《解 説》
一 本件は、当初、XがYから約束手形の振出を受けたとして、同手形金請求の手形訴訟を提起した後、通常移行の申述と同手形の原因関係に関する連帯保証債務履行請求訴訟に訴えの変更申立てをした事案である。
Xは、比較的零細な資金需要者に資金の貸付をする金融(商工ローン)業者で、全国各地...
《解 説》
1 事案は,次のとおりである。夫を殺害して保険金を騙し取ることを共謀した妻と共犯者4名は,夫を殺害する方法として,事故死を装うために,自動車に乗せたまま水中に転落させて溺死させる計画を立てたが,拉致して自動車に乗せて転落場所まで運ぶのに,抵抗を排除するため,クロロホルムを吸引さ...
《解 説》
1 本件は,ユニット家具の形態が不正競争防止法(以下,不競法という)により保護されるかどうかが争われた事案であるが,その概要は次のようなものである。
Xはデザイン家具の製造販売を業とする会社であり,Yは家具メーカー等へのデザイン提供を主な業務とする会社である。Xは平成12年7...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、下校途中の女子小学生を略取した上、その後九年余りにわたってこれを被告人方に監禁し、傷害を負わせるとともに(略取、逮捕監禁致傷)、その間、被害者に着せるための下着を万引した(窃盗)という事案である。被告人は、略取の犯行当時二八歳の無職男性であった。
犯...
《解 説》
一 本件は、因島市(以下「市」という。)の住民である原告が、市長である被告は、市が業者に施工させていた道路工事が完成する前に、その請負代金の支払のために地方債の起債をして借入れをしたが、これには、予算措置を次会計年度に繰り越すことを怠り、請負代金の支払時期よりも早く借入れをした...
《解 説》
一 本件は、共有不動産について持分移転登記を経由しているが実際には実体上の権利を有していない者に対し、当該不動産の共有者の一部の者が、自己の共有持分割合自体については当該不実の持分移転登記によって侵害状態が生じていなくても、同登記の抹消登記手続を請求することができるかどうかが争...
《解 説》
一 本件のうち判示事項及び判決要旨で採り上げられたのは、複数の加害者の過失及び被害者の過失が競合する一つの交通事故において、加害者の一人の代りに被害者に対して損害賠償をした自動車交通共済協同組合が保険代位に基づいて他の加害者に対して求償義務の履行を求めた部分であり、その前提とし...
《解 説》
1 本件は,中学生(昭和60年3月生)が国道34号線(通称諌早バイパス)の交差点付近に設置された集水ますに転落し,道路沿いに暗渠の状態で設置された側溝内を南側に流され,溺水により窒息死した事故につき,遺族である母親が側溝及び集水ますの位置・構造は,集水ますのグレーチング蓋が固定...
《解 説》
1 Xらは,Yが開設するA病院に入院していたBが,A病院の医師によって抗癌剤を過剰投与されたことによって死亡した医療過誤につき,主治医その他治療に関係した耳鼻咽喉科所属の医師並びに病院管理者にも責任があるとし,また,その死因を隠蔽する行為があったと主張し,医師個人とYに対して損...
《解 説》
一 本件は、東京高決平15・3・12家月五五巻八号五四頁と同様、子の監護者決定における裁判官の判断基準と、家庭裁判所調査官(以下、調査官と称する)の調査の問題を提起している。従来の離婚判決においては示されることの少なかった問題であるが、人訴法改正の際論議された問題でもあり、家庭...
《解 説》
一 本件は、被告人らが、同僚である被害者に制裁を加えるため、被害者を勤務先の工場近くの公園に誘い出して、約二時間一〇分にわたりし烈な暴行を加えた上、さらに、マンション居室に連行して、約四五分間にわたり、断続的に暴行を加えたところ、被害者が、すきをみて逃走し、その約一〇分後、マン...
《解 説》
1 Xは,熊本県八代郡内に病院の開設を計画し,平成9年4月15日,Y(熊本県知事)に対して病院開設の許可申請(以下「本件許可申請」という。)をしたが,Yが同年11月5日,病院開設の中止勧告(以下「本件中止勧告」という。)をしたため,本件中止勧告には重大かつ明白な瑕疵があるなどと...
《解 説》
一 本件は、「薄肉ステンレス鋼管の拡管装置」について特許権を有する原告が、各被告による別紙イ号物件目録ないしニ号物件目録記載の各物件の製造又は販売等が同特許権を侵害するとして、各被告に対し、同特許権に基づく侵害行為の差止等と、民法七〇九条、特許法一〇二条二項に基づく損害賠償を請...