[解 説]
1 事案の概要
本件は,X(原告・控訴人)が特許料の追納期間の経過後に特許料納付書を提出して特許料及び割増特許料(本件特許料等)の納付手続をしたところ,特許庁長官が同特許料納付書を却下する手続却下の処分(本件却下処分)をしたため,Xが,Y(被告・被控訴人)に対し,追納期間内に特...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,学校法人であるYの開設する病院(Y病院)において,CV(中心静脈)カテーテルの挿入,留置の医療行為を受けた患者Zの相続人であるXが,①CVカテーテルが下大静脈を超えて右心房を通過し,上大静脈にまで達していた,②これによって胸背部痛に苦しむ患者を同病院の医...
[解 説]
1 本件は,いずれも,被告人らが,高速道路通行料金の支払を免れることを企て,①事件では,被告人らが共犯者と共謀の上,又は単独で,②事件では,被告人が単独で,高速道路株式会社(道路整備特別措置法〔以下「特措法」という。〕2条4項にいう「会社」。以下「会社」という。)の定めた通行方法...
[解 説]
1 事案の概要
著名人である亡Aは,Y1経営のコンビニ(本件店舗)を客として訪れたところ,その様子が本件店舗に設置された監視カメラ(本件監視カメラ)により撮影されていた。その後,Y1の代表者は,本件店舗の店員から商品の一部が不足しているとの報告を受けたことから,本件監視カメラの...
[解 説]
1 事案の概要
Xは,証券会社であるY社で株式の信用取引をしていたが,いわゆるライブドア不祥事を機に株価が急激な低下をした際に,Y社は,信用取引契約に基づいてXの買い建玉をXの了承を得ずに全部売却してしまった(本件強制売却)。本件の第1事件は,Xが,本件強制売却を可能にする信用...
[解 説]
本件は,被告人が,自動車を運転して中央が隆起した橋を走行していたところ,自動車が,空中に跳ね上がり,続いて着地してから運転制御を失って暴走し,ガードレール及び電柱に衝突するなどして,同乗者の1名を死亡させ,2名に軽傷を負わせたという事案である。
検察官は,被告人が自動車の走行を...
[解 説]
1 事実関係
高知県のM漁協は,平成5年,農林漁業金融公庫(公庫)から4億3500万円を借り入れた。その際,公庫の代理人兼受託金融機関である農林中央金庫(金庫)は,M漁協の保証委託を受けて,M漁協の公庫に対する債務を連帯保証した。当時,M漁協の代表理事であるXと専務理事であるY...
[解 説]
1 本件は,原告が,特許庁に対し,発明の名称を「医療用器具」とする発明についての特許権者である被告を被請求人として,無効審判請求をしたが,無効不成立の審決を受けたことから,知的財産高等裁判所に対し,その審決の取消訴訟を提起した事案である。
本判決は,取消事由4(相違点に係る容易...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xらは,いずれも海上運送事業ないし港湾運送事業等を営む株式会社であり,Yの管理する本件港湾施設を営業のために利用する者であるが,平成21年1月,Yから本件港湾施設の使用料の賦課処分(以下「本件処分」という。)を受けた。
そこで,Xらは,Yから本件港湾施設使用の...
[解 説]
1 事案の概要
夫の暴力から逃れるため,小学生の子どもを連れて,Y市内にある自宅から出たXは,A市婦人相談所での一時保護を経て,平成18年9月,Y市内にある賃貸アパートに入居し,同年10月,Y市福祉事務所長から,生活保護を開始するとの処分(本件保護処分)を受けるとともに,そのこ...
[解 説]
1 本件の概要
甲弁護士は,Xの訴訟代理人として,Aらを被告とする別件訴訟に勝訴したが,Aは転居し,転居先不明の状態になった。そこで,甲弁護士は,弁護士法23条の2第1項に基づいて,東京弁護士会に対し,Yに照会して①A宛ての郵便物につき転居届が出ているか否か,②出ている場合は転...
[解 説]
1 Xは,本件家屋(鉄骨造陸屋根地下1階付10階建の店舗用賃貸ビル)を所有しており,本件家屋に設置された昇降機設備につき,平成19年5月18日の売買によりXから第三者に譲渡された旨の動産譲渡登記が経由されている。他方,平成20年度固定資産課税台帳には,本件家屋につき,当該設備を含...
[解 説]
1 本件事案の概要は次のとおりである。(なお,略称は,本判決の例による。)
控訴人は,貸金業者であったA及びAから債権譲渡を受けた被控訴人から継続的に金銭の借入れ及び返済(本件取引)を繰り返してきたが,本件取引を利息制限法所定の制限利率に引き直し計算をすると過払になっているとし...
[解 説]
1 事案の概要
原告は,指定商品を被服等(第25類)とする図形からなる登録商標(本件登録商標)を有している。原告は,被告が本件登録商標に類似する標章(被告各標章)を付したTシャツ等(被告各商品)を販売し,原告の商標権を侵害した旨主張して,被告に対し,被告各標章を付したTシャツ等...
[解 説]
1 本件は,公害健康被害の補償等に関する法律に基づき都道府県知事により水俣病の認定を受けた患者である原告が,水俣病を発生させた原因企業である被告と水俣病患者団体との間で昭和48年7月9日に結ばれた水俣病補償協定(以下「本件協定」という。)に基づき,協定に基づく補償給付を受ける権利...
[解 説]
1 Xの夫Aは,Yとの間で認知症対応型共同生活介護利用契約を締結して,Yが運営するグループホームに入所していたところ,昼間Aはホーム内の台所付近で三角コーナーを触ろうとしているところを目撃され,その日の深夜夕食を嘔吐し,発熱や下痢の症状がみられた。グループホームの施設長Bは,看護...
[解 説]
1 事案の概要
(1)事実経過(本件の事実関係は複雑であるので,詳細は判決文を参照されたい。)
ア Xは,平成8年1月9日,A社及びA社のグループ企業が出資して設立された株式会社であり,福岡市中心部に位置する大規模複合商業施設である「キャナルシティ博多」の全体専有延べ床面積の...
[解 説]
1 本件の事案の概要は,以下のとおりである。
(1)債務超過状態にあったA社は,新設分割により被告を設立し,その資産及び負債を承継させるとともに,承継させた負債について重畳的債務引受をしたところ,新設分割の6日後に手形の不渡りを出し,その後,債権者の申立てにより同社について破産...
〔解 説〕
1 事案の概要
1981年(昭和56年)生まれのエチオピア人の女性であるXは,平成19年7月5日,成田国際空港に到着し,渡航目的を「親族訪問」として上陸の申請をしたところ,上陸のための条件に適合しない旨の認定を受け,本邦からの退去を命じられたが,これに従わず,出入国管理及び難民...
[解 説]
1 本件は,従業員Xが,勤務先(会社)の従業員会主催のバドミントン大会(以下「本件大会」という。)に参加し,その帰宅途中に交通事故に遭って重傷を負った災害(以下「本件災害」という。)について,労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)7条1項2号の通勤災害に該当するとして...