《解 説》
一 ①、②両事件のいずれも、同一のパソコン通信会社Y(K県の第三セクター)を相手に、同社が会員のIDを抹消し、会員契約を解除したのは違法、無効であると主張して、会員の地位の確認及び不法行為による損害賠償を求めた事案である。①事件判決は、地位確認請求を認容し、慰藉料請求を棄却した...
《解 説》
一 Xは、昭和三六年一一月、訴外A男と婚姻し、昭和三七年四月、長男をもうけたが、Aは、職場の同僚であるYと知り合い、肉体関係を結ぶとともに、その後の昭和五四年四月、自宅を出てYと同棲し、昭和五七年二月には、子供ももうけている。
Xは、昭和六〇年、Aを相手方として、東京家裁に夫...
《解 説》
一 本件は、女性従業員Xが、勤務先のY1会社の男性上司Y2から懇親会の席上でキスをされたりスカートをめくられたりなどのわいせつ行為(セクハラ行為)をされたとして、Y1、Y2に対し、慰謝料等(二二〇万円)を請求すると共に、Y1に対し、Y1の責に帰すべき事由により出勤することができ...
《解 説》
本件は、本誌九三七号二一三頁に掲載された一審判決(東京地判平8・4・26)の控訴審判決である。事案は、陸軍歩兵連隊に所属して日中戦争に従軍し、南京攻略戦に参加したY1が自己の従軍日記『東日記』に基づくものとして執筆し、Y2が発行した「わが南京プラトーン」(書籍1)、Y3がY1の...
《解 説》
一 本件は、貸金業者である原告が、時効が完成した債権について、被告に対し、遅延損害金の請求は今日までに発生した分に制限する、被告に対して債権を有する同業他社には所在を黙っていてやるなどと言って、かつて厳しい取立てのために失職・家族離散の悲劇を経験した債務者の恐怖心を利用して、債...
《解 説》
一 静岡県浜松市所在の本件土地はYの所有であり、本件土地上には軽量鉄骨造スレート葦平屋建工場(従前建物)が建てられていたが、昭和五八年にXがYから従前建物を賃借する際、従前建物の外壁を取り払って屋根を葺き替え、土間の上にコンクリートを張り、従前建物の柱を二本ばかり残して軽量鉄骨...
《解 説》
一 本件は、貸金業者がいわゆる手形のジャンプに応じて資金を融通していたところ、事前に予約手形として数枚の手形を預かっておきながら右手形を顧客に無断で金融機関で割引していたのに、国がその規制、監督権限を行使しなかったことが違法であるとして、顧客が国に国家賠償請求した事案である。
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《解 説》
一 本件は、酒類を指定商品とする「ORGANIC」という商標(X商標)の商標権を有するXがYに対し、缶ビールの容器に「ORGANIC BEER HARVESTER」、「HARVESTER Organic Beer」なる文字を含む標章(Y標章)を付してビールを販売するなどのYの行...
《解 説》
一 本件は、原告が被告に対し、被告による磁気媒体リーダーの製造販売が原告の実用新案権の侵害に当たるとして、逸失利益相当の損害賠償を求めた事案である。
二 本判決は、実用新案登録請求の範囲の記載のうち、「上記磁気ヘッドが下降位置にあるときは上記磁気ヘッドの回動を規制……する回動...
《解 説》
一 本件は、運輸大臣がJR東日本に対して鉄道事業法二八条一項(平一一法四九号改正前。以下、鉄道事業法につき、一、二において同じ)に基づいてした信越線の横川駅から篠ノ井駅までの区間(以下「本件路線」という)に係る鉄道事業の一部廃止許可処分(以下「本件処分」という)について、本件路...
《解 説》
一 Xは、宮崎県及び鹿児島県において、コンビニエンスストアのフランチャイズチェーンの本部を運営する会社であるが、平成六年七月、有限会社A(以下「訴外会社」という。)と、ファミリーマートフランチャイズ契約(以下「本件契約」という。)を締結し、訴外会社は、コンビニエンスストアの経営...
《解 説》
一 訴外Aは、平成元年六月、Yの設置する病院において、乳ガンの手術を受け、また、同年八月、大腸ガンの手術を受け、同病院において術後の療養を受けていたが、肝不全、黄疸等が著名となり、同年九月、死亡した。
そこで、Aの遺族であるXらは、同病院の医師には、(一)抗ガン剤を投与するに...
《解 説》
一 本件は、日本道路公団の経理部担当理事として同公団の政府保証付き外貨道路債券の発行及び償還に関する事務等を掌理し、同債券発行に当たっての引受主幹事等の指名等の業務を統括していた被告人が、日本道路公団が発行する右債券の引受に関し、野村證券株式会社等民間金融機関七社から、その関連...
《解 説》
一 本件は、Xが高知県情報公開条例に基づき、「平成七年度高知県公立学校教員採用候補者選考審査・平成六年七月二五日実施・教職教養筆記試験(県立学校関係)大問2(教育心理)の問題及び解答」(基礎的、基本的な教職教養分野の択一式問題及びその解答のうちの一大問。以下「本件文書」という)...
《解 説》
一 本件は、自宅で八六歳の実父の頭部や頚部等をプラスチック製まな板で強打して外傷性ショック死させたとして、五三歳の女性を尊属傷害致死罪で起訴したところ、裁判所が、現時点で黙秘権の告知等が不可能であり訴訟能力がないとして公判手続を停止し(東京地八王子支決平2・5・29本誌七三七号...
《解 説》
一 事案の概要
Xは、Zを連帯保証人としてYに対して貸付けをしたとして、YZに対して、貸金債務及び連帯保証債務の履行を請求したところ、YZは商事消滅時効を援用した。
これに対し、Xは、Yの事務所に宛てて、右貸金債務の商事消滅時効期間の徒過直前に催告の通知をしたところ、右通知...