXらが,上記各決...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Xが,発明の名称を「4─アミノジフェニルアミンの製造法」とするYの特許に係る無効審判請求が成り立たないとした審決の取消しを求めた事案である。
審決は,①本件特許に係る特許請求の範囲の請求項1ないし3の記載は,いわゆる明確性の要件(平成6年法律第116号...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xは,有限責任事業組合契約に関する法律に基づいて成立した有限責任事業組合であり,Yらとの間で,いわゆるベンチャーキャピタルを行うことを目的として民法上の組合契約(本件組合契約)を締結した。本件組合契約においては,Yらが出資金の99%,Xが1%を出資する一方,Xが...
〔解 説〕
1 本件は,訴因変更手続の要否が問題となった事案である。訴因は,被告人が,借金苦等からガス自殺をしようと企て,自宅の台所にガスを充満させたが,上記ガスに一酸化炭素が含まれておらず自殺できなかったため,ガスに引火,爆発させて爆死しようと企て,「ガスコンロの点火スイッチを作動させて点...
〔解 説〕
1 本件は,テクモ株式会社ほか1社を株式移転完全子会社とする株式移転に反対したテクモの株主であるXが,テクモに対し,Xの有する株式を公正な価格で買い取るよう請求したものの,その価格の決定につき協議が調わないため,Xが,会社法807条2項に基づき,価格の決定の申立てをした事案であり...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,原告が,原告と破産者との間で締結された業務委託契約が破産法53条1項に規定する双方未履行双務契約に該当し,同契約に基づく業務委託料支払請求権は財団債権になる(破産法148条1項7号)旨主張し,破産者の破産管財人である被告に対し,上記業務委託料の支払等を求...
〔解 説〕
1 本件は,地方公務員共済組合である上告人が,その組合員である被上告人に支給した地方公務員等共済組合法(平成18年法律第83号による改正前のもの。以下「地公共済法」という。)所定の短期給付金(療養費等)等につき,同一の傷病に関し,通勤災害との認定がされて,地方公務員災害補償法所定...
〔解 説〕
1 本件の概要
Xは学校法人Yに昭和54年4月から平成22年3月まで教職員として勤務し,大学院歯学研究科教授,付属病院長などを歴任した者であり,平成17年5月から平成21年6月まで,Yの理事の地位にもあった。
Yは,平成17年9月ころから有価証券投資による資産運用を行ったが多...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Yの従業員であったX1が,長時間の時間外労働に従事したため,脳梗塞等を発症して高次脳機能障害等の後遺障害を負ったとして,労働契約の債務不履行又は不法行為に基づき,Yに対し,損害金2億円余及び遅延損害金の支払を求め,X1の妻であるX2が,不法行為に基づき,...
〔解 説〕 1 本件は,人材派遣等を業とする被上告人に雇用され,派遣労働者として派遣先社内におけるパソコンのトラブルに対応する等の業務を行っていた上告人が,被上告人に対し,時間外労働に対する賃金(以下「時間外手当」という。)及びこれに係る労働基準法(平成20年法律第89号による改正前のもの。以...
〔解 説〕
1 事案の概要
X1(平成3年生)は,平成19年,Yの設置する高校に入学し,同年6月ころから,柔道部の選手として部活動に参加するようになったところ,平成20年8月6日から,帯広の体育館で行われた複数の学校合同の夏期合宿に参加し,同月8日,他校の柔道部員と練習試合を行ったが,その...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件事案の概要は以下のとおりである。被告人と被害者との間でいさかいが生じ,被告人は,被害者と向かい合って立った状態で,被害者に対して直接殴ったり蹴ったりしないように気を付けながら,一定の距離を保ったまま,被害者を威圧するようにして被害者に向かって前進した。被害者...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1) Xの母親であるAは,その所有する土地建物(以下「本件物件」という。)を売却したいと考えていたところ,不動産会社Y1の従業員であるY2がAを訪ね,AY2間で検討した結果,AはY1に対して本件物件を1500万円で売却することとなった。一方,これと並行して,Y2...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Y(株式会社ライブドア。現商号は株式会社LDH)の株式(ライブドア株)を流通市場で取得したXらが,Yの提出した有価証券報告書(本件有価証券報告書)に約3億円の経常赤字を約50億円の経常黒字と偽った虚偽記載(本件虚偽記載)があったことにより損害を被ったと主...
名称を「軸受装置」とする発明について,明細書の発明の詳細な説明に,当業者が発明の技術上の意義を理解するために必要な事項の記載がなく,当業者が,出願時の技術水準に照らして,技術上の意義を有するものとしての発明を実施することができない場合には,その記載は,発明の詳細な説明に基づいて当業者が発明を実施できることを求めるという特許法36条4項の趣旨に適合しない
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,補助参加人の株主である原告が,①補助参加人が平成15年11月に被告Aに対して自己株式を1株1500円で譲渡したこと(本件自己株式処分)及び②補助参加人が平成16年3月に被告ら(1名除く。)を割当先に含む第三者割当の方法により1株1500円の発行価額で新株...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,被告人が,運転中の自動車(以下「被告人車両」という。)に攻撃を加える被害者から離れようと,被告人車両を発進,進行させたことにより,被告人車両のドアノブをつかむなどしながら右側方直近を併走していた被害者を轢過して死亡させたとして,主位的訴因として傷害致死罪...