〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,原告が,名称を「2室容器入り経静脈用総合栄養輸液製剤」とする発明に係る被告の特許(請求項の数・1項,本件発明)について,2件の無効審判請求をしたが,特許庁において併合審理の上で請求不成立の審決がされたことから,その取消しを求めた事案である。
本件発明は...
[解 説]
1 事案の概要
(1)原告は,「全国軽自動車運送連合会(全軽連)」の名称で運送事業免許取得代行及び運送事業コンサルティング業を行っている会社である。本件において問題となった原告の業務は,原告があっせんする運送業務に従事することによって得られる利益を収受しうるとして相手方を誘引し...
〔解 説〕
1 事案の概要等
本件は,強盗計画に関与したがこれを通報したX(原告,被控訴人兼附帯控訴人)が,警察により,捜査協力として計画どおり共犯者と合流して被害者宅まで共犯者を連れて行くということをされた上,身柄拘束までされたほか,虚偽の報道発表がされた結果誤った新聞報道がされ,精神的...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,民法に規定する任意組合及び投資事業有限責任組合契約に関する法律に規定する投資事業有限責任組合(以下「任意組合等」という。)に出資する組合員であったXが,平成15年分から平成17年分までの各所得税について,任意組合等から生じた利益又は損失の額を所得税基本通...
[解 説]
1 住民基本台帳ネットワークシステム(以下「住基ネット」という。)は,住民基本台帳に記録された個人情報のうち,氏名,住所など特定の本人確認情報を市町村,都道府県及び国の機関等で共有してその確認ができる仕組みを構築することにより,住民基本台帳のネットワーク化を図り,住民基本台帳に関...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,産業廃棄物処理場(以下「本件処分場」という。)の周辺地域に居住する原告ら13名が,本件処分場においては廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)所定の産業廃棄物処理基準に適合しない産業廃棄物の処分が行われており,その結果,原告らの生...
[解 説]
1 本件は,平成22年1月1日時点において不動産の所有者であり,不動産登記簿上の所有名義人であったXが,同年8月20日に担保不動産競売手続により当該不動産を取得したYに対し,Xが当該不動産に係る平成22年度の固定資産税及び都市計画税(以下「固定資産税等」という。)の全額を納付した...
[解 説]
1 本件は,X株式会社の株式を購入したYが,Xが転換社債型新株予約権付社債(本件CB)の発行に際して関東財務局長あてに提出した臨時報告書及び有価証券報告書に虚偽記載等があったために損害を被ったとして,再生手続開始決定を受けたXの再生手続において,損害賠償債権5617万円を再生債権...
[解 説]
1 本件は,インクジェットプリンタの製造・販売を行う著名なメーカーである原告X社がインクジェットプリンタに用いるインクカートリッジ等に関する発明につき特許登録を受けた特許権(本件特許権)につき,被告Y1社ないしY5社が無効審判請求をしたところ,特許庁が特許を無効とする審決をしたの...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,Yから委託を受けて代理人として委任事務を処理した弁護士であるXが,民事再生手続が開始し,再生計画認可の決定が確定したYに対し,当該委任事務に係る準委任契約に基づく報酬請求権及び委任事務処理費用の償還請求権は,民事再生法119条1号,2号又は49条4項によ...
〔解 説〕
1 はじめに
本件は,在日米軍に雇用されていた原告(X)と,在日米軍に代わって原告との間で労働契約関係にあった被告(Y)との間の地位確認(賃金支払)と不法行為に基づく損害賠償の成否が争われた事案である。
X・Y間の労働契約では,業務外の傷病の場合に,1年6か月の無給休暇の最終...
〔解 説〕
1 事案の概要
学童保育クラブにおいて,被告が製造販売したトイレブース(本件トイレブース)のドア(本件ドア)が開いている時にドア扉の吊り元側に生じる隙間に,小学校2年生の児童(被害児童)が右手親指を入れたところ,別の児童がドアを閉めたために上記隙間がなくなり指が切断されるという...
[解 説]
1 本件は,権利能力のない社団であるYを債務者とする金銭債権を有するXが,第三者であるAを登記名義人とする不動産(本件不動産)は,Yの構成員の総有不動産,すなわち,Yの資産であると主張し,Yを債務者として本件不動産に対する仮差押命令の申立てをした事案である。
本件では,権利能力...
[解 説]
1 本件の事案の概要は次のとおりである。Xは,市街化調整区域内にある牛舎で酪農及び畜産を営む者である。Y1県は,工業用水の給水のため水路橋布設替工事(本件工事)をA会社に対し発注し,Xの牛舎付近で約2年間にわたって本件工事が施工された。この間にXが飼育していた牛のうち89頭が,騒...
[解 説]
1 本件は,Y1の開設する病院(Y病院)に入院していたAに対し,ベナンバックス(一般名ペンタミジン)が平成17年10月29日から3日間連続で,常用量の5倍投与され(本件事故),同年11月10日に,Aが死亡したことについて,Aの相続人であるXらが,投与を指示した担当医(Y2)のほか...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1) 本件は,Yの開設する歯科医院で上顎前歯部の補綴矯正を受けたXが,根尖性歯周炎に罹患したのはYの根管充填治療が医療水準に達していなかったためであるとか,治療開始に際して説明義務違反があったなどと主張して,Yに対し,診療契約の債務不履行(民法415条)又は不法...
[解 説]
1 両事件原告(以下「原告」という)は,米国人であるが長年日本に居住していた。A事件被告は,その親会社であるB事件被告(米国の法人)の日本法人である。
A事件は,原告が,雇用主であるA事件被告による解雇が無効であると主張して,地位確認,賃金請求をした事案であり,B事件は,原告が...
[解 説]
1 本件は,マンションの管理組合(権利能力のない社団)であるXが,本件マンション1階にある専有部分の区分所有者Y1,前区分所有者Y2及び賃借人Y3が規約の定めに反してXの承諾を得ることなく本件マンションの共用部分である1階出入口や壁面の改造工事を行い,また,Y1がXとの間で締結し...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,翌年3月に大学を卒業することを予定して就職活動をし,不動産売買等を業とする株式会社であるYから7月7日ころ内々定(以下「本件内々定」という。)を得ていたXが,採用内定通知書授与の予定日の2日前である9月30日ころにYにより通知された本件内々定の取消しが違...