《解 説》
1 本件は,危険運転致死罪の構成要件である刑法(平成19年法律第54号による改正前のもの)208条の2第2項後段にいう赤色信号を「殊更に無視し」の解釈が争われた事案である。
職権判示に係る事案の概要は,次のとおりである。
すなわち,被告人は,普通乗用自動車を運転し,パトカー...
《解 説》
1 本件は,都道府県別に設立されている社団法人「猟友会」の1つである「A県猟友会」の下部組織(いわゆる地元猟友会)で,権利能力なき社団として設立されていた「A県猟友会Y支部」の会員であったXが原告となって,Y支部が解散して権利能力なき「A県猟友会Z支部」が設立されたことを争い,「Z...
建物譲渡による損失について損益通算を廃止した租税特別措置法を公布日前の譲渡に遡及適用することが憲法84 条の趣旨に反しないとされた事例
《解 説》
1 本件は,平成14年9月9日に再生手続開始決定を受けたA社について,平成15年6月25日,再生計画認可決定日以降の遅延損害金を免除するとの内容を含む再生計画認可の決定が確定した後,再生計画の履行中である平成19年10月26日,破産手続開始決定がなされたところ,A社の破産管財人...
《解 説》
本件は,不動産売買等の業務を営む甲社の代表取締役である被告人が,乙社の代表取締役である共犯者丙らと共謀の上,弁護士資格等を有しないのに,報酬を得る目的で,業として,不動産売買業等を営む丁社から,丁社が所有するビルについて,各室を賃借していた74名の賃借人との間で賃貸借契約の合意...
クラブ(飲食店)を経営する会社の代表取締役が退任した際,会社との委任契約に基づく業務引継義務違反があったなどとして,債務不履行及び民法651 条2 項に基づく損害賠償請求がされた事案において,実質的には,いわゆる雇われママにすぎず,委任契約が適用されるべき代表取締役であったとは認められないとして責任が否定された事例
《解 説》
1 事案の概要
本件は,クラブを経営している会社X(原告=控訴人)が,業務引継義務違反があったと主張して,不利な時期における委任の解除(民法651条2項)に基づき,代表取締役を退任した前代表者Y(被告=被控訴人)に対して,3000万円の損害賠償を請求した事案である。
原審が指摘...
《解 説》
1 本件は,暴力団組長の内妻であった被告人が,内縁の夫又はその関係者からガムテープで梱包された段ボール箱を預かり,実家で保管していたが,段ボール箱の中にけん銃4丁及びその適合実包102発が隠されていたため,けん銃加重所持罪で起訴された事案であり,1審,2審を通じ,被告人に加重所...
被相続人のいとこの子及びその配偶者である被相続人の成年後見人が特別縁故者に当たるとして相続財産の一部分与をした原審判を変更し,分与額を増額した事例
《解 説》
1 本件は,弁護士である原告(X)が,競売入札妨害被疑事件で勾留中の被疑者(A)の弁護人として弁護活動をしていたところ,Aの取調べに当たっていた検察官副検事(Y2)において,被疑者と弁護人との間の信頼関係を破壊することを企図した言動があり,これにより弁護権を侵害されたとして,被...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,都民税等の減額更正により生じた過納金の還付を受けたXが,その際に支払われた還付加算金は起算日を誤って算定されており,正当な金額の一部しか支払われていないと主張して,Y(東京都)に対し,還付加算金の残額等の支払を求めた事案である。
2 事実関係等の概要...
[解 説]
1 Xは,和食料理店の経営者であるところ,平成17年4月25日から同年10月26日までの間に,商品取引員であるY1社に委託して商品先物取引を行ったが,596万円余の損失を被った。
そこで,Xは,Y1社の従業員には,違法勧誘,説明義務違反などの不法行為があったとし,Y1社とその従...
《解 説》
1 本件は,貨物船(本船)を所有,運航するX(香港所在の海運業者)が,本船と他の貨物船との衝突事故(本件衝突事故)に関する共同海損について,貨物の保険者であるY(損保会社)が荷受人Aの共同海損分担金支払義務を保証したとして,Yに対し,同保証債務の履行としてAが負担すべき同分担金の一...
《解 説》
1 本件は,被告人(女性,当時22歳)が,同棲中の男性(当時18歳)に対し,包丁でその背部を1回突き刺したという事案である。その事実自体には争いがなかったが,検察官は,被告人は,殺意をもって,うつ伏せで眠っていた被害者の背中を包丁で突き刺したと主張し,一方,弁護人は,布団の上に...
《解 説》
1 Xは,Yに対し,開発後の新型浄水器の特許を受ける権利をXYの共有とし,共同でその特許出願をするとの約定の下で,新型浄水器の開発業務を委託し,Yがその新製品の開発を完成させたが,量産のための金型製作代金の金額をめぐって両者の協議が難航し,上記開発委託契約が合意解除された。その...
《解 説》
1 本件は,Y5県立A高校の生徒であったBが同校の授業として実施されたカヌー実習の最中にカヌーの転覆事故により溺死したところ,Bの相続人(親)であるXらが,Bの死亡は,A高校からカヌー実習での生徒らへの指導を委託されたY1(株式会社)のカヌーインストラクターであるY2(Y1の代...
国有財産特別措置法5 条1 項5 号に基づき,土地の一括譲与を受けた地方公共団体が時効完成後の譲受人として,登記の欠缺を主張することが信義誠実の原則に反するとして制限された事例
《解 説》
1 本件は,自宅敷地の道路に面した幅約2.7メートルの部分(以下「係争部分」という。)が自己の所有地であると主張するXが,これを争う東京都の特別区であるYに対して,Xの所有であることの確認を求めた事案である。Xは,係争部分は,もともとAが国から払い下げを受けた土地(以下「甲土地...
《解 説》
1 Yら(テレビ局)は,硬貨の外観を有する奇術の道具でギミックコインと呼ばれるものの製造をした者が警視庁により貨幣損傷等取締法違反(日本国政府発行の貨幣を奇術用コインに加工して損傷したというもの。)として逮捕された事件を,テレビジョン放送によって報道した。この報道に関し,Xら(...