《解 説》
1 本件は,交通事故により後遺障害を負ったXが,加害者であるYに対し,民法709条に基づき損害賠償を請求した事案であり,不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効の起算点が争点となったものである。
Xは,平成8年10月14日,Yの過失による交通事故で負傷し,これが原因で右膝の神...
《解 説》
1 本件は,Xが紀伊長島町において産業廃棄物中間処理施設(以下「本件施設」という。)の設置を計画したところ,Yが,本件施設を紀伊長島町水道水源保護条例(平成6年紀伊長島町条例第6号。以下「本件条例」という。)2条5号所定の規制対象事業場と認定する旨の処分(以下「本件処分」という...
《解 説》
1 住宅金融専門会社(以下「住専」という。)の日本ハウジングローン株式会社(以下「JHL」という。)に対し残高合計3760億5500万円の貸付債権(以下「本件債権」という。)を有していたその母体行の株式会社日本興業銀行(以下「興銀」という。)は,平成8年3月29日,本件債権を放...
《解 説》
1 孫請人Xが,元請人Yに対し,不法行為による損害賠償又は不当利得の返還を訴求したところ,原審が,Xの請求を棄却した。Xが控訴し,控訴審係属中にYにつき民事再生手続が開始したため,Xは,金銭給付請求を再生債権確定請求に変更した上,これを予備的請求とし,主位的請求としてXY間の直...
《解 説》
本件は,人事録からの経歴の抹消費用等の名目で,200万円を騙し取られた原告が,この詐欺行為の振込先として利用された銀行口座(以下「本件口座」という。)を開設・譲渡した被告に対し,この不法行為の幇助者に当たるとして,民法719条2項,1項,709条に基づき,損害賠償を求めた事案で...
《解 説》
1 Yは,平成6年7月12日,都市再開発法(以下「法」という。)に基づき設立した法人であり,津山市の中央街区の開発事業を施行するものであるが,平成11年3月,Yが計画した再開発ビル「アルネ津山」(以下「本件ビル」という。)の建築が完成した。
しかし,平成13年5月頃,Yの工事...
《解 説》
本件は,X(被控訴人,附帯控訴人,一審原告)がY(控訴人,附帯被控訴人,一審被告)に在職中にした青色発光ダイオードに使用する窒化ガリウム半導体結晶膜の製法に関する職務発明の特許を受ける権利(平成2年10月25日出願,発明の名称「窒化化合物半導体結晶膜の成長方法」,特許番号第26...
1 建物(ホテル)に対する担保不動産収益執行開始決定において表示された給付請求権が,担保不動産収益執行の目的である当該建物から生じる収益に該当し,その特定につき違法な点はないとされた事例
2 担保不動産収益執行開始決定に対して給付義務者の申し立てた執行抗告において,給付義務者が執行債権や収益給付義務の有無を争うことの可否(消極)
《解 説》
1 本件は,X1とX2が,Y1が製造し,Y1の子会社であるY2が販売する数種の健康食品である錠剤(本件各製品)を購入したが,本件各製品に発がん性を有し,旧食品衛生法6条(現行法の10条に相当)により食品への添加が禁止されているエトキシキンが含まれていたとして,Y1に対し,その宣...
《解 説》
1 X(債権者,相手方)は,Y(債務者兼所有者,抗告人)の所有する土地・建物(ホテル)に抵当権を有していたところ,本件土地建物に関するYとZ(給付義務者,抗告人)との間のホテル運営管理委託契約の存在を前提に,担保不動産収益執行を申し立てた。執行裁判所は,給付請求権の内容を「本件...
《解 説》
1 事案の概要は次のとおりである。
ゴルフ場運営会社である相手方Yは,再生手続開始の申立て(以下「第1次再生手続」という。)をし再生計画認可決定を受けたが,同決定に対する即時抗告が申し立てられ,抗告審において,再生計画には債権者平等原則違反の不認可事由があるとして,同決定を取...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Xは,T市立甲中学校の教諭であるが,同校の校長であったY1,Y2から,平成13年9月5日から同15年10月27日までの間,それぞれ違法な職務命令を受け,職員会議,学年会,三者面談,保護者会,校内研修会,校務分掌部会,委員会,登下校指導につい...
《解 説》
1 Aは,昭和51年2月,被告の前身であるT生命保険との間で死亡保険金額を2000万円とする生命保険契約を締結し,保険金受取人を子である原告X1と同X2とした。同保険契約は,一定の集団構成員との間で保険契約を締結するいわゆる集団扱定期保険で,保険料の払込みは集団代表者を通じて行...
《解 説》
1 本件は,Yが伐採・販売した竹材(本件丸竹)を土壁の下地として用いて自宅を建築したXらが,自宅に竹材の害虫として著明なチビタケナガシンクイムシ(本件害虫)が大量に発生して食害を被ったとして,Yに対して,主位的に製造物責任法に基づいて,予備的に債務不履行責任(信義則上の安全配慮...
《解 説》
1 Xは,平成14年以降は,ほとんど無職無収入に近い状態であったが,消費者金融数社から140万を借り受けたほか,知人から310万円を借り受け,また,自動車購入のために約242万円のローンを負担し,支払不能となったため,破産申立てをし,平成16年8月9日に破産宣告を受けたうえ,免...