〔解 説〕
1 事案の概要
Xの従業員らを構成員とする労働組合は,Xがその組合員甲,乙及び丙(以下「甲ら」という。)の平成17年夏季ないし平成18年冬季の各賞与及び平成19年1月以降の月例賃金を減額したことが労組法7条1号の不当労働行為に当たるとして,労働委員会に対して救済命令を申し立てた...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,殺人罪等の罪で懲役14年の刑を言い渡され,判決確定後に熊本刑務所において服役している被控訴人(1審原告)が,控訴人(1審被告。国)に対し,同刑務所長及び同職員の違法な措置により精神的苦痛を被ったとして,国家賠償法1条1項に基づき慰謝料の支払を請求した事案...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xは,「ダイヤモンドシャイン」という商品名の包丁研ぎ器(X商品)を,中国の工場に委託して製造し,これを輸入して販売している。Yは,「キレール」という商品名の包丁研ぎ器(Y商品)を,中国から輸入して販売している。Xは,Y商品はX商品の形態を模倣した商品であり,Yの...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,未成年者がその後見人(実兄)を含む共同相続人との間で遺産分割協議を行うに当たり,家庭裁判所から未成年者の特別代理人に選任された弁護士が,特別代理人としての善管注意義務に違反し,不当な遺産分割協議を成立させたとして,未成年者であった者が特別代理人であった者...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,発明の名称を「動物用排尿処理材」とする特許(この特許を「本件特許」,特許権を「本件特許権」,訂正後の請求項1に係る発明を「本件発明」という。)の特許権者である原告が,被告の製造,販売する動物用排尿処理材が本件発明の技術的範囲に属し,その製造,販売が本件特...
〔解 説〕
1 事案の概要
X(85歳)は,自宅周辺の路上で佇立していたところ,Y1(14歳・中学2年生)の運転する足踏み式自転車(以下「自転車」という。)と衝突して転倒した(以下「本件事故」という。)。Xは,本件事故による胸椎及び腰椎の圧迫骨折等の傷害により自賠法施行令所定の後遺障害等級...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件事案はY連盟の会長理事選任を巡る紛争である。
Y連盟は,我が国におけるスキー界を統括し,代表する団体として,スキーの普及及び振興を図り,もって国民の心身の健全な発達に寄与することを目的とする財団法人である。Y連盟は,平成22年10月17日,評議員会を開催し...
[解 説]
1 本件は,公判前整理手続における弁護人からの証拠開示命令請求(刑訴法316条の26第1項)を棄却する決定に対する即時抗告提起期間の起算日が争われた事案である。
本件の事実経過は,本決定が判示するとおりであるが,概略は次のとおりである。
暴力行為等処罰に関する法律違反,銃砲刀...
〔解 説〕
1 事案の内容
(1)本件は,放送事業者である原告が,被告が「ジェーネットワークサービス」の名称で運営する,日本国内でテレビ放送された番組を海外居住者向けに有料でインターネット配信するサービス(以下「本件サービス」という。)は,原告の有する著作隣接権(送信可能化権〔平成22年12...
〔解 説〕
1 事案の概要
X(控訴人。第1審原告)は,発明の名称を「餅」とする特許発明(以下「本件発明」という。)に係る特許権(以下「本件特許」又は「本件特許権」という。)を有していた。Xは,Y(被控訴人。第1審被告)の製造,販売及び輸出する被告製品(切餅等)が本件発明の技術的範囲に属す...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1) Xは,日本の株式会社であり,アメリカ合衆国,ジャージー及びケイマン諸島にグループ会社が存在する。
Yは,バミューダ法に基づいて設立された投資信託の管理運営等を目的とする会社である。バミューダは,イギリス領であって,公用語を英語及びポルトガル語とし,イギリ...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xは,平成3年から,Yの事務局員として勤務していたが,平成20年6月16日退職届を提出した。
しかし,Xは,上記退職届は,心裡留保により無効であるなどと主張し,Yに対し,①労働契約上の権利を有する地位にあることの確認と②平成20年6月からの未払給与等の支払を求...
〔解 説〕
1 事案の概要
原告らは,発明の名称を「パンチプレス機における成形金型の制御装置」とする本件特許の共有者である。被告の特許無効審判の請求について,審判請求不成立の第1次審決がされたが,これを取り消す旨の第1次判決が確定し,本件特許を無効とする第2次審決がされた。その取消訴訟係属...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,大型貨物自動車(コンテナセミトレーラを牽引するトラクタ)を運転する被告人が,自車周囲の安全確認を尽くさずに,対面青色信号に従って発進して進行した過失によって,自車右側から自車前方に進行してきた被害者運転の自転車に気付かないまま衝突して,被害者を死亡させた...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,発明の名称を「ペトロラタムを基にした鼻用軟膏」とする特許出願の拒絶査定不服審判請求不成立審決の取消訴訟である。本件審決の理由は,引用例に記載された発明(引用発明)に基づいて容易に想到できるというものであり(特許法29条2項),原告は,本件において,取消事...
〔解 説〕
1 平成14年法律第4号による改正前の地方自治法242条の2第1項4号の規定による住民訴訟(旧4号住民訴訟)において住民が勝訴した場合に弁護士に支払うべき報酬額の範囲内で地方公共団体に請求できる「相当と認められる額」(相当弁護士報酬額)の意義及び算定基準については,最一小判平21...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,リース会社のユーザー及び連帯保証人に対するリース料相当損害金の支払請求事件(甲事件)とユーザー及び連帯保証人のリース会社,サプライヤー及び販売代理店に対する損害賠償請求事件(乙事件)とが併合された事件である。
Aは,Y3(サプライヤー)の販売代理店とし...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xは,貸金業者であるYに対し,XY間の平成6年10月27日から平成15年6月23日までの継続的な金銭消費貸借取引(以下「本件取引」という。)により過払金が生じたと主張して,不当利得返還請求権に基づき,過払金1992万5899円及び利息の支払を求めた。これに対し,...
〔解 説〕
1 事案の概要
Yは,歯科大学等を経営する学校法人である。Xは,昭和54年4月から,Yに雇用され,同歯科大学において,助手として勤務を始め,その後教授に就任した。また,Xは,Yが経営する歯科大学附属病院の院長に就任するなどし,平成17年5月30日から,病院運営にかかわる病院担当...
〔解 説〕
1 本件の概要
本件は,被告人A・Bが共謀の上で,アディダス社及びバーバリー社の商標を模したいわゆる偽ブランド品を,販売譲渡し,あるいは販売譲渡目的で所持して,商標権を侵害するとみなされる行為をしたという商標法違反の事案である。
判文によれば,検察官は,平成23年6月6日付け...