《解 説》
一 原告は、横浜市内で発生した火災で全焼した火元の家屋の近隣の類焼被害者の子であり、横浜市公文書の公開等に関する条例(以下「本件条例」という。)に基づき、市が自治省消防庁への報告のために作成した火災報告書の公開請求を行い、平成七年三月九日、本件条例九条一項一号に基づき一部を非公...
《解 説》
一 事案の概要については、原審判決を参照していないため、詳細は不明であるが、控訴人(原審原告)は、建物(以下「本件建物」という。)を新築したことを理由に、東京都中央都税事務所長から平成四年五月二七日付けで不動産取得税の賦課決定処分を受け、さらに、同年八月二〇日付けで不動産取得税...
《解 説》
事案の概要は次のとおりである。
訴外亡A(昭和三八年一〇月二日生、男性)は、昭和四五年の小学校入学ころから昭和五二年の中学校入学ころまで小児喘息で通院治療を受け、昭和五二年の中学校入学ころには喘息発作を起こさなくなっていた。しかし、昭和五七年ころに気管支喘息を再発して以来、年...
《解 説》
一 本件は、Y町議会が同町議会議員Xの定例会における発言等を理由にXを除名する旨の懲罰(以下「本件除名処分」という)をしたのに対しXが本件除名処分の取消しを求める訴えを提起し、その際に本件除名処分の効力を停止する決定(行政事件訴訟法二五条二項。以下「執行停止」という)を求め、原...
《解 説》
一 本件は、入れ墨をした被告人が、ラブホテルで予定時刻を過ぎてもチェックアウトせず、再三催促されても曖昧な態度をとって宿泊料金の精算をしないばかりか、一度に五缶の飲料水を注文してきたことから、不安となったホテル責任者が一一〇番通報をし、駆けつけた警察官が、被告人の拒絶を押し切っ...
《解 説》
一 本件は、建物が自己の所有であると主張するX(原告、控訴人)が、Y(被告、被控訴人)に対し、建物に設定されたY名義の抵当権設定登記等の抹消を求めた事案である。本件では、建物の登記名義は抵当権設定登記前にAに移っており、YはAから抵当権設定等を受けている。XからAへの建物登記名...
《解 説》
一 本件は、鹿児島県徳之島町の現職の町長が、町発注の公共工事の指名競争入札に際し、あらかじめ業者間の談合により落札予定業者と決まっていた特定の土木建設業者に、入札の最高限度額である入札書比較価格に近似する価格を漏洩し、公正な競争入札が行われた場合に比べて高い価格で落札させて不当...
《解 説》
本件は、家庭裁判所による遺産分割審判の確定後に、同審判における具体的相続分(民法九〇三条一項)の算定を不服とする相続人(原告・控訴人)が、自己の主張する具体的相続分につき、地方裁判所に民事訴訟(確認の訴え)を提起したという事案である。原判決は、大阪地判平2・5・28本誌七三一号...
《解 説》
一 本件は、「GEO」(X商標、正確には後掲の目録を参照)という商標の商標権を有するXがYに対し、Yの業務用テレビゲーム機に「NEO・GEO」等の標章(Y標章、正確には後掲の目録を参照)を付して販売する行為等がXの商標権の侵害行為に該当するとして、損害賠償を求めた事案である。X...
《解 説》
一 本件は、Y1を発行所、Y2を発行人とする被告書籍につき、Xらが、被告書籍の記述はX7~X10(X出版社ら)が発行した雑誌に掲載されたX1~X6(X個人ら)に関するインタビュー記事の著作権・著作者人格権を侵害すると主張して、被告書籍の出版の差止め、損害賠償等を求めた事案である...
1 建物の区分所有等に関する法律31条1項後段にいう「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきとき」の意義 2 区分所有者が専用使用権を有するマンション駐車場の使用料を増額する規約の設定、変更等が専用使用権者の権利に建物の区分所有等に関する法律31条1項後段にいう「特別の影響」を及ぼさない場合 3 区分所有者が専用使用権を有するマンション駐車場の使用料を増額する集会決議と建物の区分所有等に関する法律31条1項後段の類推適用 4 マンション駐車場の専用使用権を有する区分所有者が増額された使用料の支払に応じないことを理由としてされた駐車場使用契約の解除の効力が否定された事例
《解 説》
一 XとYとは、Xの販売する損害保険について本件代理店委託契約を締結し、YはXの代理店として委託業務を行っていた。本件は、Xが、本件代理店委託契約が解除されたとして、Yに対し、本件代理店契約に基づきXからYに交付されていた保険料領収証綴等の本件各物件の返還を求めるとともに、仮処...
《解 説》
一 訴外Aは、平成四年一〇月、原動機付自転車を運転して神奈川県海老名市内の道路を走行中、Yの運転する軽四輪貨物自動車に衝突され、右足関開放骨折、右下腿挫創等の傷害を負った。
そして、Aは、寒川病院において観血的整復固定術を受けたが、急性腎不全等が発症したので、東海大学大磯病院...
《解 説》
一 Xは外国人アーチストの招聘・興行の運営企画会社であるが、米国のプロバスケットボール選手を日本に招聘してバスケットボールの試合の興行を企画して契約締結などの準備を進めていた。ところが、この興行の阻止を企図するY1(商社)、Y2(バスケットボール団体等に関する商品等販売のコンサ...
《解 説》
一 本件は、最一小判平10・10・22本誌本号二九六頁(ミリオンコーポラス高峰館事件)と同じく、マンションの分譲業者が、分譲に際し、マンション敷地の一部に駐車場としての専用使用権を設定し、一部の買主にこれを分譲して対価を受領した事案について、右専用使用権分譲の対価が分譲業者とマ...
《解 説》
一 Xは、血液型の研究等に従事し、論文、小説等の執筆活動を行っており、「「血液型と性格」の社会史」という書籍(原告書籍)を著作した。Y1は、著述業に従事しており、「小さな悪魔の背中の窪み―血液型・病気・恋愛の真実―」という書籍(被告書籍)を執筆した。Y2は、出版社であり、被告書...
《解 説》
一 事案の概要
Xら(上告人)は、マンション分譲業者から、本件マンション(シャルマンコーポ博多)の建物区分所有権等と共に、マンション駐車場の専用使用権の分譲を受けた者である。分譲形態は、最一小判平10・10・22本誌本号二九六頁(ミリオンコーポラス高峰館事件)と類似しているが...