《解 説》
1 本件は,貸金業者Yとの間で,基本契約に基づく継続的金銭消費貸借取引をしていた借主Xが,不当利得返還請求権に基づき過払金の返還を請求する事案である。Yは,過払金に係る不当利得返還請求権(以下「過払金返還請求権」という。)は,過払金発生時から消滅時効が進行するから,過払金の発生...
《解 説》
1 本件は,XがAに対する貸付金等について,A死亡によりAを相続したYに対し,その法定相続分に応じた支払を請求したところ,Yが相続放棄をしたと抗弁し,その相続放棄の熟慮期間の起算点が争点の一つとなった事案である。
Aの死亡は,平成15年3月25日であり,相続放棄をするについて3か...
《解 説》
1(1) 本件は,弁護士である原告が被告との間で弁護士賠償責任保険契約を締結していたところ,原告に訴訟代理を委任したAが敗訴した第一審判決(BのAに対する貸金返還請求訴訟に対する判決であり,Aは,①本件貸金の借主は,Aではなく,Aが代表者を務める訴外会社である,②仮に本件貸金の...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,発明の名称を「水系ゲル化剤および水系ゲル」とする特許(以下「本件特許」という。)に係る特許権(以下「本件特許権」という。)の共有持分を有する原告が,被告が製造,販売するゲルタイプ芳香剤(以下「被告製品」という。)が本件特許の請求項2に係る発明(以下「本件...
《解 説》
1 本件は,契約者をXらの経営する法人(本件法人),被保険者をXら又はその親族,死亡保険金の受取人を本件法人,満期保険金の受取人をXら,保険期間を3年又は5年とし,保険料をXらと本件法人が2分の1ずつ負担した養老保険契約(本件養老保険契約)につき,満期保険金(Xら4名で3年間の総額...
《解 説》
1 本件は,三菱自動車が製造し,兵庫ふそうが販売した本件各車両を使用していたXが,同各車両のプロペラシャフト付近,エンジンの固定部品等に欠陥が存したとして,三菱自動車及び兵庫ふそうの地位を承継したYに対し,不法行為責任又は売買契約に付随する安全確保義務若しくは修理契約に基づく適正修...
《解 説》
1 本件は,Aを債権者,Xを債務者とし,Aが,Xによる液晶テレビ及び液晶モニターの輸入,販売等がAの特許権を侵害すると主張して,その差止め等を求める特許権仮処分命令申立事件(以下「本件仮処分事件」という。)において,Xが,同事件におけるAの代理人であるY1ら5名を相手方として,...
《解 説》
1 本件の事案中,判示事項と関連する部分の概要は,次のとおりである。
放送番組等の企画及び製作等を業とする株式会社Xは,家庭用電気機器等の販売等を目的とする株式会社Y1の営業部部長であったAとの間で,XとY1を当事者とする,XがY1の商品を紹介する映像を含むテレビショッピング番組...
《解 説》
1 事案の概要
(1)Xは,もと宗教法人Y1の顧問弁護士を務めていた者であるが,Y1から恐喝罪で告訴され,逮捕され,有罪判決を受けた。Y1は,宗教法人であり,Y2・Y3は,Y1の会長を務めていた者である。Y4~Y6は,亡Tの相続人である。
(2)亡Tは,Y1発行の創価新報にXに...
《解 説》
1 X(被控訴人,一審原告)は,Y1(控訴人,一審被告)との間で,Y1が特許権を有していた発明の名称「石風呂装置」の本件特許について,本件専用実施権設定契約を締結し,同契約に基づいてY1に対し契約金3000万円を支払ったが,その後,本件特許を無効とする審決がされ,同審決は確定した。...
《解 説》
1 X(1審原告,被控訴人,附帯控訴人)は,Y(1審被告,控訴人,附帯被控訴人)に対し,廃材用切断装置であるイ号ないしハ号物件又は同装置用刃であるニ号物件のYによる製造販売等の行為が,Xの有する本件特許権1,2又は本件意匠権を侵害するなどと主張して,それらの製造販売行為等の差止...
《解 説》
1 本件は,回路用接続部材に係る発明(本願補正発明)について,拒絶査定を受けてその不服審判請求をしたXが,不成立審決をしたY(特許庁長官)を被告にして,審決取消訴訟を提起した事案である。
本願補正発明は,「下記(1)~(3)の成分を必須とする接着剤組成物と,含有量が接着剤組成...
《解 説》
1 本件は,①Xらが,武蔵野市内にあるYの所有する2階建て建物(本件建物)の近隣住民であるところ,本件建物の赤白ストライプの外壁部分(本件建物外壁部分)はXらの有する景観利益,平穏生活権を侵害すると主張して,Yに対し,本件建物外壁部分の撤去と損害賠償金の支払,②X1が,本件建物...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,マンションの管理組合法人Xが,バルコニー上に増築部分が設置されている居室の区分所有者Y1~Y3に対し,各増築部分の撤去を求めた事案である。本件マンションは,昭和46年に建築され,Y1及びY2は同年,本件マンションの905号室を,Y3は平成11年,902号...
税理士が,相続税の期限後納付後に依頼を受けた更正の請求を怠り,依頼者に対して還付を受けられなかった税額に相当する額を損害賠償として支払った場合における,税理士職業賠償責任保険の契約約款に規定する免責条項(平成16 年7 月の改訂後のもの)の適用の有無
《解 説》
1 本件は,控訴人との間で税理士職業賠償責任保険契約(以下「本件保険契約」という。)を締結していた税理士である被控訴人が,依頼者であるAからその相続税の更正の請求手続を受任していたのに,法定の期限までに更正の請求手続をしなかった(以下「本件保険事故」という。)ため,期限までに同手続...
《解 説》
1 本件で問題となった映画はいずれも一審原告(松竹株式会社,X)が製作し,黒澤明(平成10年9月6日死去)が監督を務めたものであるところ,本件作品1は昭和25年4月26日に公開された劇場用映画である「醜聞(スキャンダル)」(三船敏郎,山口淑子等出演),本件作品2は,昭和26年6月1...
《解 説》
1 本件は,控訴人ら11名が,道路上を自動車で走行した際,被控訴人が全国各地の道路上に設置・管理している自動車ナンバー自動読取システム(Nシステム)の端末又は旅行時間計測提供システム(AVIシステム)の端末によって,車両の運転席及び搭乗者の容ぼうを含む前面を撮影された上,車両の...