《解 説》
一 本件は、オーストラリア連邦クイーンズランド州裁判所のしたサマリージャッジメント(本件外国判決)について、執行判決が認められた事案である。被告が些末な点も含め全面的に争ったため、争点は極めて多岐にわたるが、主要な争点は次のとおりである。
1 同州のサマリージャッジメントは、...
《解 説》
一 本件は、白蟻の駆除ないし予防の請負を業とするYにおいて、建物の建築業者のXとの間の請負契約に基づき、Xが新築工事を請け負って完成した建物について白蟻予防を施行した後、当該建物の施主に宛てて保証書を発行していたところ、その後、当該建物に白蟻が発生したため、Xが、その駆除などを...
《解 説》
本件は、日本人男女(男をY、女をXとする)間に生まれた男児Aの養育料の支払を給与天引の方法により行うこと等を言い渡した米国ミネソタ州ヘネピン郡第四裁判所の言い渡した判決のわが国における効力及びこれに対する執行判決の可否が問題となった事案である。
Xは、Aの生まれる直前の平成五...
《解 説》
一 本件は、毎年勤務先の会社の社内定期健康診断を受け、胸部レントゲン写真を撮影していた女子社員が、肺癌により死亡し、レントゲン写真の読影等を担当していた医師の過失が問題となった事案についての控訴審判決であり、一審判決は本誌九一一号二〇〇頁に登載されている。
事案の内容は一審判...
《解 説》
一 事案の概要
原告は、平成七年一〇月、自己の所有する自家用乗用自動車について、自ら一二か月点検を実施し、右点検において、ブレーキ・ドラムを取り外し、ライニングの摩耗状況等について点検し、異状がなかったので、内部には手を触れずに、取り外したブレーキ・ドラムを再度取り付けた(本...
《解 説》
一 本件は、オウム真理教の幹部信者であった被告人が、教祖であるMや教団の幹部ら数名と共謀の上、脱会した信者を殺害したという殺人の事案(オウム真理教元信者リンチ殺害事件)と、同教団の幹部ら数名と共謀の上、信者に多額のお布施をさせる目的で、同人を睡眠薬で眠らせて教団施設にら致したと...
《解 説》
一 原告らは皆分譲マンションを購入した者であるが、同人らは当該年度の所得税につき、その区分所有部分の床面積が租税特別措置法(平七法律第五五号による改正前。以下「法」という。)四一条による所得税額の特別控除(以下「住宅取得控除」という。)の適用があると考え、これを前提に納付すべき...
《解 説》
一 事案の概要
1 本件は、原告が被告の募集していた本件ゴルフ会員権を取得したところ、以下の内容の債務不履行があったとして、被告に対し、本件会員権契約の解除し、入会金及び預託金の合計二〇〇〇万円の返還を求めたという事例である。
2 債務不履行の内容
(一) 本件ゴルフ会...
《解 説》
Xは貸金業者Y(個人)から二回にわたり合計二二〇万円を借り受けたが、その際、年金証書、銀行通帳、銀行印、キャッシュカード等を手渡しており、Xの銀行口座に振り込まれた年金をYが返済に当てていた。Xは、Yの貸付が貸金業の規制等に関する法律に適合していないとして利息制限法の規定により...
《解 説》
一 本件は、被告に雇用され、新幹線の運転士として勤務している原告らが、所属する労働組合の指示を受けて、新幹線「のぞみ」号の乗務について、時速二七〇キロメートルで通過することとされている岐阜羽島、三河安城及び新富士の三駅を時速二三〇キロメートルで通過するよう減速して走行する、いわ...
《解 説》
一 遺留分減殺請求事件である。本件の相続人は、被相続人の妻である原告(被上告人)、四女である被告(上告人)のほか、長女B・二女C・三女D・五女E、相続開始前に死亡した長男Aの子であるA1・A2・A3・A4の合計十名である。被相続人は、遺言により相続人全員に対してすべての遺産を分...
《解 説》
一 AとYとは、長年内縁関係にあり、本件不動産を自宅及び共同事業のための作業場として共同で使用していた。昭和五七年にAが死亡した後、Yが本件不動産を単独で使用していたところ、Aの相続人であるXとYとの間で本件不動産の所有権の帰属をめぐって争いとなり、前訴において、本件不動産がA...
《解 説》
一 本件の当事者であるX1ないしX4およびYはいずれも弁護士である。Aは、B及びCに不動産を賃貸していたが、Yは、Aの訴訟代理人として、B及びCに対し、賃料不払を理由に賃貸借契約を解除したとして不動産の明渡を求めるとともに、B及びC並びに両名の連帯保証人であるDに対し、延滞賃料...
《解 説》
一 本件は、法人税法違反により執行猶予付有罪の確定判決を受けた後、自ら馬主登録の抹消手続をした原告が、右執行猶予期間経過後に、被告に対して改めて馬主登録の申請をしたのに対し、被告が、原告の馬主登録を拒否する旨の処分をしたため、原告が、右拒否処分の取消しを求めた事案である。
二...