《解 説》
1 本件は,Y5県立A高校の生徒であったBが同校の授業として実施されたカヌー実習の最中にカヌーの転覆事故により溺死したところ,Bの相続人(親)であるXらが,Bの死亡は,A高校からカヌー実習での生徒らへの指導を委託されたY1(株式会社)のカヌーインストラクターであるY2(Y1の代...
国有財産特別措置法5 条1 項5 号に基づき,土地の一括譲与を受けた地方公共団体が時効完成後の譲受人として,登記の欠缺を主張することが信義誠実の原則に反するとして制限された事例
《解 説》
1 本件は,自宅敷地の道路に面した幅約2.7メートルの部分(以下「係争部分」という。)が自己の所有地であると主張するXが,これを争う東京都の特別区であるYに対して,Xの所有であることの確認を求めた事案である。Xは,係争部分は,もともとAが国から払い下げを受けた土地(以下「甲土地...
《解 説》
1 Yら(テレビ局)は,硬貨の外観を有する奇術の道具でギミックコインと呼ばれるものの製造をした者が警視庁により貨幣損傷等取締法違反(日本国政府発行の貨幣を奇術用コインに加工して損傷したというもの。)として逮捕された事件を,テレビジョン放送によって報道した。この報道に関し,Xら(...
1 再生債務者は民法177 条「第三者」に当たるか 2 再生手続開始前に登記を経なかった根抵当権者による,(1)再生債務者に対する根抵当権設定登記手続,(2)監督委員に対するその登記手続への同意の各請求がいずれも棄却された事例
[解 説]
1 本件は,A(当時63歳の男性)が,肝臓がんの治療のため,Yが開設する病院で平成16年4月13日にラジオ波焼灼術(RFA)の,同年4月20日に経皮的エタノール注入療法(PEIT)の各治療を受けたが,感染症になって容態が悪化し,同年6月4日に多臓器不全で死亡したことについて,Aの...
《解 説》
本件は,「酒の楽市」の屋号で酒類ディスカウント店を展開しているY1(株式会社前田)の民事再生手続に関し,再生手続開始前に登記していなかった根抵当権者X(商工中金)が,再生手続開始後に根抵当権設定登記手続を請求した事案である。Xは,再生債務者Y1に対し,根抵当権設定契約または根抵...
《解 説》
1 枚方市職員給与条例(昭和23年枚方市条例第103号。平成13年枚方市条例第37号による改正後,平成17年枚方市条例第18号による改正前のもの。以下「本件給与条例」という。)は,「非常勤職員」(54条1項)に対し,「特別報酬」(54条2項)を,①6月1日及び12月1日に在職す...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,民事執行法190条2項に基づいて執行裁判所がした動産競売の開始の許可に係る決定書正本を有する金銭債権の債権者において,当該正本が民事執行法197条1項所定の債務名義の正本に当たるとして,財産開示手続の申立てを行ったところ,これを却下した原決定に対し,上...
《解 説》
1 本件は,破産者A1ないしA14の破産管財人であるX1ないしX14が,銀行であるYに対して預金の払戻し等を求めたのに対し,Yが,A4,A6,A9,A11,A12,A13(以下「A4ら」という。)がBに対して負う買掛債務等を保証し,これらの債務を代位弁済したから,これにより取得...
《解 説》
1 本件は,児童ポルノであるDVDを作成し,インターネット上で不特定の客に販売するなどしていた被告人が,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ法」という。)違反,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「組織的犯罪処...
《解 説》
1 本件は,X1及びX2(夫婦)が,保険会社Y(控訴人)に対し,Yの保険代理店であるZとの間でそれぞれ一時払保険料を500万円,6500万円,7000万円とする3個の傷害保険契約(本件各契約)を締結し(X1が一時払保険料500万円及び6500万円の各契約当事者,X2が同7000万円...
1 執行官の仮差押えの執行処分に対する執行異議の申立てを却下する裁判に対して,執行抗告をすることは許されない 2 追徴保全命令に基づく仮差押えの執行において,国の差押禁止動産の範囲変更を求める申立てが理由がないとされた事例
《解 説》
1 名古屋市は,名古屋市会政務調査費の交付に関する条例(以下「本件条例」という。)に基づき,市議会の会派Aに対し,平成13年度分の政務調査費として1億5840万円を支給した。本件条例等によれば,会派は前年度交付に係る政務調査費についての収支報告書を毎年4月末日までに市議会議長に...
《解 説》
1 本件は,刑事事件(盗品等有償譲受被告事件)の被告人である相手方が任意提出して警察署に領置された現金(153万余円)を目的物として特定して発せられた追徴保全命令(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律42条2項ただし書)に基づく仮差押えの執行において,担当執行官が...
銀行の特定の普通預金口座に係る普通預金債権及び既発生利息債権を差し押さえるべき債権であるとしつつ,その時的範囲として,「命令送達の時から3 営業日以内に上記口座にかかる普通預金債権となる部分(本命令送達の時に存在する預金及び同日を含む3 営業日が経過するまでに受入れた金員によって構成される部分)」とした債権差押命令の申立てが,差押債権の特定を欠くとされた事例
《解 説》
1 本件は,被告A(男)及び被告B(女)が,原告ら夫婦の娘Vに対する殺人及び死体遺棄の共犯として起訴され,それぞれ懲役13年の実刑判決を受けた事件について,原告らが,①被告A及び被告Bは,被告Bが居住する居室でVを監禁し,暴行等を加えてVを衰弱させ,医師による治療を受けさせなければ...
《解 説》
1 事案の概要
抗告人は,債務者に対して有する執行力ある債務名義の正本に基づき,債務者が第三債務者である都市銀行に対して有する預金債権の差押えを求めたものであるが(以下,この申立てを「本件申立て」という。),差し押さえるべき債権としては,口座名義人,口座番号が特定された特定の...