《解 説》
1 大手商工ローン業者であるY1は,その顧客であるXらに対して,平成元年ころから反復継続して手形貸付を行っていた。その際,Y1は,いずれの手形貸付についても,Y1の100%子会社である信用保証会社Y2との間で保証委託契約を締結することを貸付けの条件としていた。また,Y1の手形貸...
《解 説》
一 本件は、Z(株式会社)に対して売掛金債権を有していたXが、Zから本件売掛金債権の支払を受けられないことによって損害を被ったが、それはZの取締役であったYがその職務を執行するにつき悪意又は重過失があったからであると主張して、商法二六六条ノ三の規定に基づき、その賠償を求めた事案...
《解 説》
一 本件は、A有限会社を吸収合併したX株式会社が、合併によりA有限会社に清算所得が生じたとして確定申告を行い、また、A有限会社の社員二名が、合併によりみなし配当所得が生じたとして確定申告を行ったが、その後、右合併の無効判決が確定したことにより、右各確定申告に係る課税標準等又は税...
《解 説》
一 本件は、大阪地判平11・3・29本誌一〇一〇号九六頁の控訴審判決である。
本件は、いわゆる信楽高原鐵道列車事故(以下、「本件事故」という。)によって死亡した乗客の遺族が、事故を起こした列車の所有者である信楽高原鐵道(株)(以下、「SKR」という。)と西日本旅客鉄道(株)(...
《解 説》
1 Xは,わが国唯一の音楽著作権仲介団体であり,カラオケ楽曲の音楽著作物の信託的譲渡を受けて管理しているものであるが,Y1は,平成3年1月24日から同11年12月13日までの間,その経営する長野県内のカラオケボックス店において,Xの許諾を得ることなくカラオケ機器を使用して,音楽...
《解 説》
(事案の概要)
一 原告は、昭和四六年、わが国の出版社を通じて、「ピーターラビットのおはなし」の絵本の販売を開始し、昭和五一年からは、同出版社をエージェントとし、ピーターラビットの商品化事業を開始した。そのころ、原告は被告との間で、原告商品化事業に関するライセンス契約(第一ラ...
《解 説》
1 訴外A(昭和49年生)は,平成10年1月16日,食後の腹痛等があったため,Yの開設するB病院の診察を受けたところ,急性ウイルス性胃腸炎の疑いと診断され,内服薬の処方を受けた。
Aは,同月24日,内服薬を服用しても症状が変らないため,B病院で診察を受けたが,病名が明確でない...
《解 説》
1 本件は,全日本教職員組合(以下「全教」という。)を構成している団体の一つである愛知県高等学校教職員組合(申立人)が,全教において岐阜県内を中心に開催を予定していた2002年度の教育研究全国集会に先立って,同集会の実務的打ち合わせを行うために申立人名義で名古屋市教育センター(...
《解 説》
一本件は、建設・設計を業とするY株式会社に雇用されていた従業員のXが、職場内のセクシャル・ハラスメント行為に関する苦情及び就業環境改善要求を申し出たのに対し、適切な対応がされないまま転勤の打診を受けたため、これを断った後、配転命令を受けたので、これにも応じないでいたところ、就業...
《解 説》
一 本件は、現職国会議員によるいわゆるゼネコン汚職政界ルート事件として著名な事件である。すなわち、K建設の副社長であった被告人Aが衆議院議員である被告人Bに対し、建設会社の談合組織である埼玉土曜会による独禁法違反事件に関し、公正取引委員会が同社等を告発しないよう公取委の委員長に...
《解 説》
1 本件は,原告(仙台市民オンブズマン)が,宮城県情報公開条例(以下「県条例」という。)に基づき,「宮城県警刑事部,交通部,警備部の報償費支出に関する一切の資料(平成11年度)」につき開示請求をしたところ,被告(宮城県知事)は,非開示事由を定める県条例8条2号(個人識別情報),...
《解 説》
一 原告A(昭和五七年九月一二日生)は、平成一三年三月に高校を卒業し、短大に入学するまでの春休み期間中を利用して被告E株式会社(被告会社)でアルバイト従業員として働いていたものであるが、被告会社の正社員でありアルバイト従業員を指揮監督する立場にあった被告Dが、三度にわたり、残業...
《解 説》
一 本件は、徳島県(以下「県」という。)の住民であるXが、県議会の議員及び事務局職員が平成九年に開催された第四九回全国都道府県議会議員軟式野球大会(以下「本件野球大会」という。)に参加するために行われた旅費の支出は違法であると主張して、地方自治法(平一四年法四号による改正前のも...
《解 説》
1 X1は,平成3年3月30日の初診以来,Yの開設する産婦人科医院において,妊娠経過の診療を受けていたが,同年10月19日,陣痛が始まったため,同医院に入院した。
そして,同日,帝王切開により女児を娩出したが,女児が低酸素症性脳性麻痺等の後遺障害のため,植物人間状態に陥り,重...