《解 説》
1 X(昭和26年生)は大工であり,平成10年11月5日,神奈川県茅ヶ崎市内のマンションの新築現場において,卓上電動丸のこぎりを使用して内装工事に従事していたが,同のこぎりの刃に誤って右手指が触れ,右手指3本を切断するという傷害(以下「本件傷害」という。)を負った。
そこで,...
《解 説》
1 本判決は,対向車線に進出してきた加害車両と衝突し,硬膜下血腫,脳挫傷,びまん性軸索損傷等の傷害を負った被害車両の運転手であるXが,加害車両の保有者であり,かつ,加害車両の運転手を雇用しているYに対して自動車損害賠償保障法3条及び民法715条に基づき損害賠償を請求した事案であ...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Yは建築土木などを目的とするいわゆるゼネコン会社である。Yは,平成10年4月1日,従業員に対し,ニューライフ支援制度を実施することにした。ニューライフ支援制度は,定年選択制度,転進支援制度,退職一時金貸付制度,転職斡旋制度の各制度から成って...
《解 説》
1 本件は,Yが所有し,Aクリニックを経営している本件建物の近隣に居住するXらが,本件建物からXら宅を眺望することができる本件窓に曇りガラスが使用されていないなどと主張して,本件窓のガラスをXら主張のガラスに交換する旨の工事の実施と,その間にXらが被ったという精神的苦痛に対する...
《解 説》
1 本件は,発売予定の週刊誌の記事によってプライバシーを侵害されるという女性のX(前夫の男性を含むが,以下省略)が出版社のYに対して当該週刊誌の出版等(販売・無償配布・第三者に対する引渡し)の禁止を求めた仮処分命令申立事件につき,その保全抗告審において,Xの申立てが却下された事...
《解 説》
1 Xは鞄の加工,販売等を業とする会社であり,Yは鞄の製造,販売等を業とする会社である。XとYは昭和の頃から継続的に通学用鞄などの取引があったが,平成12年9月に取引関係を解消し,Xはそのころから新たに仕入れた通学用鞄ECHORCLUB(X鞄)の販売を開始した。YはXに対し,X...
《解 説》
1 本件は,一般家庭用LPガスを販売する中小業者であるXらが,大手販売業者であるYらに対し,独占禁止法24条に基づきYらによるLPガスの販売行為等の差止を求めた事件である。平成12年の改正によって創設された独占禁止法24条に基づく本格的な差止請求訴訟であり,公刊されている限りで...
《解 説》
1 Xは,生まれつき心室に小さな穴があり,岡山大学医学部附属病院において,それを塞ぐ心室中隔欠損パッチ閉鎖術を受けたところ,大動脈弁が傷つけられるという医療事故が発生したとして,損害賠償請求訴訟を提起するとともに,Yに対し,医療過誤を立証するため,前記医療事故の状況等に関し,①...
《解 説》
1 本件は,幼い兄妹(6歳の男児と4歳の女児)及びその母親と同居していた男が,男児に対して約2か月間にわたりせい惨な虐待を加えた末,ビニール袋に入らせて密封状態において窒息死させ,さらにその約20日後,女児に対して顔面,腹部を殴打する等の虐待を加えて失血死させ,それぞれ死体を山...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,平成13年8月13日に当時の内閣総理大臣である小泉純一郎がした靖国神社への参拝につき,①第2次世界大戦における戦没者の遺族,②仏教の僧侶,門徒又は信徒,③キリスト教の神父,牧師又は信徒,④特定の宗教や信仰を持たない者,⑤在日コリアンの5つのグループから...
《解 説》
1 本件は,更生会社東日本フェリー株式会社の更生手続開始申立て前に,同社所有の船舶について定期検査及び中間検査を行ったXが,その検査代金債権者として各船舶の上に船舶先取特権(商法842条6号)を有するとして,更生担保権の届出をしたところ,Y(更生会社東日本フェリー株式会社管財人...
《解 説》
1 本件は,不正競争防止法3条1項に基づく差止請求権不存在確認の訴えについての移送の申立てに関する許可抗告事件であり,不正競争防止法3条1項に基づく差止請求権不存在確認の訴えが民訴法5条9号が定める「不法行為に関する訴え」に当たるかどうかが争点となったものである。
2 本件の...
《解 説》
本件は,被告との間で国際海上運送契約を締結し,貨物を運搬したと主張する原告が,被告に対し,主位的には,国際海上物品運送契約に基づき,荷送人である被告に対し,予備的には,国際海上物品運送法20条1項で準用する商法753条に基づき,現地代理店を通じて貨物を受け取った被告に対し,未払...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,被告の輸入した医療用漢方薬(以下「KM」という。)を服用したことにより腎不全に罹患したとして,原告が被告に対し,製造物責任法に基づき,治療費及び後遺障害による損害等の賠償を請求した事案である。
争点は,①KMの製造物責任法上の欠陥の有無,及び②治療費...
《解 説》
1 事案の概要等
本件の公訴事実及び検察官の主張の概要は,20代の女性である被告人が,テレクラで知り合った40歳の男性被害者とラブホテルに行ったものの,男性との間でトラブルが起こり,金を返すよう執拗に迫られたことなどから,立腹の余り,上記ラブホテルの部屋や廊下で,備付けの電気...
《解 説》
1 本件は,看護専門学校准看護科に通いながら,被告経営の病院に看護助手として勤務していた原告が,せん妄状態に陥りベッド上で激しく暴れた患者(C型肝炎ウイルスに感染していた。)の体を押さえつける作業(抑制作業)に従事中,当該患者に噛まれて,その約半年後に劇症肝炎・C型肝炎と,その...
《解 説》
1 本件は,平成14年法律第4号による改正前の地方自治法242条の2第1項4号に基づく住民の地方公共団体の長に対する損害賠償代位請求が一部認容された事案である。裁判所は,村が金銭を借り入れる際,村長が虚偽の申告をするなどしたために貸主から繰上償還を求められ,償還せざるをえなくな...