《解 説》
一 事案の概要
原告の従業員Aは、運転士から車両技術係に職名を変更され、年末手当や夏期手当を減額され、定期昇給においても減俸されたので、これらについて、被告に対し、不当労働行為の救済申立てをした。Aは、右事件について証人として被告の審問期日に数回にわたって出頭し、その都度原告...
《解 説》
Xは、動植物等のイラストを得意とするイラストレーターである。Xは、ティラノサウルスを中心に大きく配置し、その後方に飛翔する翼竜を小さく配置したイラスト画(本件著作物)を創作した。
Y1は、多数のイラストレーターから作品の登録を受けて、そのポジフィルムを預かり、管理及び貸出を業...
《解 説》
一 Yは、A所有の不動産を競落し、Aに対する不動産引渡命令を得て、本件建物について引渡執行に着手した。これに対して、X会社から第三者異議が出されたのが、本件訴訟である。Xが主張する異議事由は、XはAから本件建物を倉庫(その後、事務所兼社宅)として賃借していたというものであった。...
《解 説》
一 Yは、平成二年二月、Aが経営する「ゴルフ&カントリークラブグランマリヤ」のゴルフ会員権を購入するに当たり、Xに対し、代金の内金一一〇〇万円について保証を委託するとともに、XがYの保証人として右代金を代位弁済することを承認し、Xが代位弁済をしたときは、右代位弁済金及び分割払手...
《解 説》
一 本件は、警察官が大阪の繁華街において普通乗用自動車の運転者に職務質問を行おうとしたところ、運転者は前車を押しのけたうえ通行人を跳ねつつなお逃走したため、警察官が運転者に対して発砲して運転者を死亡させた場合に運転者の両親が府を相手に国家賠償請求した事案である。
二 本判決は...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下の通りである。被告人Aと暴力沙汰を伴う対立関係にあった被害者が、アパートの二階の被告人Aの留守宅に侵入し、帰宅した被告人Aに、催涙スプレーを吹きかけ、特殊警棒で殴打してきた。これに対し、被告人Aは被害者の攻撃を予期して購入していたナイフで応戦しながら階下...
《解 説》
一 本件は、強盗殺人、同未遂、現住建造物放火被告事件について昭和四五年に死刑が確定した申立人からの第五次再審請求に関する特別抗告事件である。確定判決が認定した犯罪事実は、要するに、申立人がWとともに以前の勤務先である電器店に押し入り、宿直員二名を殺害すべく瀕死の重傷を負わせ、金...
《解 説》
一 原告は、横浜市内で発生した火災で全焼した火元の家屋の近隣の類焼被害者の子であり、横浜市公文書の公開等に関する条例(以下「本件条例」という。)に基づき、市が自治省消防庁への報告のために作成した火災報告書の公開請求を行い、平成七年三月九日、本件条例九条一項一号に基づき一部を非公...
《解 説》
一 事案の概要については、原審判決を参照していないため、詳細は不明であるが、控訴人(原審原告)は、建物(以下「本件建物」という。)を新築したことを理由に、東京都中央都税事務所長から平成四年五月二七日付けで不動産取得税の賦課決定処分を受け、さらに、同年八月二〇日付けで不動産取得税...
《解 説》
事案の概要は次のとおりである。
訴外亡A(昭和三八年一〇月二日生、男性)は、昭和四五年の小学校入学ころから昭和五二年の中学校入学ころまで小児喘息で通院治療を受け、昭和五二年の中学校入学ころには喘息発作を起こさなくなっていた。しかし、昭和五七年ころに気管支喘息を再発して以来、年...
《解 説》
一 本件は、Y町議会が同町議会議員Xの定例会における発言等を理由にXを除名する旨の懲罰(以下「本件除名処分」という)をしたのに対しXが本件除名処分の取消しを求める訴えを提起し、その際に本件除名処分の効力を停止する決定(行政事件訴訟法二五条二項。以下「執行停止」という)を求め、原...
《解 説》
一 本件は、入れ墨をした被告人が、ラブホテルで予定時刻を過ぎてもチェックアウトせず、再三催促されても曖昧な態度をとって宿泊料金の精算をしないばかりか、一度に五缶の飲料水を注文してきたことから、不安となったホテル責任者が一一〇番通報をし、駆けつけた警察官が、被告人の拒絶を押し切っ...
《解 説》
一 本件は、建物が自己の所有であると主張するX(原告、控訴人)が、Y(被告、被控訴人)に対し、建物に設定されたY名義の抵当権設定登記等の抹消を求めた事案である。本件では、建物の登記名義は抵当権設定登記前にAに移っており、YはAから抵当権設定等を受けている。XからAへの建物登記名...
《解 説》
一 本件は、鹿児島県徳之島町の現職の町長が、町発注の公共工事の指名競争入札に際し、あらかじめ業者間の談合により落札予定業者と決まっていた特定の土木建設業者に、入札の最高限度額である入札書比較価格に近似する価格を漏洩し、公正な競争入札が行われた場合に比べて高い価格で落札させて不当...
《解 説》
本件は、家庭裁判所による遺産分割審判の確定後に、同審判における具体的相続分(民法九〇三条一項)の算定を不服とする相続人(原告・控訴人)が、自己の主張する具体的相続分につき、地方裁判所に民事訴訟(確認の訴え)を提起したという事案である。原判決は、大阪地判平2・5・28本誌七三一号...
《解 説》
一 本件は、「GEO」(X商標、正確には後掲の目録を参照)という商標の商標権を有するXがYに対し、Yの業務用テレビゲーム機に「NEO・GEO」等の標章(Y標章、正確には後掲の目録を参照)を付して販売する行為等がXの商標権の侵害行為に該当するとして、損害賠償を求めた事案である。X...