《解 説》
一 本件は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「法」という。)二条一項七号所定のぱちんこ屋の営業について、ぱちんこ屋の近隣住民であるXらが、Y(東京都公安委員長)が同法三条一項に基づいてした許可が違法であると主張して、その取消しを求めた事件である。本件の争点は...
請負工事に用いられた動産の売主が請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することの可否(積極)
《解 説》
一 事案の概要
YがXらの居住する町内において葬儀営業をしたところ、右営業に反対するXらが貼紙掲示、示威行動によって葬儀営業の妨害を行い、また、名誉を毀損したとして、YがXらに対し損害賠償及び営業妨害の禁止等を求めた(甲事件本訴)のに対し、XらはYの葬儀営業はXらの財産権、環...
《解 説》
一 Yは、昭和六三年一〇月から、訴外A会社との間で手形貸付取引を続けていたが、Xは平成六年八月、取引先であるA会社の代表者から委託されて、Yとの間で、A会社のYに対する債務を極度額四〇〇万円の限度で連帯保証する旨の契約をした。
A会社は、平成八年七月、手形不渡りを出して事実上...
《解 説》
一 本件は、福井県吉田郡松岡町の住民X1ないしX3が、地方自治法(以下「法」という。)二四二条の二第一項四号に基づき、町長Aによる町有地(以下「本件土地」という。)と道路予定地との交換契約(以下「本件交換契約」という)の締結が違法であるとして、土地を交換したBに対する本件土地の...
《解 説》
一 Aは、Y1が開設する病院において、総胆管癌を切除するため、右病院の勤務医であるY2の執刀により、膵頭十二指腸切除術(以下「本件手術」という。)を受けたところ、その後、膵臓と空腸との吻合部等で縫合不全が発生し、多臓器不全により死亡するに至ったため、Aの相続人であるXらが、Yら...
《解 説》
一 事案の概要
1 本件は、Zが第三者の精子を用いて人工授精を行い妊娠、出産した子Yに対し、Zの夫であるXが嫡出否認の訴えを提起したところ、Yが、XはZの人工授精前又は出産後にYを自己の嫡出子であると承認する旨の意思表示をしたので、民法七七六条により嫡出否認権を喪失したと主張...
《解 説》
一 本件は、建物所有目的で土地を賃貸していた賃貸人が、賃借人に対し、賃貸借契約は土地上に存在する建物の朽廃すべかりし時期の到来により終了したなどと主張して、建物収去土地明渡し等を求めた事案である。
二 旧借地法二条一項但書は、建物所有目的の土地賃貸借契約において、借地上の建物...
《解 説》
一 原告X1は液体食品用充填機におけるヒートシール装置に関する特許権を有し、原告X2はその専用実施権を有している。本件は、原告らが、被告によるヒートシール装置(被告製品)の製造販売が原告らの特許権等の侵害に当たるとして、被告に対し、被告製品の製造販売の差止め等とともに損害賠償を...
《解 説》
通行地役権と承役地所有権との対抗関係に関しては、最二小判平10・2・13民集五二巻一号六五頁、本誌九六九号一一九頁が、承役地の譲受人に対して通行地役権者が設定登記なくして同権利を対抗し得る場合を相当広く認めるべきことを判示していたが、本判決は、通行地役権者が承役地の譲受人に対し...
《解 説》
一 本件は、動産の買主がこれを用いて施工した請負工事の代金につき動産の売主が動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することの可否が争われた事件であり、先般の民訴法改正で新設された許可抗告の制度(民訴法三三七条)に基づいて、債権差押命令及び転付命令に対する抗告棄却決定をした高...
《解 説》
一 本件判決は、いわゆる資生堂東京販売事件の最高裁判決であり、本号九八頁に掲載された花王化粧品販売事件の最高裁判決と同日に、第三小法廷によって言い渡されたものである。
本件の事案は次のとおりである。本件の原告は化粧品の小売業者、被告は資生堂化粧品の卸売販売を行っている会社であ...
《解 説》
一 本判決は、いわゆる花王化粧品販売事件の最高裁判決であり、本号九四頁に掲載された資生堂東京販売事件とほぼ同一の論点について争われ、同判決と同日に、第三小法廷によって言い渡されたものである。
本件の事案は次のとおりである。本件の原告は化粧品の小売業者、被告は花王化粧品の卸売販...
《解 説》
一 本件は、加須市の住民であるXらが、Yが市長として市立中学校の建設のために違法な公金の支出をし市に損害を与えたとして、地方自治法二四二条の二第一項四号に基づき、市に代位して、Yに対し損害賠償を請求した住民訴訟である。Xらは、本訴の提起に先立ち、住民監査請求(第一回監査請求)を...
《解 説》
本件は、マンションの分譲会社である原告が管理組合である被告に対し、マンション内の管理事務室及び管理人室が専有部分であるとしてその所有権を有することの確認などを求めた事案である。
建物部分が専有部分として区分所有権の目的となるためには、当該建物部分が構造上の独立性と利用上の独立...