《解 説》
一 本件は、北海道伊達市内に鉄骨造陸屋根三階建店舗(以下「本件建物」という。)を所有していたAが、伊達市長によって決定され固定資産課税台帳に登録された本件建物の平成九年度の価格を不服としてY(伊達市固定資産評価審査委員会)に対して審査の申出をしたところ、Yからこれを棄却する決定...
《解 説》
一 本件は、税理士職業賠償責任保険(以下「税賠保険」という。)に加入していた税理士Xが、消費税の申告に係る手続を行ったところ、依頼者Aから損害賠償の請求を受けたので、保険会社Yに対し、保険金の支払を請求した事案である。
二 税賠保険は、医師、公認会計士、弁護士等法令に基づく資...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、中小企業等への金員の貸付けを業とする貸金業者であるYがした金銭消費貸借取引において、連帯保証人Xらが、利息制限法(以下「法」という。)所定の制限を超える利息等として支払われた部分を元本に充当すると過払金が生じているとして、Yに対し、不当利得返還請求権に...
《解 説》
一 平成一一年一一月二八日午後三時三〇分ころ、東京都世田谷区の東名高速道路上り線で、酒に酔っていたY1が運転する大型貨物自動車(以下「加害車両」という。)が、折から渋滞のため減速して走行していたX2が運転する普通乗用自動車(以下「被害車両」という。)後部に自車右前部を衝突させて...
《解 説》
1 本件は,電気通信事業等を営む株式会社X1及びその代表取締役X2が,Yが発行する週刊誌「週刊新潮」に,「巨額賠償請求でX1『X2社長』ピンチ」との見出しの下に,X1がその子会社A社の株式公開に関して約50億円の損害賠償請求訴訟を提起されたことについて,X2がA社の株価操作をし...
《解 説》
1 本件は,被告クリニックにおいて豊胸手術を受けた原告が,被告に対し,切開位置が不適切であったため手術の傷痕が目立つ結果になったとして,不法行為又は診療契約の債務不履行に基づき損害賠償を請求した事案である。
2 本判決は,美容整形においては,他の医療行為と比較すると必要性や緊...
《解 説》
1 本判決は,有責配偶者からの離婚請求が棄却された後,再度提起された離婚請求について,請求を認容した第1審判決(那覇地裁沖縄支部平13(タ)第11号,判タ1124号244頁)に対する控訴審判決である。第1審判決は,請求棄却の判決確定から短時日のうちに再度提起された離婚請求を認容...
《解 説》
1 本件は,いわゆる成田一坪共有地につき,同時期に提起された数件の分割請求事件のうちの1件である。X(新東京国際空港公団)は,成田空港建設反対運動の一環として展開された,いわゆる一坪共有運動により同空港建設反対派のうち30名の共有となっていた本件土地について,漸次持分を買収し,...
《解 説》
1 本件は,Xが,Yが製造したFTスイッチ(以下「本件FTスイッチ」という。)を使用して,カーオーディオ(以下「本件カーオーディオ」という。)を製作・販売したところ,本件FTスイッチが常時短絡(オンの状態になったままになる。以下「本件短絡事故」という。)して,本件カーオーディオ...
《解 説》
本件は,覚せい剤の自己使用及び所持の事件において,弁護人から違法収集証拠の主張がなされた事案である。本件捜査の経緯は,被告人に対する別件の覚せい剤取締法違反被疑事件につき,捜索差押許可状に基づいて被告人方を捜索するため,警察官1名が,被告人方付近に張り込んで機会をうかがっている...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。X1及びX2は甲土地の所有者であり,Y1は乙土地の所有者である。甲土地と乙土地とは互いに隣接する土地であるが,甲土地は乙土地より約2m高くなっており,その境界線に沿って甲土地内に両土地間の高低差を支える擁壁(以下「X擁壁」という)が存在した...
《解 説》
1 本件は,再審被告を原告,再審原告らを被告とする基本事件における確定した判決について,基本事件の訴状送達は無効であるから,民事訴訟法338条1項3号の再審事由が存在し,あるいは基本事件は職権探知にかかわる訴訟要件の欠缺を看過して判決がなされたものであり,民事訴訟法338条1項...
《解 説》
一 事実関係と問題の所在
本件は、貸金業者が債権回収のため、抵当権の実行を申し立てたのに対して、借主がその被担保債権の不存在確認を請求した事件である。貸金業者は、平成四年に最初に貸し付け、平成一〇年三月にその借り換えがあった。そして、平成一〇年一二月には、これとは別個にカード...
《解 説》
1 本件の事案の概要は次のとおりである。Xは訴外会社に対して有する三口の貸金債権を被担保債権として訴外会社からその所有の不動産に抵当権の設定を受けており,Yは,右貸金債権のうち一口の貸金債権について連帯保証をしていたところ,この一口の貸金債権全部につき代位弁済をした。その後,訴...
《解 説》
1 本件は,X(本店所在地・名古屋市)から名古屋地方裁判所に売掛代金債権事件(本案事件)を提起されたY(本店所在地・千葉県松戸市)が,名古屋地方裁判所には管轄がなく,その理由として,主位的には,当該売掛代金については,①Xの東京営業所を支払場所とする旨の黙示の合意が成立していた...