《解 説》
1 本件は,海で遊泳中に漁船と衝突して死亡したAの相続人であるXらが,漁船を操船していた船長のY1に対しては不法行為による損害賠償請求権に基づいて合計6278万7200円の損害賠償を求め,Y1が加入する漁船船主責任保険の保険者であるY2に対しては,債権者代位権に基づいて保険金の支払...
《解 説》
1 本件は,暴力団幹部である被告人が,平成15年12月,同じ組織に所属する幹部A(A組組長)の自宅兼A組事務所において,所携のけん銃2丁を発射して,A(当時69歳)及び居合わせた別の幹部B(当時64歳),同C(当時61歳),同D(当時56歳)及び同E(当時41歳)の合計5名を次...
《解 説》
1 本件は,Y(守口市)の住民であるXらが,住民基本台帳ネットワークシステム(以下「住基ネット」という。)により行政機関が住民の個人情報を同意なく収集,管理又は利用(以下「管理,利用等」という。)することは,憲法13条により保障されたプライバシー権その他の人格権を違法に侵害する...
《解 説》
1 本件は,被審人が不当景品類及び不当表示防止法違反審判事件につき,公正取引委員会から排除措置を命じる旨の審決(以下「本件審決」という。)を受けたにもかかわらず,その履行をけ怠していたため,公正取引委員会が東京高等裁判所に対し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下...
《解 説》
1(1) 本件は,五菱会(指定暴力団山口組系2次団体)幹部らによるヤミ金融グループが経営する各ヤミ金融店舗から,出資法違反の高金利を取り立てられた被害者であると主張する原告らが,五菱会系ヤミ金融組織の統括経営者であったとされる被告に対し,不法行為に基づく損害賠償を請求した事案で...
《解 説》
1 本件事案の概要,争点等
本件は,被告人が,(1)鉄筋コンクリート5階建ての団地の1室である自宅内で,母親の再婚相手で,同居していた当時69歳の被害者に対し,口腔内にドリルの先端を突き刺して小脳等を貫通させるなどして出血性ショックで殺害し,(2)その後に,ベランダで,書籍等...
《解 説》
1 X1(ダックス シンプソン グループ リミテッド カンパニー)は,2つの商標権(後記判文参照)を有し,X2はその専用使用権(本件商標権①)及び独占的通常使用権(本件商標権②)を有していたが,YがY標章を使用した商品(ベルト)を韓国から輸入して販売した行為は上記各商標権,...
《解 説》
1 本件は,死亡した税理士Aの相続人であるXらが,Aの税理士事務所で勤務していた税理士であるYがAの顧問先を奪った上,顧問先から報酬を得たことにより,所属税理士会支部が定める相互扶助規程上の援助制度に基づき得ることのできた援助金相当額の損害を被ったなどとして,Yに対し,不法行為...
《解 説》
1 本件は,第1事件及び第2事件によって構成され,第1事件は,(1)原告X1会社が,建築業者である被告に対し,被告との建築請負契約に基づいて完成・引き渡された建物等(倉庫,事務所,フェンス等)に雨漏りを生じさせるなどの瑕疵(主位的には合意違反,予備的には基本的性能の欠如)があり...
《解 説》
1 本件事案の概要
Xらは,つくば市長に対し,つくば市情報公開条例(本件条例)に基づいて,滞納地方税の徴税経緯を記録した個票(本件記録台帳。住所,本籍,氏名など納税義務者を特定するため情報が記載されている「納税義務者欄」,徴税職員が納税義務者などと交渉した日時,場所,内容,照...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,パキスタン国籍を有し昭和61年に本邦に上陸して適法に在留している原告が,国籍法に基づいて帰化を申請したところ,法務大臣から不許可処分を受けたため,その帰化不許可処分の取消しと,帰化の許可の義務付けを求める訴えを提起した事案である。
国籍法5条1項は,...
《解 説》
1 事案の概要
X,Y1及びY2は,いずれも,アルミダイカスト製品のバリ取り又は面取りをする産業用ロボットを取り扱う会社であり,産業用ロボットの分野においてはXの方が実績が古い。Y3・Y4はXの従業員であったが,上司の対応・言動等に不満を抱いて退社を考えるようになり,X在職中...
《解 説》
1 事案の概要
原告は,アマチュア写真家であり,被告八坂神社から撮影許可を得て,祇園祭の風景写真である本件写真を撮影した。そして,原告は,本件写真を表紙とする「京乃七月」と題する写真集を被告サンケイデザインの製版印刷により発行した。
このような経緯から,被告サンケイデザイン...
《解 説》
1 訴外亡Aは,Yとの間で簡易生命保険契約を締結していたが,平成16年3月14日死亡した。
そこで,Xは,Aの夫としてAの有していた保険契約者としての還付請求権及び入院保険金請求権の相続分に相当するその4分の3を分割相続したとし,Yに対して,377万3328円の支払を求めた。...
《解 説》
1 本件は,民事再生手続において,再生債務者Xの再生計画(以下「本件再生計画」という。)を認可した原々決定を取り消して,これを認可しないとした原決定に対し,Xから許可抗告の申立てがされた事案である。
民事再生法(以下「法」という。)174条2項3号は,再生計画の不認可事由の一...
《解 説》
1 本件は,平成12年9月11日,12日に東海地方において発生した集中豪雨(いわゆる東海豪雨)に伴う庄内川及び新川の増水により新川の左岸堤防が決壊し,これにより浸水被害を受けた住民である原告ら37名が,被告国に対して,主位的に,国家賠償法2条1項に基づき,建設大臣が管理する新川...
《解 説》
1 本件は,被告人が,ほか3名と共謀の上,被告人の経営支配する会社が登記名義人となり,個人病院として使用されている他人の建物及びその地上権につき,電磁的公正証書である登記記録に不実の抵当権設定仮登記及び所有権移転仮登記を記録させて閲覧できる状態にするとともに,その抵当権設定仮登...
1 破産管財人が破産債権の配当に係る源泉所得税の徴収納付をしなかったことにつき国税通則法 67 条 1 項ただし書にいう「正当な理由」があると された事例
2 破産管財人が破産管財人個人に対する報酬の支払に係る源泉所得税の徴収納付をしなかったことにつき国税通則法 67 条 1 項ただし書にいう「正当な理由」がないとされた事例