〔解 説〕
本件は,被告人が,住み込み左官職人として居住していた従業員寮内で管理人的存在であった知人を包丁で刺殺したという殺人の事案において,被告人に心神耗弱とともに誤想過剰防衛が成立するとした原判決には,被告人が誤想したとする具体的な急迫不正の侵害についての事実の認定判示を欠いた理由不備の...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,愛知県の住民である原告らが,愛知県知事に対して,愛知県の行政委員会(教育委員会,公安委員会,選挙管理委員会,人事委員会及び労働委員会については,愛知県知事に被告適格がないとして却下。収用委員会,海区漁業調整委員会及び内水面漁場管理委員会について本案判決を...
[解 説]
1 本件は,本件建物の共有者であるXが,本件建物のうちX居住部分を取り壊したうえで,その敷地に当たる本件土地を第三者に譲渡したことに対する課税処分について,当該譲渡は居住用財産の譲渡所得の特別控除の要件を満たすとして更正請求をしたところ,Y税務署が更正をすべき理由がないとして通知...
[解 説]
1 Xは,貸金業者であるAとの間で継続した金銭消費貸借取引を行っていたが,Yから勧誘を受け,Yから,Aとの間で生じた借入元利金相当額を借り入れてAに対する債務を完済し,以後はYとの間で継続した金銭消費貸借取引を行った。Xは,Yに対し,Aとの間でされた取引を通算の上,XがYとの間で...
[解 説]
1 本件は,発明の名称を「日焼け止め剤組成物」とする発明について特許出願をした原告が,特許庁の審査官から,拒絶査定を受け,これを不服とする審判請求についても,特許庁の審判官から,不服審判請求は成立しないとの審決を受けたことから,知的財産高等裁判所に対し,その審決の取消訴訟を提起し...
[解 説]
1 本件は,87歳であった亡Aの全財産を妹Yに遺贈する旨の公正証書による遺言につき,Aの養子X1X2が,本件公正証書はAの意思によらずに作成され,Aは作成当時認知症が進行し遺言能力を欠き,本件遺言は無効であると主張して,遺言無効確認及びYが本件遺言に基づいてした所有権移転登記の抹...
[解 説]
1 本件は,発明の名称を「モールドモータ」とする発明の特許権者である原告が,特許庁に対し,特許の請求の範囲の減縮等を目的とする訂正審判請求をしたところ,特許庁からその訂正を認めない旨の審決を受けたことから,知財高裁に対し,その審決の取消訴訟を提起した事案である。
2 審決は,「...
[解 説]
1 本件は,上告補助参加人であるA社が,その子会社であるB社の株主らから同社株式を買い取ったことに関し,A社の株主であるXが,A社の取締役であるYらに対し,Yらが,B社の株式を1株当たり5万円の価格でA社が買い取る旨の決定をしたことについて,取締役としての善管注意義務違反があり,...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,登録商標を「シルバーヴィラ」とする商標権を有し,かつ,「シルバーヴィラ向山」との名称の有料老人ホームを運営する原告が,「シルバーヴィラ揖保川」等の名称(以下「被告各標章」という。)で介護保険に係る施設を開設・運営する被告に対し,①商標権侵害に基づく「シル...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,原告が特許協力条約に基づいて行った外国語特許出願について,日本国特許庁長官に対し,国内書面提出期間経過後に国内書面及び明細書等の翻訳文を提出したところ,特許庁長官から,特許法184条の4第1項の国内書面提出期間経過後の提出であること(国内書面提出期間内に...
[解 説]
1 本件は,大阪市職員を組合員とする四つの互助組合が,平成5年度から平成11年度まで,大阪市から支出を受けた補給金(以下「本件補給金」という。)を組合員のための企業年金保険の保険料に充てたことにつき,大阪市の住民であるAらが,主位的には互助組合による本件補給金の流用が違法であり,...
[解 説]
1 本件は,社団たる医療法人(以下「社団医療法人」という。)であるA会の増資に際しての被上告人Xらの出資引受けが,相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)9条所定のいわゆるみなし贈与に当たるかどうかの前提問題として,上記出資の評価の在り方が主な争点となった事案である。
...
[解 説]
1 本件は,4階建ての建物の1階部分(以下「本件建物部分」という。)の賃貸人Xが,賃借人Yとの間の賃貸借(以下「本件賃貸借」という。)は借地借家法(以下「法」という。)38条所定の定期建物賃貸借であり,期間の満了により終了したなどと主張して,Yに対し,本件建物部分の明渡し等を求め...
[解 説]
1 Xは,その所有のビル1,2階の各一部をY(飲食店)に賃貸しているが,賃料額が不相当になったとして賃料増額の意思表示をした上,増額後の賃料額の確認を求めた(本訴)ところ,Yが賃料減額の意思表示をした上,減額後の賃料額の確認を求めた(反訴)。
この訴訟において,Yは,A不動産鑑...
[解 説]
1 本件は,土地家屋の売買業等を営む被告人A社の代表取締役である被告人Bらが,被告人A社の業務に関し,被告人Bらが弁護士でなく,被告人A社が弁護士法人でもないのに,報酬を得る目的で,業として,C社から委託を受けて,C社の所有する本件ビルの賃借人ら74名と立ち退き交渉を行い,賃貸借...
〔解 説〕
1 事実の概要
Xは,図形部分と「ROKI」を含む欧文字からなる判決文第2,2(1)記載の本願商標について商標登録出願をしたところ,「ROKI」の欧文字をデザイン化した同(2)記載の引用商標1及び「ROKI」の欧文字からなる引用商標2に類似することなどを理由に,拒絶査定を受けた...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,原告が,発明の名称を「展示物支持具」とする特許出願(請求項の数は11)に対する拒絶査定不服審判の請求について,特許庁が同請求は成り立たないとした本件審決の取消しを求める事案である。
本件審決の理由は,要するに,請求項1に係る本願発明は,特許法29条2項...