《解 説》
本件は、平成一〇年三月二九日に施行された東京都第四区の衆議院小選挙区選出議員の補欠選挙(以下「本件選挙」という。)について、本件選挙の候補者又は選挙人であった原告らが、東京都選挙管理委員会を被告として、公職選挙法の小選挙区選挙における選挙運動に関する規定が、候補者届出政党に所属...
《解 説》
一 原告は、刑事被告人として未決勾留により東京拘置所に拘禁されている者である。同拘置所では、監獄法三一条一項、二項、同法施行規則八六条一項、二項等の法令の規定に基づき、被収容者が房内において所持し得る私有の図書(「私本」)の冊数について、原則として三冊以内、辞書、経典、学習用図...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、宗教法人である被告法の華三法行(以下、「法の華」という。)の主催する研修等に参加し、また、修行用に必要であるとして物品を購入するために高額な金員の出捐をした原告らが、法の華の教祖兼代表役員であった被告北田一郎こと北田二郎(以下、「被告北田」という。)を...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。Xは、昭和五七年八月から約二年間、厚生省薬務局生物製剤課長の職にあり、その後、東大医学部教授を勤め、平成一〇年、東大を定年退官した医師である。Xが生物製剤課長の職に従事していた際に後天性免疫不全症候群(以下「エイズ」という)の問題が発生し、...
《解 説》
一 本件は、中国人である被告人が、旅券不携帯事件(出入国管理及び難民認定法違反。以下「甲事件」という。)により現行犯逮捕され、その勾留延長期間満了日に処分保留のまま釈放されると同時に、偽造有印公文書行使事件(以下「乙事件」という。)で再逮捕されて勾留され、その起訴から二一日目に...
《解 説》
一 本件は、墓石販売業者であるXの従業員であったY2らが、Xの保有管理する顧客名簿等の営業資料を社外に持ち出し、自ら設立した同種目的の会社であるY1で営業に使用したとして、XがY1らに対し、不正競争防止法、民法四一五条及び七〇九条に基づき、損害賠償を求めた事案である。Xが保護の...
《解 説》
一 Aは、自動車を運転中に他車に衝突され、頸椎捻挫、腰部捻挫等の傷害を負ったが、その後外傷性てんかんの症状が現れ、抗てんかん剤の投与を受けていたところ、事故から四年後の本件訴訟係属中にてんかん重積により死亡した。本件は、右事故に関する損害賠償請求事件である。本件における争点は多...
《解 説》
一 訴外A信用組合は、昭和六〇年一〇月、Y1との間で、Y1所有の本件土地につき根抵当権の設定契約を締結し、その旨の登記を経由したうえ、信用組合取引等を行っていたが、Xは、平成八年三月、Aから、AのY1に対する貸付金債権等の譲渡を受け、本件根抵当権移転の付記登記を経由した。
そ...
《解 説》
一 Xは脚本家であり、Yは映画プロデューサーである。Yは、劇場用映画の製作を企画し、Xに対し、脚本の作成を依頼した。Xは脚本第一稿を書き上げ、Yとの間で脚本料を三五〇万円と合意し、脚本(検討用)を渡したが、三五万円しか支払わない。そこで、Xは、Yに対し、請負契約(脚本家契約)に...
《解 説》
一 本判決は、遺族厚生年金の逸失利益性を否定した最三小判平12・11・14(平成一一年(受)第二五七号・本号二二〇頁掲載。民集登載予定)と同日、第三小法廷が言い渡した判決であり、不法行為によって死亡した者のいわゆる軍人恩給としての扶助料につき逸失利益性を否定した判決である。
...
《解 説》
一 事案の概要
本件は交通事故によって死亡した亡Aの相続人Xらが、加害者Y1及びY1が自動車損害賠償責任共済に加入していたY2(農協)に対して、損害賠償等の支払を請求をする事件である。
Aの夫Bは厚生年金保険の被保険者であったが、市会議員もしていたことから、Bの死亡後、Aは...
《解 説》
一 Xは、甲不動産について根抵当権を有しており、同担保権に基づいて不動産競売手続を申し立てた。同手続において期間入札による売却及び代金納付がなされたので、執行裁判所は、極度額一億円、被担保債権額一億円以上のXの第一順位の根抵当権に対して三七〇〇万円、同じく極度額一億円、被担保債...
《解 説》
一 本件は、被告が販売した和牛の精液を使用して産出された雌子牛を購入した原告らが、右和牛(購入した雌子牛の父牛)の血統が異なることを知りながら、漫然と精液を販売し続けていたことは原告らに対する不法行為を構成するとして、被告に対し損害賠償を請求した事案である。
二 本件の争点は...
《解 説》
一 少額の委託証拠金によって多額の取引を行うことができるため、投資金額との対比で多額の利益が得られる可能性がある一方で、預託した証拠金に比べて多額の損失を被る危険性もあるという極めて投機性の高い取引である商品先物取引については、この取引によって損害を被った顧客から、取引の勧誘等...
《解 説》
一 児童扶養手当法(以下「法」という)一条は、「父と生計を同じくしていない児童…について児童扶養手当(以下「手当」という)を支給する」と定め、これを受けて法四条一項一号ないし四号は、手当を支給すべき対象を「父母が婚姻を解消した児童」(一号)等、具体的に定め、さらに、同項五号は、...
《解 説》
一 原告は、東京都渋谷区内に土地を有する者であるが、東京都知事が決定した右土地の平成六年度の固定資産課税台帳の登録価格が、平成五年度の登録価格に較べて約一一倍となったため、右の平成六年度の登録価格を不服として、被告である東京都固定資産評価審査委員会に審査の申出をしたのに対し、被...