《解 説》
一 Xは、Yに対して和解調書による五六億円余の債権を有しているので、右和解調書正本に基づき、A会社名義の三億円の預金債権について債権差押命令を申し立て、A会社名義の預金は実質上Yに帰属するものであると主張した。
しかし、一審は、債務名義の執行力が及ぶ範囲は、外形上債務者の責任...
《解 説》
一 Xは、Yに対し、平成一一年改正前の県情報公開条例に基づいて平成六年度の県監査委員事務局の旅費及び食料費に関する文書並びに出勤簿の開示を請求したところ、Yはその一部を非開示とする決定をしたので、その取消しを求めて提訴した。
二 原審は、いくつかの争点のうち、①県条例九条二号...
《解 説》
一 宗教団体・アレフ(旧オウム真理教)の信者であるX(被控訴人・一審原告)らは、平成一三年八月一五日、杉並区役所において、同区内の住所地を転入先とする転入届を提出しようとしたが、Y2(杉並区長・一審相被告)は、この転入届をいずれも受理しなかった(本件不受理処分)。
Xらは、本...
《解 説》
一 本件は、Y(被告)の製造・販売する製品は、それそのものとしては発明の構成要件のすべてを充足するものではなく、X(原告)の特許権を侵害する物ではないが、購入者によって使用されている間に、構成要件を充足するに至るから、Yの行為は、特許法一〇一条一号にいう「その物の生産にのみ使用...
《解 説》
一 Xは、一一階建てのテナントビルの管理者であるが、右ビルの区分所有者であるYが、平成三年から平成一二年までの間に右ビルの管理費等約一二〇〇万円の支払を怠っているため、Yに対し、滞納管理費等の支払のほか、管理費等の滞納が区分所有者の共同の利益に反する行為であるとして、建物の区分...
《解 説》
一 本件は、有限会社から株式会社に組織変更するに当たり、司法書士の補助者であるY1の説明に従って、実際に増資することなく、利益準備金を組み入れて資本金を増加させる方法をとったところ、実際に増資した場合に比べ多額の税金を徴収されることになったとして、X1会社及び同社の株主X2、X...
《解 説》
1 訴外Aは,平成7年5月,Y1の経営するB病院で胃の内視鏡検査を受けたところ,胃がんであることが判明したため,B病院に入院した。そして,Aは,同病院の医師Y2の執刀により,胃の摘出,脾臓,肝臓の切除術を受けたが,同年6月,術後急性肝不全のため死亡するに至った。
そこで,Aの...
《解 説》
一 本件は、既に不和となって対立する夫婦の一方であるX(夫)がその財産管理をその他方であるY1(妻)に任せる旨の書面を交付していた場合に、Xがその財産をY1に対して贈与したのか否かをめぐって争われ、Xが、当該財産につき、持分移転登記経由しているY1及びY2(両者間の次女)に対し...
《解 説》
一 本件は、Y2市立小学校に勤務する教諭のXが、平成一一年度夏季休業期間中の同年七月二八日午後及び同年八月四日午前を研修とし、同月二日を家族休暇と記入した「夏季休業中職員動向表」を学校長のY1に提出して、研修及び家族休暇の取得を申請したが、Y1において、研修については、半日研修...
《解 説》
一 Xは、Yの組織するコンビニエンスストアのフランチャイズチェーンの加盟店主として、コンビニエンスストアの経営を行っていたが、フランチャイズ契約(本件契約)を締結するに当たってYから示された売上予測に実際の売上が及ばない状態が続いていたところ、Xの経営する店舗(本件店舗)内に、...
《解 説》
本件は、顧客(宗教法人二寺)Aとの間でワラント取引を行っていた証券会社Xが、その職員(証券外務員)として同取引を担当していたYに対し、取引の開始又は継続に当たりYが顧客に対して行った勧誘又は対応に説明義務違反、補足説明義務違反等の義務違反(違法)行為があり、YがXに対して負う雇...
《解 説》
一 Yは、単独で、又は同郷の後輩Aと共謀して、勤務先のガソリンスタンドにおいて、顧客が代金を支払うために提示したX発行のクレジットカードの磁気情報を、顧客に無断で、ハンディスキマーと称する磁気読取り装置を使用して読み取り、この磁気情報を第三者に有償で売却した。第三者又はこれと意...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
Xは、大腸がんの手術を受けた平成四年以降、ストーマ(大腸を切って外に出した部分)を造設し、そこから排出される便を貯留したパウチを適宜交換して便を捨てるという人工肛門を使用している者であるが、平成九年一二月から満期出所した平成一二年七月...
《解 説》
一 本件は、被告人がジュネーブ条約に基づいて発給される正規の国際運転免許証に酷似した国際運転免許証様の文書を偽造した(依頼者から代金等を受け取って、同文書を作成し、販売した。)という事案である。
二 控訴趣意は、被告人は、本件文書の作成名義人となっているINTERNATION...
《解 説》
一 被告は、本件商標「天一/Tenichi」(横書き、二段)の商標権者である。本件商標は、商標法の一部を改正する法律(平成三年法律第六五号)附則(改正法附則)五条一項による使用に基づく特例の適用を主張して登録出願(特例商標登録出願)がされ、同条三項により、その商標及び指定役務に...
《解 説》
一 本件は、スイス法人Xが、Y(国、所管は大蔵省印刷局)に対して紙幣印刷機等を販売するに当たって、秘密技術情報の提供、開示をしたと主張して、当該技術情報の開示の差止め、秘密保持義務の確認及び損害賠償を求めた事案であり、本判決は、東京地判平12・4・26本誌一〇三四号二四四頁、判...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,いわゆる横田基地騒音公害第5,6,7次訴訟の第1審判決である。
横田飛行場は,東京都福生市,立川市,武蔵村山市,昭島市,羽村市及び西多摩郡瑞穂町に及ぶ地域に所在し,その総面積は約713万6000平方メートルである。現在,同飛行場は,国(Y)からアメリ...