《解 説》
一 本件は、信用組合が作成した貸出稟議書が平成一三年法律第九六号による改正前の民訴法二二〇条四号ハ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たるかどうかが問題となった事案である。
二 本件の基本事件は、木津信用組合の経営の破綻により、木津信からその営業の全部を譲り...
《解 説》
一 本件は、Yが、Xに対し、実用新案権の登録料、特許権の特許料(以下「登録料等」という。)納付につき、不納付を理由として却下処分(原処分)をし、さらにXのした異議申立てについて、異議申立期間の徒過を理由として却下決定(裁決)をしたところ、XがYに対して、裁決固有の瑕疵があること...
《解 説》
一 本件は、横浜市内に居住する一八歳の少年である申立人が、福島県郡山市内において、他の少年二名と共謀の上、被害者に対して暴行を加えて死亡させたという傷害致死事件である。福島地検郡山支部検察官が、申立人を勾留した上捜査を遂げ、福島家裁郡山支部に送致し、同支部は、福島少年鑑別所を指...
《解 説》
1 本件の概要
本件は,公訴提起が違法,無効であることを理由に公訴棄却判決(刑訴法338条4号)を受けた元被告人(本件請求人C)及び検察官の公訴取消し(刑訴法257条)によりそれぞれ公訴棄却決定(同法339条1項3号)を受けた元被告人ら(本件請求人A,B,D)が,もし公訴棄却の裁...
《解 説》
一 本件は、名古屋市中区への転居届を不受理とされた原告が、名古屋市中区長に対し、右不受理処分の取消しを求めるとともに、同処分により精神的苦痛を受けたとして、名古屋市に対し、国家賠償法に基づき、一〇〇万円の慰謝料の支払いを請求した事案である。
二 被告らは、原告がアレフ(旧オウ...
《解 説》
一 Y1は、かつてその工場から排出され、東京都江東区内に埋め立てられている六価クロム鉱さいの処理につき、昭和五四年に東京都との間で協定を締結し、埋め立てられている鉱さいを掘削除去し、Y1の工場跡地に搬入して処理してきたが、処理容量が限界に達したため、平成五年には、東京都の環境保...
《解 説》
一 本件は、家畜改良増殖法に規定される家畜人工授精師免許を有する原告が、被告兵庫県の開設する家畜人工授精所に県有黒毛和種(但馬牛)の人工授精用精液の購入申込みをしたのに対し、原告が兵庫県内の畜産農家ではないことを理由として被告がその売渡しを拒絶したため、原告が被告に対し、同法二...
《解 説》
第一 事案の概要
一 本件は、A1及びA2のBに対する仮執行宣言付判決に基づき預金債権の差押え及び転付命令が発せられ、同判決に対する控訴の提起に伴い担保を立てさせて強制執行の停止並びに上記差押え及び転付命令の取消しの裁判がされた後、担保提供者であるBが破産宣告を受けたところ、そ...
《解 説》
一 本件は、原告(名古屋市民オンブズマン)が被告(中部経済産業局長)に対し、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。)に基づき、行政文書の公開請求をしたところ、被告が同文書の一部を非開示とする旨の処分(以下「本件処分」という。)を行ったことに対し、原...
《解 説》
一 本判決は、オウム真理教(以下「教団」という。)によるいわゆる坂本弁護士一家等殺害事件についてその実行犯である教団の元幹部に対する死刑判決を維持した控訴審判決であり、教団が行った一連の凶悪事件について死刑が言い渡された事例についての最初の控訴審の判断である。
本件は、教団批...
《解 説》
一 本件は、徳島県(以下「県」という。)の住民であるXが、平成一三年に全部改正される前の旧徳島県情報公開条例(以下「本件条例」という。)に基づいて、Y(知事)に対し、県議会議員及び職員に関する平成七年八月一日から一年分の食糧費及び議長交際費に係る支出関係書類、旅費に係る書類の公...
《解 説》
一 Xは、昭和五〇年ころから、右肩甲部、肩、上腕部外側にかけて広範囲の有毛性の褐色母斑(ベッカー母斑)が発生したため、昭和五九年六月から、Yの開設するA病院に通院し、母斑の除去のため、レーザー光線と電気凝固の処置を受け、また、元成元年九月と同年一一月に、右上腕部につき、ティッシ...
《解 説》
1 訴外Aは,平成4年11月,乳癌に罹患していることが判明したため,Yの開設する病院において,乳癌の摘出手術を受け,平成5年1月,軽快退院した。そして,その後,Aは,定期的に通院するなどして,抗癌剤の投与等を受けたほか,理学的検査,腫瘍マーカー,血液検査,生化学検査,骨シンチ検...
《解 説》
一 本件は、Cの両親であるX1及びX2が、Y1(町)及びY2(県)に対し、CがY1町立中学校在学時に同級生らによるいじめを苦にして自殺をしたのは、右いじめを漫然と放置した右中学校の教師らの責任であり、また、右教師ら及びY1町教育委員会は、Cの自殺後、Xらに対して右いじめに関する...
《解 説》
一 事案の概要
1 本判決は、福岡県と熊本県にまたがる三井三池炭鉱で就労したことによりじん肺に罹患したと主張するXら(元従業員一四九名の本人またはその相続人)が、同炭鉱を経営していた被告企業Y1およびY2に対し、安全配慮義務の不履行を理由として、慰謝料(元従業員一名あたり三〇...