《解 説》
1 本件は,いわゆる「フィルム・リース」事件と呼ばれる事案であり,原告が,契約上は所有権を取得したとされる映画につき,その減価償却費を損金算入したところ,課税庁がこれを認めず更正処分をしたことから,当該処分の適否が問題となったものである。
本件の事実関係の概要は以下のとおりで...
《解 説》
1 事案の概要
(1) ①事件は,平成12年法律第112号による改正前の出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律(昭和58年法律第33号)附則(以下,単に「附則」という。)9項所定の業務の方法による貸金業のみを行う日賦貸金業者であるYが,同項1号...
《解 説》
1 本件は,金融機関であるX信用金庫が,A社に対する貸金債権の担保として,A社から本件特許権を目的とする本件質権の設定を受け,その登録申請をしてこれが受け付けられたにもかかわらず,特許庁の担当職員の過失により,これに後れて登録申請及び受付けのされた当該特許権の第三者(B社)への...
《解 説》
1 X社(オウブンシャホールディング株式会社。当時の商号は株式会社旺文社)がオランダにおいて設立した100パーセント出資の子会社であるA社(アトランティック社。OBUNSHAATLANTICB.V.)は,その発行済株式の15倍の新株をX社の関連会社(X社の発行済株式の49.6パ...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。X1ないしX9ら9名は,Yの従業員であった。Yの関連会社であるK社の取締役であったAは,平成15年6月,K社を退職し,同年7月1日,競業会社であるN社を設立した。K社の全従業員の約3分の1にあたる約500名は,平成15年7月11日,一斉にK...
《解 説》
1 本件は,フリーのジャーナリストである原告が,札幌地方裁判所の職員に判決言渡期日における傍聴席の確保と判決要旨の交付を申し入れたところ,北海道司法記者クラブ加盟の報道機関の記者にはこれらが確保・交付されたにもかかわらず原告の申入れが認められず,また,東京地方裁判所の公判期日に...
《解 説》
1 相手方(大阪市)は,都市公園法2条の2及び同法2条の3に基づき靱公園を都市公園として設置し,これを管理する者であるが,大阪市長は,同公園内にブルーシート製テント等を設置等して,これらを起居の場所とし,日常生活を営んでいる申立人らに対し,それぞれ都市公園法27条1項に基づき,...
《解 説》
1 訴外Aは,平成14年6月1日,被告との間で,死亡保険金受取人を原告とする生命保険契約(本件契約)を締結した。その際,Aは,過去にうつ病による通院歴があったにもかかわらず,それを被告に告知しなかった。
本件契約の約款には,「第2回以後の保険料の払込期月の翌月初日からその末日...
《解 説》
本件は,心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(いわゆる医療観察法)42条1項1号の入院決定についての抗告審の決定である。
事案は,家族と同居中の居宅に火を放って現住建造物等放火をした対象者が,その当時心神喪失の状態にあったとして不起訴処分とな...
《解 説》
1 Aは株式会社Y1の代表者であったところ,Y2との間でY1の営業に関して「営業譲渡に関する覚書」と題する書面を取り交わし,一定の金員をAに交付した。その後,Y2は,自らY1の代表者に就任して経営に携わるようになった。他方,債権管理回収等を目的とする株式会社Xは,B銀行からY1...
《解 説》
原告は,高等裁判所で死刑の判決を受けて上告し,未決拘禁者として拘置所に在監中であったところ,原告あてに差し入れられた「死中に活路あり」と題する資料集の交付願を提出したが,拘置所長は,同資料集中,死刑執行方法を記述した絞罪器械図式(明治6年太政官布告第65号)の引用部分を閲読する...
《解 説》
1 本件は,平成10年ないし11年ころから大阪市北区扇町1丁目,2丁目所在の扇町公園で居住を開始し,平成12年3月ころから扇町公園内にテント(以下「本件テント」という。)を設置して居住してきたXが,Yに対し,平成16年3月30日付けで本件テントの所在地である「大阪市北区扇町1―...
《解 説》
1 本件は,80歳を越えた女性が,脳こうそくの発作でYの開設する病院に入院し,その後,急性期から安定期に移ったことから,一般病室へ移ったところ,同病室には,MRSAの保菌者が在室しており,同女もMRSAに感染するなどした後,全身状態が悪化して死亡したことから,その相続人であるX...
《解 説》
1 本件は,被告にアマチュアボクシングの選手として登録していた原告が,被告に対し,違法な選手登録の取消しにより,平成15年5月28日から1年間,全国高等学校総合体育大会,国民体育大会及び全国高校選抜大会のボクシング競技に出場することができなくなったと主張して,不法行為責任に基づ...
《解 説》
Xは平成元年10月2日に出生した男児であるが,同年11月1日,Y市立病院において1か月検診をうけたところ,痙攣重積と哺乳力低下による体重増加不良を指摘され,入院した。入院時の所見として顔と四肢の痙攣,後弓反張姿勢で泣き,両手鷲手様,両足にクローヌス反応があったが,発熱や嘔吐はな...
《解 説》
1 本件は,Yらが製造販売等するボルトヒータが,Xの有する高周波ボルトヒータに関する特許権を侵害するとして,Xが,Yらに対し,同製品の製造,販売及び使用等の差止め,同製品及び半製品の廃棄,同製品の製造に用いる設備の除却並びに損害賠償を求めた事案である。
ボルトヒータとは,大径...
《解 説》
1 本件は,原告について開始された民事再生手続において,被告が届け出た再生債権についてされた再生裁判所の査定決定に対し,原告が異議の訴えを提起した事案である。
2 原告は,被告に対して保証債務を負担し,被告に対する一切の債務を担保するため銀行である被告に対して有する定期預金債...
《解 説》
1 本件は,「大崎事件」と呼称される殺人・死体遺棄事件で有罪の確定判決を受けた申立人からの再審請求事件である。上記殺人等事件は,申立人が,その夫である甲及び甲の弟乙と共謀の上,昭和54年10月12日の深夜から翌13日の早朝にかけて,鹿児島県曽於郡大崎町の被害者方で,甲の弟である...