《解 説》
一 本件は、Xが、Yに在職中、女性であることを理由に昇給における差別を受けたとして、不法行為もしくは労働契約の債務不履行に基づき、同期入社、同職種の男性従業員との賃金差額相当の損害金及び慰藉料等の各支払を求めた事案である。
Xは、昭和四〇年、薬科大学を卒業して、製薬会社である...
《解 説》
一 Xらは、平成二年三月、A(リゾート事業の開発プロジェクト等を目的とする株式会社)との間で、那須黒磯総合リゾート開発計画の賛同金預託契約を締結して、将来リゾートの会員権代金に充当予定される賛同金各五五〇万円を預託した。しかし、リゾート開発は進行せず、Aは平成四年一二月Xらに預...
《解 説》
一 本件は、預託金会員制ゴルフ会員権を取得したXが、ゴルフクラブを経営するYに対し、ゴルフクラブ会員契約に基づき、預託金の据置期間満了を理由として預託金の返還を請求した訴訟である。Yは、クラブ会則に基づき預託金の据置期間を一〇年間延長することを決議した旨主張し、延長決議は、クラ...
《解 説》
一 本件はいわゆるロス疑惑の保険金支払を巡る訴訟であるが、事案の概要は以下のとおりである。
生命保険会社であるXらはYとの間で被保険者をYの妻である訴外Aとする生命保険契約をそれぞれ締結していたが、Aが何者かに銃撃されて保険契約約款にいう廃疾状態となったため、Yの請求に応じて...
《解 説》
一 本件は、一審被告の従業員としてコンピューターソフトウェア開発業務に従事していた亡Aの相続人である一審原告らが、一審被告に対し、Aが、平成二年五月二〇日、脳幹部出血により死亡したのは、一審被告において過重な業務に従事したことが原因の過労死であり、一審被告には安全配慮義務を尽く...
《解 説》
一 本件は、三台の自動車の関係する交通事故に関する民事訴訟である。本件事故現場は東西に通じる道路と南北に通じる道路とが交差する十字型交差点であり、本件事故当時交差点に設置された信号機は、東西方向が黄色点滅、南北方向が赤色点滅であった。南北道路を北進していた甲車は、右の交差点内で...
《解 説》
一 本件は、本件土地(公道予定地に接する間口約六メートル、奥行約二八メートル、地積約二五四平方メートルの鍵型不整形地)について一〇分の三の共有持分を有していたXが、合計一〇分の七の共有持分を有していたY1ないしY9に対し、いわゆる全面的価格賠償の方法による共有物分割請求をした事...
《解 説》
一 X1は、平成五年三月、Yの開設する「福岡市民病院」において、X2を出産したが、X2につき低酸素脳症の後遺症として精神遅滞、四肢痳痺等の障害が残ったため、X2と夫X3とともに、医師に分娩誘発についての説明義務違反があったこと、分娩誘発剤の過量投与等誘発方法に誤りがあったこと、...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和五一年ころから喘息様発作があったが、その後も発熱があったため、近くの病院で診察を受けたところ、気管狭窄が認められたため、国立療養所近畿中央病院を紹介され、同病院で診断・治療を受けることになった。
そこで、Aは、平成三年二月四日、同病院に入院し、精密検査を受け...
《解 説》
一 訴外A男は、平成七年二月当時立教大学三年に在籍していた者であるが、同月二日、高熱・吐き気・頭痛を訴え、救急車でYの経営する「桜ヶ丘中央病院」に救急車で搬送され、意識障害の症状が認められ、そのまま入院した。その後、同病院において、四度にわたり腰椎穿刺による髄液検査を実施したと...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、建築確認処分の取消訴訟の提起に伴う執行停止申立事件であって、申立人は建築確認処分の対象となった建物の敷地の隣接地に建物を建築所有してこれに居住している者であり、右敷地が接道義務に違反しているので、建築確認処分は違法であると主張しているものである。
原...
《解 説》
一 本件は、Y株式会社の株主であるXらが、同社の株主であるAらにおいて少数株主権に基づき裁判所の許可を得て開催しようとした株主総会についていわゆる開催禁止の仮処分決定を得ていたのに、Aらにおいて当該仮処分に違反して株主総会を開催したことから、当該総会における決議の効力を争い、Y...
《解 説》
一 Xは、平成三年三月、Yから、普通特殊自家用自動車クラリオン二三RD(以下「本件自動車」という。)を買い受けたが、本件自動車を運転して、岐阜、栃木、長野等に鮎釣り等にでかけた際、ベーパーロックが発生し、その都度Yに修理を依頼したものの、完全な修理ができず制動機能に致命的な欠陥...
《解 説》
一 Xは、平成八年九月八日、普通乗用自動車を運転して、栃木県足利市内の道路上を走行中、訴外Aの運転する普通貨物自動車に追突され、頚椎捻挫、腰椎捻挫の傷害を負った。
Xは、平成四年から五年にかけて、Y(保険会社)との間で、五件の傷害保険契約を締結したところ、右傷害の治療のため、...
《解 説》
一 本件は、製本会社で断裁工として勤務していた被災者(死亡当時五三歳)が勤務時間中にくも膜下出血を発症して死亡した事案について、被災者の妻である原告が被告中央労働基準監督署長に対し、遺族補償給付及び葬祭料の支給を請求したが、同被告が被災者の死亡は業務に起因するものとは認められな...
《解 説》
本件は、第一審判決において、公務執行妨害罪、器物損壊罪で有罪とされた被告人に対する控訴審判決で、第一審判決が破棄され、無罪が言い渡された事例である。控訴審判決によると、事案はおおむね次のとおりである。整備不良の疑いがあるとして、パトカーに停止を求められたグロリア運転の犯人が、カ...