《解 説》
1 本件は,ベアトリクス・ポターが創作した絵本「ピーターラビットのおはなし」(本件絵本)中の絵柄の原画(原著作物)についての著作権の日本における商品化許諾業務を行うYに対し,絵柄の一部(本件絵柄)を使用したバスタオル及びフェイスタオル(X製品)の販売を企画したとするXが,①日本...
《解 説》
1 Xは,平成8年7月29日,マンション(以下「本件マンション」という。)の住戸(以下「X住戸」という。)を妻と共に各持分2分の1の割合で買い受け,そのころから妻と共にX住戸に居住している。Yは,平成16年2月ころ,階上の住戸(以下「Y住戸」という。)を賃借してそこに居住し,少...
《解 説》
1 本件は,窃盗2件と有印私文書偽造,同行使,詐欺からなる事案であるが,この有印私文書偽造,同行使,詐欺の公訴事実は,窃取したクレジットカードを用いて購入名下に商品を詐取し,その際にクレジットカード売上票にカード名義人の氏名を冒書して偽造し,これを店員に提出して行使したというも...
《解 説》
各種機械の製造等を主な業とするX社の社員であるX労働組合及びX組合員12名は,組合加入を理由とする賃金昇格差別があったと主張してY労働委員会に救済申立てをしたところ,Yはその主張の一部を認め,救済命令を発した。X社は同救済命令中,救済申立てを認容した部分につき取消しの訴えを提起...
《解 説》
1 Xは,歯科用合金スクラップ,電子材料等の買取り,貴金属の回収をするリサイクル業等を目的とする会社である。Yは,Xに平成5年9月に入社し,在職中,歯科医院や技工所等から排出される歯科用合金スクラップの買取業務に従事していた。
Yは,Xに対し,入社の際,在職中の会社の全取引に...
《解 説》
1(1) 本件は,大型商業施設の駐車場内で,8歳の男児であるAがYの運転する普通貨物自動車に轢過され死亡した交通事故(以下「本件事故」という。)に関し,Aの両親(X1,X2),姉(X3)であるXらが,Yに対し,自動車損害賠償保障法3条及び民法709条,711条に基づき,損害賠償...
《解 説》
1 本件は,建物建築請負契約に基づいて大手住宅メーカーである被告が建築し,原告らに引き渡した木造・一部RC造の住宅用建物を巡る紛争である。原告らは,本件建物に入居後,ホルムアルデヒドを原因物質とするいわゆるシックハウス症候群に罹患したが,これは,被告が,契約内容に反した施工を行...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,被告人が,共犯者4名と共謀の上,保険金目的で被害者を殺害しようと企て,被害者に海外旅行傷害保険契約を締結させた上,社員旅行を装ってフィリピン共和国に連れていき,同国において,被害者を殺害したが,保険会社に殺害の疑いを抱かれて,死亡保険金等の詐取は未遂に...
《解 説》
1 本件は,被告人(当時37歳)が,女性を強姦するとともに金員を強取しようと企て,京都駅前の路上で声を掛けた女性(当時23歳)を脅迫して自動車に乗せ,いわゆるラブホテル内で強姦するとともに現金2万円及び携帯電話を強取したという強盗強姦罪で起訴された事案である。
被告人は,捜査...
《解 説》
1 本件は,分譲マンションにおいて,その区分所有者(管理組合員)の高齢化や不在区分所有者が増加したこと等によって,一部の組合員が管理組合の役員になる機会が増加したなどの事情から,管理組合の役員になることのない不在区分所有者に対し,管理組合運営にかかる負担の一端を担ってもらうとの...
宗教法人の代表役員等の地位にあることの確認を求める訴えにおいて、その地位にかかる懲戒処分は、当該処分が全く事実上の根拠に基づかない場合、当該処分の手続が著しく正義に反する場合、処分内容が社会通念上著しく妥当性を欠き、裁量権の範囲を逸脱したと認められる場合にのみ無効と判断すべきであり、当該訴えにおいてこれらの無効事由は認められないとされた事例(東京地裁平18.10.12判決)
《解 説》
1 本件は,(1)名古屋市上下水道局発注の下水道築造工事に関する入札後資格確認型一般競争入札において,大手建設会社幹部社員らが2件の談合を行い,同社員らが起訴された各談合の事案,(2)大手建設会社5社の各幹部社員らが,名古屋市交通局が一般競争入札の方法で特別共同企業体(いわゆる...
《解 説》
1 本件は,危険運転致傷及び窃盗事件を含むが,ここで取り上げるのは,被告人が警察署内の捜査車両を確認する目的で,夜間,同警察署のコンクリート塀の上によじ上ったという行為が建造物侵入罪に問われた事案である。
2 本判決は,被告人に警察署の敷地内に入り込む意思はなく,単に塀をよじ...
《解 説》
Xの夫Aは平成2年4月以降,B社において医療情報担当者(MR)として勤務していたが,同15年3月7日未明,8通の遺書を残して自殺した。XはAの自殺が業務上の心理的負荷に起因するものであるとして労働基準監督署長に対し,労働者災害補償保険法(労災保険法)に基づく遺族補償年金及び葬祭...
《解 説》
1 事案の概要
申立人は,在日朝鮮人の音楽舞踊家により創立され,日本各地において民族舞踊等の公演を行っている歌劇団の岡山公演(本件公演)の実行のために組織された岡山公演実行委員会の代表者であり,相手方は,岡山市が設置した地方自治法244条所定の公の施設である岡山シンフォニーホ...
《解 説》
1 本件は,交通事故によって後遺障害を負ったX1及びその母X2が,加害車両の運転手であるY1に対し民法709条に基づき,加害車両の所有者であるレンタカー会社Y2及び加害車両をY1に貸し渡した農協Y3に対し自動車損害賠償保障法3条に基づき損害賠償請求(甲事件)し,同事故によって,...
《解 説》
1 本件は,妻と離婚訴訟中であった被告人が,妻の実母(義母)らを殺害する目的で,アセトン等から生成した,爆発性物質であるトリアセトントリパーオキサイド(TATP)相当量に,点火ヒーター,乾電池等を使用した起爆装置を接続して,これをファイルケースに収納し,更に同ケースを定形外郵便...
《解 説》
1 事案の概要
訴外A(昭和57年生)は,過去3回,イレウス(腸閉塞),胃腸炎等で入院していたが,平成13年9月30日午後7時25分,腹痛,嘔吐等の身体の異常を訴えてY1市が運営するB病院の救急外来を受診したところ,レントゲン撮影の結果,単純性イレウス(腸間膜の血行障害を伴わ...