《解 説》
一 Xは、債務者Aの所有する本件土地につき抵当証券上の抵当権を有するので、平成九年一一月、東京地裁に右抵当権の実行のため不動産競売手続の申立てをしたところ、同裁判所は同月競売開始決定をした。
ところが、同裁判所は、平成一一年三月、Aとの間で本件土地上にビルを建築するための請負...
《解 説》
第一 事案の概要
本件は、原告が、千葉県庁総務部秘書課の平成八年一月一日から同年一二月三一日までの食料費(懇談会費)の支払に関する資料の公開請求をしたところ、被告千葉県知事が、千葉県公文書公開条例(本件条例)一一条二号(個人情報)、同三号(事業情報)、同八号(行政執行情報)に該...
《解 説》
一 Xは、昭和四七年以来、東京都渋谷区内で美容外科等を診療科目とする診療所を開設している医師である。Xは、開業時からYに入会していたが、Xの税金の申告に不正があったことが発覚した後の昭和六三年三月に自らYを退会していた。その後、Xは平成五年一二月に再びYに入会を申し込んだが、Y...
《解 説》
一 本件の事案の概要は、以下のとおりである。
Y会社は、平成三年ころ、所有する土地において建物を建築し、特定の賃借人に一括して賃貸するいわゆるサブリース事業を行おうと考え、サブリース事業の賃借人を一般に募集し、応募のあった幾つかの会社の中から良い賃貸条件を提示したX会社を賃借...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、①公道に接する土地を所有するXが、右土地との共有物分割により袋地となった土地を競売により取得したYに対し、X所有土地上の人が通行することのできる現在の通路部分について囲繞地通行権があることを認めつつ、その余の部分の通行権の存在しないことの確認を求め(本...
《解 説》
一 Xは、マンションの管理組合であり、Yは、マンションの分譲業者で、マンションの区分所有者でもある。マンションの管理規約では、Yは、駐車場の専用使用権を有し、Xに対し、専用使用権代金一〇〇〇万円を修繕積立金として納入する旨定めていた。そして、このような管理規約の定めがあることを...
《解 説》
一 原告は、会社内部の主導権争いに関連して、裁判所に帳簿閲覧仮処分の申請をするにつき、承諾のないまま、他の株主二七名の名義の訴訟委任状を偽造して行使したとの罪で起訴された。しかし、神戸地裁洲本支部は、原告に無罪を言い渡した。その理由は、原告は委任状を無断で作成したものであるが、...
《解 説》
一 事案の概要
和歌山市においては、同市の元職員から、道路整備等工事に関し、架空の作業員に対する賃金支払名下に公金が不正支出され、交際費等に充当されていた旨の内部告発がされた。原告は、これを受け、和歌山市公文書公開条例に基づき、右道路整備等工事の関係文書の公開を請求した。請求...
《解 説》
一 本件は、Xが、Yに在職中、女性であることを理由に昇給における差別を受けたとして、不法行為もしくは労働契約の債務不履行に基づき、同期入社、同職種の男性従業員との賃金差額相当の損害金及び慰藉料等の各支払を求めた事案である。
Xは、昭和四〇年、薬科大学を卒業して、製薬会社である...
《解 説》
一 Xらは、平成二年三月、A(リゾート事業の開発プロジェクト等を目的とする株式会社)との間で、那須黒磯総合リゾート開発計画の賛同金預託契約を締結して、将来リゾートの会員権代金に充当予定される賛同金各五五〇万円を預託した。しかし、リゾート開発は進行せず、Aは平成四年一二月Xらに預...
《解 説》
一 本件は、預託金会員制ゴルフ会員権を取得したXが、ゴルフクラブを経営するYに対し、ゴルフクラブ会員契約に基づき、預託金の据置期間満了を理由として預託金の返還を請求した訴訟である。Yは、クラブ会則に基づき預託金の据置期間を一〇年間延長することを決議した旨主張し、延長決議は、クラ...
《解 説》
一 本件はいわゆるロス疑惑の保険金支払を巡る訴訟であるが、事案の概要は以下のとおりである。
生命保険会社であるXらはYとの間で被保険者をYの妻である訴外Aとする生命保険契約をそれぞれ締結していたが、Aが何者かに銃撃されて保険契約約款にいう廃疾状態となったため、Yの請求に応じて...
《解 説》
一 本件は、一審被告の従業員としてコンピューターソフトウェア開発業務に従事していた亡Aの相続人である一審原告らが、一審被告に対し、Aが、平成二年五月二〇日、脳幹部出血により死亡したのは、一審被告において過重な業務に従事したことが原因の過労死であり、一審被告には安全配慮義務を尽く...
《解 説》
一 本件は、三台の自動車の関係する交通事故に関する民事訴訟である。本件事故現場は東西に通じる道路と南北に通じる道路とが交差する十字型交差点であり、本件事故当時交差点に設置された信号機は、東西方向が黄色点滅、南北方向が赤色点滅であった。南北道路を北進していた甲車は、右の交差点内で...
《解 説》
一 本件は、本件土地(公道予定地に接する間口約六メートル、奥行約二八メートル、地積約二五四平方メートルの鍵型不整形地)について一〇分の三の共有持分を有していたXが、合計一〇分の七の共有持分を有していたY1ないしY9に対し、いわゆる全面的価格賠償の方法による共有物分割請求をした事...
《解 説》
一 X1は、平成五年三月、Yの開設する「福岡市民病院」において、X2を出産したが、X2につき低酸素脳症の後遺症として精神遅滞、四肢痳痺等の障害が残ったため、X2と夫X3とともに、医師に分娩誘発についての説明義務違反があったこと、分娩誘発剤の過量投与等誘発方法に誤りがあったこと、...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和五一年ころから喘息様発作があったが、その後も発熱があったため、近くの病院で診察を受けたところ、気管狭窄が認められたため、国立療養所近畿中央病院を紹介され、同病院で診断・治療を受けることになった。
そこで、Aは、平成三年二月四日、同病院に入院し、精密検査を受け...
《解 説》
一 訴外A男は、平成七年二月当時立教大学三年に在籍していた者であるが、同月二日、高熱・吐き気・頭痛を訴え、救急車でYの経営する「桜ヶ丘中央病院」に救急車で搬送され、意識障害の症状が認められ、そのまま入院した。その後、同病院において、四度にわたり腰椎穿刺による髄液検査を実施したと...