《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
Y1及びY2は、いずれも日本国有鉄道(国鉄)職員であり、また全国鉄動力車労働組合(全動労)の組合員であったところ、昭和六二年四月一日に実施されたいわゆる国鉄改革に当たって、北海道内で勤務できる北海道旅客鉄道株式会社(JR北海道)ないし...
《解 説》
一 本判決は、パチンコ遊技台を電子計算機にあたるとして、電子計算機損壊等業務妨害罪(刑法二三四条の二)の成立を認めた第一審判決に対し、パチンコ遊技台の電子計算機部分は、個々のパチンコ遊技台の機能を向上させる部品の役割を果たしているにすぎず、刑法二三四条の二にいう「業務に使用する...
《解 説》
一 原告両名は、会社代表者個人と会社であるが、個人は、別紙商標公報記載のとおり「HAPPY WEDDING」、「just married」なる文字を用いた商標につき商標権(以下「本件商標権」という。)を有し、会社がその個人から許諾を受けてこれらと同一又は類似の標章を付した酒類を...
《解 説》
一 本件は、Yの経営するB病院で診療中に死亡したAの相続人であるXらが、Yに対し、主位的に死亡による損害賠償を請求し、予備的に救急病院として期待される適切な救急医療を怠って「期待権」を侵害したことについて損害賠償を請求した事案である。
二 Aは、自宅において狭心症発作に見舞わ...
《解 説》
一 事案の概要
原告ら二名は、被告の従業員であったが、懲戒解雇された。原告らは、右懲戒解雇が原告らの被告に対する不正疑惑追及活動を抑圧するためになされたものであり、懲戒権の濫用であるとして、被告に対し解雇無効の確認及び賃金の支払いを求めて提訴した。被告は、右懲戒解雇の理由とし...
《解 説》
一 本件は、負債の任意整理を受任した弁護士Xが、債権者Y(貸金業者)の従業員による自己の依頼者への暴力的な直接取立行為によって、自己が弁護士として有する、依頼者が直接取立てから解放されるよう努力すべき職務の遂行を妨害されない利益を侵害されたとして、Yに対し、使用者責任に基づく損...
《解 説》
一 本件は、平成七年七月一四日の午前八時三〇分ころ、徳島県海部郡海部町沖を航行中のプレジャーボートが火災のため沈没した事故について、Y保険会社との間で右の船舶について損害保険契約を締結していたX(本件船舶を所有している会社)が保険金の支払を請求したのに対して、Y保険会社の側では...
《解 説》
一 本件は、東京都による水道メーターの発注のための指名競争入札等に関して水道メーター販売会社二五社の営業実務責任者らの行ったいわゆる談合の合意が、独占禁止法二条六項、三条の不当な取引制限に当たるかどうかが争われた事案である。
弁護人は、当初から、本件合意が、中小企業の保護のた...
《解 説》
一 Xは、Y会社経営のガソリンスタンドの近くに事務所を構える暴力団の幹部であり、このガソリンスタンドをしばしば給油、洗車等で利用していた。Xの組員であるAはX所有のメルセデスベンツを本件スタンド内に鍵をつけたまま置き、「何もしなくていいから、置いといてくれ」と告げて立ち去った。...
《解 説》
一 X(夫、昭和七年生)Y(妻、昭和一二年生)は、昭和三三年に婚姻し、二人の子をもうけた(いずれも成人)が、不仲となり、Xの定年退職後は別居していた。そうした中で、Xが、Yに対し、Yの浪費は目に余るものであった等として離婚請求及び慰謝料請求(一〇〇〇万円)をしたところ、Yも、X...
《解 説》
一 Xは、平成九年一月一四日、Yとの間において、Xを保険者、Yを被保険者として、Y所有の居宅等を目的物として、火災保険契約を締結した。
平成九年一〇月三一日深夜、右居宅において火災が発生し、右居宅と家財等が焼失したが、Xは、本件火災は、YあるいはYの意を受けた者による放火によ...
《解 説》
一 本件は、昭和五二年から昭和五六年四月までの間に五回の狭心症発作を起こして通院治療中の港湾荷役作業従事者であったA(四五歳)が、昭和五七年七月三一日勤務終了後帰宅するや倒れ、心筋梗塞で死亡した事案について、Aの死亡が業務に起因するかどうかが争われたものである。
Aは昭和四四...
《解 説》
一 本件の事案の概要は、次のとおりである。
X1は、損害保険会社であるYとの間で、X1所有の建物五棟(以下「本件建物」という。)を目的として三個の火災保険契約を締結し、X2は、Yとの間で本件建物内の商品につき五個の店舗総合保険、営業利益保険を締結した。Aは、X1とX2の実質的...
《解 説》
一 本件は、火災により建物等に損害が発生したとして、原告が、被告に対し、被告との間の右建物等を目的とする火災保険契約に基づく保険金請求をしたところ、被告が、本件火災は原告又はその意を受けた者の故意により招致されたなどとして、免責を主張した事案である。
二 本判決は、①原告の財...
《解 説》
一 XはY従業員Aとの間でカーナビゲイションシステム(以下「カーナビ」という)三〇台を一四〇〇万円余りで売買し、代金全額を支払ったが、二台の一部しか納入されなかったので、契約を解除した。Xは、このように主張して、Yに対して、①不当利得に基づく代金返還請求、又は②Aが売買を装って...
《解 説》
一 Xは、不動産販売業を営むY1会社から新築建売住宅(本件土地建物)を購入した者であり、Y2は、Y1会社の代表取締役であると共に本件建物の建築主である。Y3は、本件建物の施工者(請負人)であり、Y4は、二級建築士であって、本件建物の建築確認申請書に工事監理者として記載されていた...
《解 説》
一 Xは夫を亡くし未成年の子供を抱えて情緒不安定に陥っていた未亡人である。Y1(運勢鑑定家と称する女性)は、気学、方位学等の知識を悪用してXに近づき、二穣会なる会に入会させた上、虚偽の事実を述べたて、現金に祈祷等を行うことによって運勢をよくするという「念金浄化」を勧め、その名目...
《解 説》
一 本件は、強盗殺人被告事件(いわゆる東電OL殺人事件)について第一審で無罪とされた不法残留中のネパール人被告人が、控訴審裁判所によって再び勾留されたため、これに対して異議申立てをしたが棄却され、これに対する特別抗告も棄却された後、今度は、勾留取消し請求を行い、右請求却下決定に...