《解 説》
一 本件は、無期懲役刑を科した(あるいはその旨の第一審判決を維持した)控訴審判決に対して検察官が量刑不当等を理由として上告した一連の事件のうちの一件である。被告人は、同棲していた女性Aと共謀の上、Aの両親を殺害して金品を強取したなどという強盗殺人、死体遺棄、有印私文書偽造、同行...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、後に確定死刑囚となる刑事被告人らの支援者らが同被告人らに対してなした寄書入りTシャツの差入れを受け付けなかったこと、同支援者らがゼッケン等を携帯した状態で同被告人らと接見することを許さなかったこと、同支援者らが同被告人らに送付した手紙等の一部を削除する...
《解 説》
本件は、被控訴人が従事していたタイヤ販売会社における業務等に起因して、右上肢ジストニア(以下「本件疾病」という。)に罹患し、右疾病が悪化したとして、控訴人の被控訴人に対する労災保険法に基づく療養補償給付を支給しない旨の処分(以下「本件処分」という。)の取消しを求めた抗告訴訟であ...
《解 説》
一 訴外Aは、平成四年七月、建物所有の目的で、Yと訴外Bに賃貸していた本件土地を、一坪当たりの単価を五二万円、面積三三九・八一平方メートル、代金五三四五万八〇〇〇円として、YとBに売り渡し、それぞれ持分二分の一の所有権移転登記を経由した。
ところが、平成五年四月、本件土地売買...
《解 説》
一 訴外Aは、高校卒業後、自動車会社に勤務していたが、平成五年五月、左肩背部に腫瘤が発症したため、Yの経営する診療所において切除手術を受けた。
しかし、平成六年になって、Aの身体の同じ場所に腫瘤が再発し、それが大きくなって腫瘍と診断されたため、平成六年六月、大学付属病院で腫瘍...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。Y1はクリーニング業を営む会社であるが、同社のクリーニング工場の汚水槽(以下「本件汚水槽」という)の清掃業務(以下「本件清掃業務」という)をY2に発注した。Y2は、本件清掃業務をA社に下請けに出した。A社の従業員であったBは、本件汚水槽の清...
《解 説》
一 東京都町田市では、下水道施設に関する工事を日本下水道事業団に委託して行わせていたが、この事業団の各地方自治体からの下水道施設に関する受託工事に関して、事業団の指導の下に九社の業者が共同して受註予定者をあらかじめ決定しておき、この受註予定者が工事の発注を受けられるようにするた...
《解 説》
一 問題の所在
従来、交通事故により後遺障害を負った被害者が、症状固定後に、交通事故と相当因果関係のない原因(病気、天災、第二の交通事故等)により死亡した場合に、当該交通事故の加害者が負担すべき後遺障害による逸失利益の範囲は、死亡時までに限定されるのか(切断説)、死亡後の期間...
《解 説》
一 本件事案の概要は、以下のとおりである。①X(妻・請求者)とY(夫・拘束者)は、平成七年八月に婚姻し、平成八年二月に長男A(被拘束者)が生まれたが、その後夫婦間に不和が生じ、Xは、Aを連れて別居した。②Yは、XがAと会うことを拒むようになったことから、平成一〇年八月、Aを連れ...
《解 説》
一 本件は、医療過誤訴訟について、Yから民訴法一七条による移送が申立てられた事件である。
基本事件は、左大腿骨人工骨頭置換術の後に死亡したAの遺族であるXらが、A病院(新潟県十日町所在)の開設者であるY(新潟県)に対して、手術担当医師らに過失があったと主張して、損害賠償を求め...
《解 説》
本件は、死者との交流のない相続人(子)が、死者の母の世話等のため、死者の預金を払い戻した死者の姉妹に対して預金の着服等の不法行為があるとして、損害賠償を請求する事案である。一審では、死者の預金は、同人の単独所有ではなく、母親などとの共有であるとか、死者から母親などへ贈与されたと...
《解 説》
本件は、電路支持材の形態につき、不正競争防止法二条一項一号の商品等表示該当性、周知性等が争われた事案である。
Xは、電路支持材であるパイラックを昭和30年代から製造販売し、昭和50年代には、同種電路支持材につき全国で90%近いシェアを占めていたところ、Yが、電路支持材の製造販...
《解 説》
一 Yは、東京都港区六本木所在の本件土地建物を所有しているものであるが、平成元年一二月、資産管理運用事業を目的とする訴外A会社との間で、Aに対して本件建物を転貸の承認をしたうえ賃貸する旨の賃貸借契約(「本件原賃貸借契約」という。)を締結した。
Xは、レストランの経営等を目的と...
《解 説》
一 本件は、両親を殺害して金品を強取するなどした強盗殺人、死体遺棄、有印私文書偽造、同行使、詐欺被告事件について、一審、控訴審で無期懲役の量刑判断が示されたのに対して、それを不服とした検察官が上告し、上告審の判断が示されたものである。
本件は次のとおりの事案である。すなわち、...
《解 説》
一 事案の概要
本件の事案の概要は、右判示事項との関係で要約すれば、以下のとおりである。
学校法人Y1は、私立大学である本件大学を設立してその経営に当たっていたところ、Y2は、昭和六一年一二月から平成六年六月まで、Y3は、平成六年七月から現在まで、本件大学の学長及び理事であ...