〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,被告人が,ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)2条1項の「つきまとい等」を反復してストーカー行為を行ったという事案の控訴審判決であって,原判決において「つきまとい等」とされたものは,①平成22年12月から平成23年2月までの間に,3回...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,被告医師による歯科治療を受けていた原告が,被告医師において,原告に不適応なジルコニアブリッジを装着するなどの注意義務違反があったとして,被告医師及び被告医療法人に対し,不法行為及び債務不履行に基づく損害賠償請求をした事案である。
なお,ブリッジとは,歯...
〔解 説〕
1 事案の概要
Aは,平成14年ころ,民事再生手続を申し立て,Aの工場の土地建物等に別除権を有する金融機関B,C及びY3との間で,別除権協定(以下「本件各別除権協定」という。)を締結し,各不動産の受戻価格を定めて,別除権不足額を確定させた(その際に,別除権不足額について登記はな...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,厚生労働省(以下「厚労省」という。)の係長であり,心身障害者団体用の郵便割引に関する公的証明書の起案等の担当者であった被告人が,①公的証明書発行手続を開始した事実もないのに,これがあるかのような内容虚偽の被告人名義の文書を作成するなどした虚偽有印公文書作...
〔解 説〕
1 事案の概要
Aは,昭和58年11月,Y(農業協同組合)との間で,共済者をY,共済契約者・被共済者・死亡共済金受取人をA,死亡共済金額3000万円の約定で養老生命共済契約を締結した(本件共済契約)。Aは,平成21年2月26日,遺言公正証書を作成し,妻を遺言執行者とするとともに...
〔解 説〕
1 事案の概要
X(昭和12年生)は,昭和37年に夫と婚姻し,昭和38年に長男Aをもうけたが,その後,パーキンソン病,認知症を発症し,その症状が悪化したことから,平成23年1月11日ころ特別養護老人ホームに入所し,現在に至っている。
Xは,平成21年1月28日,Aとともに銀行...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,宗教法人であるXが,霊園の墓地等の使用者から永代使用料として収受した金員の全てを法人税及び消費税の課税対象にならないものとして確定申告をしたところ,永代使用料のうちの墓石及びカロートに係る部分は,法人税法上の収益事業による所得に該当し,また,上記墓石及び...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,X(1審原告。控訴人兼被控訴人)において,Y1(1審被告。被控訴人兼控訴人)が使用している「混銑車自動停留ブレーキ及び連結解放装置」(本件装置)に組み込まれた本件プログラムの複製物につき,Xが譲渡などにより本件プログラムの著作権を取得したところ,Y1が本...
〔解 説〕
1 事案の概要
原告らは,いずれも倉庫業者であり,被告の区域内に倉庫を所有し,被告に対して固定資産税及び都市計画税(固定資産税等)を納付してきたが,被告の知事及び税務担当職員が,平成元年度から平成13年度までの各年度における倉庫についての固定資産税等の賦課決定の前提となる価格を...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,X1が,Yが占有するゴルフ場においてプレー中に,コース脇にあるふたのない本件マンホールに転落して傷害を負ったとして,工作物責任もしくは一般不法行為責任に基づく損害賠償として,X1が,治療費,休業損害,慰謝料等の,X1が勤務する医療法人社団であるX2が,代...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1) 原告は,ゴルフ場の敷地等として利用されている不動産(津市市内所在)を所有する清算中の会社であるが,被告の市長(以下「市長」という。)は,平成2年度から平成14年度までの間,ゴルフ場敷地の森林部分とコース部分とを分離評価せずに固定資産税額の算定を行い,原告に...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1) 本件は,X1が,地方公共団体であるYの開設する病院(以下「Y病院」という。)で顔面神経麻痺に対する星状神経節ブロック注射(以下「SGB」という。)を受けた後,遅発性の頸部・縦隔血腫による気道狭窄を生じ,その後低酸素脳症により重篤な後遺障害を負うに至ったこと...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件事案の概要は次のとおりである。
亡Aは,平成19年11月27日14時30分ころ,のどの痛み,頭痛,高熱などの症状があったため,本件病院を受診し,急性扁桃腺炎や急性喉頭膿瘍の疑いがあり,容体急変の可能性もあったため,入院することになった。亡Aは,同日18時1...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,破産会社が破産手続開始前に行った会社分割(新設分割)がいわゆる濫用的会社分割にあたり破産法160条1項の否認の対象になるか,また,当該会社分割を助言,指導した会社に対し支払われた報酬の返還を求めることができるか否かが問題となった事案である。A社は,ベニヤ...
〔解 説〕
1 本件は,被相続人Aの遺産分割事件であり,事案の概要は,次のとおりである。
(1)Aの相続人は,前妻との子であるXら3名,後妻であるY1,AとY1との子であるY2・Y3の6名である。
(2)Aは,生前,Y2に対して,民法903条1項の特別受益に当たる贈与をし(以下「本件贈与」と...
〔解 説〕
第1 事案の概要
1 事案の要旨
本件は,発明の名称を「プラバスタチンラクトン及びエピプラバスタチンを実質的に含まないプラバスタチンナトリウム,並びにそれを含む組成物」とする特許権(本件特許権)を有する控訴人(一審原告)が,「プラバスタチンNa塩錠10mg『KH』」(被告製品)...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Y1から,いわゆるFX取引(外国為替証拠金取引)を自動で実行するプログラムを購入し,これを使用して同取引(以下「本件取引」という。)を行ったXが,①特定商取引に関する法律(平成21年法律第49号による改正前のもの。以下「特商法」という。)9条1項に基づく...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,証券会社Y(第一審被告)に総合取引口座(本件口座)を開設し,本件口座を通じて株式(本件株式)を買い付けたX(第一審原告)が,本件口座やYから送られた郵便物のXの氏に戸籍上の氏と異なる漢字が用いられていたことから,Yに対して本件口座に戸籍上の氏と同じ漢字を...
〔解 説〕
1 事案の概要
X1は,強盗殺人等事件の被告人として起訴され,平成19年4月10日,最高裁で上告を棄却する判決が言い渡され,同年5月9日,死刑判決が確定し,以後,死刑確定者として広島拘置所に拘置されている。
X1の上記刑事事件の弁護人として活動してきた弁護士X2とX3は,平成...
〔解 説〕
1 本件は,税理士であったYとの間で相続税等の申告手続に係る委任契約を締結したX1ないしX4が,Yが行った申告に相続財産の申告漏れ等の不備があったために修正申告及び重加算税等の納付(以下「本件修正申告等」という。)を余儀なくされたと主張して,Yに対し,債務不履行(受任者の善管注意...