[解 説]
1 被告に属する東京都教育委員会(都教委)が,被告の教育公務員であった原告(中学校の理科担当教諭)に対して,地方公務員法28条1項に基づく分限免職処分(以下「本件処分」という。)を行った。その理由は,校内に段ボール箱200個程度の大量の私物等を持ち込み校長らの再三の撤去指示に従わ...
[解 説]
1 本件は,自転車,自動二輪車及び軽四輪車により荷物等を配送する運送業務を目的とする株式会社である被告との間で「運送請負契約書」と題する契約書を取り交わしてバイシクルメッセンジャー(以下「メッセンジャー」という。)として自転車を使用して配送業務を行い,また,メッセンジャーの中から...
[解 説]
1 一審で仮執行宣言付きの敗訴判決を受けた申立人(被告)は,控訴を提起したうえで執行停止の申立てをし,1億円の担保を立てて控訴審判決時まで執行を停止する旨の決定を得ていたところ,控訴が棄却された(大阪高判平22.2.18金法1895号99頁)。申立人は,上告提起及び上告受理の申立...
[解 説]
1 本件は,原告が,ほっかほっか亭ブランドの持ち帰り弁当販売事業を展開するフランチャイズシステムのマスターフランチャイザー(総本部)として,被告との間で,被告をエリアフランチャイザー(地域本部及び地区本部)とするフランチャイズ契約(サブフランチャイズ契約)を締結したところ,被告が...
[解 説]
1 本件は,東京都内のマンションの1室に設置されていた強制排気式ガス湯沸器が,不正改造が原因で不完全燃焼を起こし,居住者ほか1名が一酸化炭素中毒により死傷した事故(平成17年11月発生)について,同湯沸器を製造したパロマ工業株式会社(以下「パロマ工業」という。)及びこれを販売した...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Xが,Xの有する「和幸食堂」なる本件商標(指定役務:飲食物の提供)に係る商標登録を無効にすることを求めたYらの無効審判請求について,特許庁が本件商標を無効とした審決の取消しを求めた事案である。
審決は,本件商標の「食堂」の文字部分は,役務の質(店の業態...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,タクシー運転手に対し,「今持ち合わせがないので,着いたら,おじさん,おばさんが払ってくれますから,行ってくれますか。」などと言ってタクシーに乗車した被告人が,タクシー料金の第三者による支払の可能性を偽ったとして詐欺罪に問われた事案である。
原審では,被...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,Xが,Yとの間の取引の基本契約に基づき,Yから発注を受けて,製品を製造してYに販売したなどとして,製品代金の支払等を求める事案である(なお,Xは,民事再生手続の開始決定を受けている。)。
2 主要な争点
(1)下請代金支払遅延等防止法(以下,単に「下請...
[解 説]
1 事案の概要
被告は,発明の名称を「光照射処理装置」とする本件特許の特許権者である。原告は,請求項1に係る本件発明1等に係る特許について,引用発明1及び2並びに周知技術に基づいて容易に想到することができたものであるとして特許無効審判を請求した。原告は,審判段階で,引用発明1に...
[解 説]
1 Yは,「ケフィア倶楽部の」の文字及び「ピュアメープルシロップヌーボー」の片仮名文字を2段に横書きしてなる商標(本件商標)の商標権者である。Yは,平成18年8月,指定商品を第32類「カエデの木から採取した樹液を原料とするシロップ」として登録出願したが,特許庁審査官による拒絶理由...
[解 説]
1 Xは,昭和45年4月に司法修習を終えた後,日弁連の弁護士名簿に登録され,大阪弁護士会に弁護士として入会したが,平成10年12月に自ら行った登録取消請求によって弁護士名簿の登録を取り消され,その後,破産宣告を受けた元弁護士である。
Xは,平成15年12月に破産廃止決定(いわゆ...
[解 説]
1 本件は,保険会社である被告との間で弁護士賠償責任保険契約(以下「本件保険契約」という。)を締結していた弁護士である原告が,覚せい剤取締法違反被告事件の弁護を受任し,依頼者である被告人Aが第一審で懲役1年の実刑判決の言渡を受けて控訴したものの,控訴趣意書の提出期限を誤認し,同期...
[解 説]
1 本件は,Y(フランチャイザー)との間で洗車場に係るフランチャイズ契約を締結し,洗車場を経営していたX(フランチャイジー)が,Yに対し,Yが信義則上の情報提供義務及びフランチャイズ契約上の指導援助義務を怠り,これによりXが損害を被ったとして,債務不履行に基づき,同損害の賠償を求...
[解 説]
1 本件は,基本事件(医療事件)において患者の死因等が争われていたところ,捜査機関の嘱託を受けた医師である鑑定受託者が,その作成した司法解剖の鑑定書の控え及び同解剖に関して作成された書面ないし図面(画像等を含む。)の控え(以下「本件文書」という。)を所持していたため,本件文書につ...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,厚生労働省大臣官房統計情報部社会統計課長補佐として勤務する国家公務員(厚生労働事務官)の被告人が,平成17年9月10日,日本共産党を支持する目的で,東京都世田谷区所在の警視庁職員住宅の集合郵便受け合計32か所に,同党の機関紙である「しんぶん赤旗2005年...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,被告人がタンクローリー車を運転し,交差点を直進するにあたり,いったん対面信号機が青色信号を表示しているのを確認したものの,その後は信号表示に留意しないまま,時速約40キロメートルで進行し,本件交差点の停止線手前約15.6メートルの地点に至って初めて対面信...
[解 説]
1 本件は,農業継承者であり相続人である甲が,遺産分割審判の申立て及び寄与分を定める処分の審判の申立てをした事案において,原審及び抗告審は,甲に対する寄与分は遺産分割の対象となる遺産(1から18の土地建物,1から5の動産類,株式の相続時の価額合計5201万6000円)の4割(相続...
[解 説]
1 本件は,Xが,高血圧症の基礎疾患を有していたところ(当時53歳),警察官(警部補)として警視庁第一自動車警ら隊に所属して勤務中の平成14年2月17日昼食後に(高血圧性)脳内出血(本件疾病)を発症して(左手が動かず,呂律が回らず,椅子から立ち上がれなくなった。),東京警察病院に...
[解 説]
1 Xら夫婦は,平成8年12月から,川崎市宮前区Aに住宅を建築して居住しているが,昭和56年6月に設置された「川崎市Aこども文化センター」(以下「本件センター」という。)を利用する子どもらの発する声や物音が騒音として,Xらに精神的損害を与えているとし,敷地の所有者であるY1市と本...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件のうち,損害賠償請求事件(以下「第1事件」という。)は,名古屋刑務所刑務官らが,受刑者3名(X1,A及びX5)に対する違法な暴行,保護房収容,極度に緊縛しての革手錠施用により,X1に外傷後ストレス障害(PTSD)の後遺障害を生じさせ(以下「X1事件」という。...