《解 説》
T市は、平成五年度から七年度にかけて、郷土出身の作家Kの全集全二四巻を発行し、その制作委託費を支出した。T市の住民であるXは、同全集の内、第一七巻、第二〇巻、第二三巻及び第二四巻に収録されている作品の内容は、皇国史観、軍国主義、全体主義及びこれらに基づく行為を扇動するものであり...
《解 説》
一 本件は、Yとの間でYの経営する預託金会員制のゴルフクラブに入会する契約を締結したXらが、Yの債務不履行(ゴルフ場のオープン遅延、附帯施設であるホテル等の未整備等)を理由に入会契約を解除したとして、Yに保証金等の返還を求めた事件である。
二 事案の概要は、次のとおりである。...
《解 説》
一 本件は、医療用酸素濃縮機に係る意匠権(本件意匠権)を有する原告が、被告らが製造、販売及びリースしている酸素濃縮機(イ号物件)が、原告の右意匠権を侵害すると主張して、右物件の製造等の差止めを求めている事案である。
二 本件の争点は、イ号物件の意匠(イ号意匠)が本件意匠権に係...
《解 説》
一 本件は、公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律(以下「法」という。)七七四条二項に規定する除権判決に対する不服の訴えである。除権判決に対しては、上訴をすることができず(同条一項)、同条二項の各号の場合に限り不服を申し立てることができる。そのため、除権判決に対する不服の訴えは、...
《解 説》
一 本件は、買戻特約付売買の目的不動産に設定された抵当権に基づいて、買戻権の行使により買主が取得した買戻代金債権につき物上代位権を行使することができるかが問題となった事案である。
二 本件の事実関係及び訴訟経過の概要は、次のとおりである。
1 Aは、昭和六二年六月、Bに対し...
《解 説》
一 韓国籍を有する被告人は、韓国漁船の船長として、法定の除外事由がないのに、平成九年六月九日、島根県浜田市所在の馬島灯台から真方位三一七度約一八・九海里付近の本邦の海域において、あなごかご漁業を行ったとして、外国人漁業の規制に関する法律三条一号違反の罪で起訴された。
二 本件...
《解 説》
一(一)(1) 被告人は、常日頃からパソコンと向き合い、その幼児性癖(ロリータコンプレックス)を密かに楽しみ、それに関するCD商品を収集していた。
(2) 本件は、新聞配達員をしている被告人が、その配達範囲である某団地界隈の子供たちに対して、菓子を配ったり、ゲームの話をしたり...
《解 説》
一 AはY(生命保険会社)との間で、平成七年七月三日被保険者をY、保険金受取人をX、死亡保険金を三〇〇〇万円とする生命保険契約を締結した。その後、Aは、平成七年八月三日に死亡した。そこで、Xが、Yに対して、保険金請求をしたのが、本件訴訟である。
これに対して、Yは、告知義務違...
《解 説》
一 Xは、Yの経営する将棋クラブの常連客であったが、ある時に、Yが株式取引をして利益を上げていることを知り、利益の上がりそうな株を教えてもらい、その株の売買で利益が発生したときには、その一割をYに支払うという合意をした。その後、Xは、Yから株売買の指南を受けて株式取引を行ってき...
《解 説》
本件土地は、東京都港区の海岸近くにある。賃貸が開始されたのは昭和二二年以前、地上建物は、木造二階建てで築後四五年経過している。長く住居として利用されたが、賃借人夫婦が死亡した後、賃借人は使用せず、一時期その二階を事務所として貸していたことがあるが、平成六年からは空き家となってい...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。X(前訴原告・再審被告)は、平成八年六月、Y(前訴被告・再審原告)に対し、貸金の支払を求めて支払命令の申立てをした。裁判所は、支払命令を発付したが、これに対しては、異議申立てがされた。このため、支払命令は、通常訴訟に移行した(前訴事件)。裁...
《解 説》
一 本件は、被告人が、当時勤務していたA銀行が当事者となり、包括根保証契約の成否等が争われた民事訴訟において、証人として宣誓の上、「B社(主債務者)がA銀行からつなぎ融資を受けるに当たり、銀行担当者として、B社代表者の実父C(保証人)が保証約定書に署名押印するに際し、Cに対し、...
《解 説》
一 X1は、生花、植木、園芸資材等の売買等を業とする会社であるが、Y(NHK)を被告として、「Yがその記者らを使って、X1の社屋前の道路上からビデオカメラでX1の社屋の内外部を撮影して、X1及びX1の代表取締役X2、X3らのプライバシーを侵害した」として、慰謝料としての損害賠償...
《解 説》
一 本件は、土地についての一定の利用権を有する者が大量の廃棄物を堆積させ、容易に原状回復をすることができないようにした行為が、土地所有者の占有を侵奪したものとして、不動産侵奪罪の成否が争われた事案である。本件土地の所有者であるA社は、資金繰りに窮した結果、振り出した小切手が不渡...
《解 説》
一 本件は、土木建築工事業者であるYから、ピアノ及びチェンバロの演奏練習場用などに使用する目的で、分譲マンションの一階にある本件建物を購入するとともに、同社との間で本件建物のうち、洋室二部屋部分について防音工事契約を締結したXらが、Yの施工した防音工事が契約に定められた防音水準...
《解 説》
一 本件当時の雇用保険法八五条柱書は、「被保険者、受給資格者等又は未支給の失業等給付の支給を請求する者その他の関係者が次の各号のいずれかに該当するときは、六箇月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。」と規定し(その後、平成一〇年法律第一九号により、「教育訓練給付対象者」が追...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
北海道内において食品製造業等を営むX会社が、平成五年一月、取締役Aに対し、退職金三億円を支給し、全額について損金として算入して確定申告したところ、課税庁Yは、Xと類似すると判断した四法人を抽出して平均功績倍率法(当該法人と類似する法人...