《解 説》
一 本件は、二一歳の被告人が一七歳の少女に売春をすることを示唆して不特定の遊客を相手に性交類似行為をさせ、もって、児童に淫行させた、という児童福祉法違反の事案である。この種の事件は、少年法三七条一項四号により、家庭裁判所の専属管轄となっており、本件も家庭裁判所に起訴された。一方...
《解 説》
Xは、その所有する建物についてY1生協との間で共済金額一五五〇万円の火災共済契約を、Y2弘済会との間で救済金額一一二〇万円の災害救済契約を締結していたところ、同建物が全焼したことを理由にY1に対して共済金を、Y2に対して救済金の支払を求めた。XとY1との間の共済契約の約款には、...
《解 説》
一 Xらは、Aとの間でゴルフ会員契約を締結し、又は、契約上の地位を承継したものであり、Yは、Aから営業譲渡を受け、契約上の地位を承継したものである。Aは、会員及びその同伴者のみに本件ゴルフ場を利用させ、スタートの予約なしに到着次第申込み順にゴルフ場を利用することができる旨約して...
《解 説》
Xは昭和六〇年九月、A銀行から一五億円を借り受け、その所有する不動産(土地及び区分所有建物)に抵当権を設定した。Y1は平成元年一月、Aから右債権と抵当権を譲り受け、同年二月、抵当権につき移転登記を経由した。Y1はXに対する抵当権に基づき、本件不動産に対する競売を申し立て、平成三...
《解 説》
一 本件は、県知事を被告として宅地開発許可処分の取消を求める抗告訴訟を提起した原告が、一審で、県知事ではなく、土木事務所長を被告とすべきであったとして、訴え却下の判決を受けたため、控訴審において、被告を県知事から土木事務所長に変更することの許可を申し立て、その許可を前提に、原判...
《解 説》
Xは平成六年八月、Aに三〇〇万円を貸し付け、Zが連帯保証し、同年一二月、債務弁済契約公正証書(執行認諾約款付)が作成された。Zは同年六月、自己所有の本件建物につき、息子であるYに対してZの死亡を始期とする死因贈与を原因とする始期付所有権移転仮登記を経由した。Xは同年七月、本件建...
《解 説》
一 弁護士Xは、訴外Aから、同人の所有する土地上の建物所有者である訴外Bに対して、右建物を取り壊したうえ、土地を返還するよう請求してほしい旨の依頼を受け、平成五年四月二二日、Bに対し、建物収去土地明渡等請求訴訟を提起した。右訴訟において、Xは、Aの代理人として、同年七月二一日、...
《解 説》
一 本件における被告らは、もともと低層老朽アパートの住民であり、アパートでペットを飼っていたところ、アパートが再開発事業により高層集合住宅に生まれ変り、アパートの住民も高層集合住宅に移り住むこととなったが、再開発組合の定時総会においてペット飼育禁止の案件が多数決で可決され、新し...
10 手術に際し輸血を行う麻酔担当医は、輸血用カテーテル挿入部位を観察し、同部位から血液が血管外へ漏出していないかどうか観察する注意義務を有するとされた事例
(広島高裁岡山支部平10・1・29判決)
《解 説》
一 訴外Aは、平成六年一二月、母Bの依頼により、B所有の普通乗用車(加害車両)を運転してBを松山空港まで送ったが、その帰途、居眠り運転していたため、対向車線に進入して対向車両と正面衝突するという交通事故を起こし、加害車両に同乗していた祖母Cを死亡させるに至らしめた。
そこで、...
《解 説》
一 訴外Aは、仙骨部骨巨細胞腫で手術が必要となったため、平成三年一月、岡山大学医学部付属病院に入院し、同年二月、長時間の仙骨部骨細胞腫摘出及び骨盤再建手術を受けたが、手術後も意識を回復することなく、急性心不全により死亡するに至った。
そこで、Aの遺族であるXらは、右手術を担当...
《解 説》
Y2町は平成二年一〇月四日付で本件土地をAから代金八〇〇万円で購入し、これを同三年七月二九日付で町総務課長の地位にあったY1に代金八一〇万円で転売した(右売買は、国道拡幅工事のためY1の自宅土地建物が買収され、その代替地とするために行われた。なお、代金額は当初、八〇〇万円であっ...
《解 説》
一 事案の概要
原告は、昭和四七年生まれの会社員で、被告は貸金業者である。原告の母は、昭和六二年ころ家出をし、原告とは平成五年一月ころから音信不通であった。原告の母は、被告から平成三年三月以降、一一回にわたり合計三三万二〇〇〇円を借り受け、遅滞がちながら平成五年一月までその返...
《解 説》
一 本件は、都労委の第三一期労働者委員(任期は平成五年一一月一日から二年間)の任命にあたり、都知事が連合系労働組合推薦の候補者から任命し、全労連系労働組合推薦の候補者を任命しなかったのは違法と主張して、推薦組合及び候補者が都知事及び都に対して任命行為の取消と国家賠償を求めた事案...
《解 説》
X男(昭和三六年生)とY女(同四〇年生)は、平成三年八月婚姻し、同五年七月両名間に長女Aが生まれた。Xは、①Yが事ある毎にXの離婚歴を言い立て、責めさいなむ行為をしたこと、②YがAをXの瀕死の父Bに会わせようとせず、Xが土下座をして頼んだ結果、AとBに数回の面会を果たさせたのみ...
《解 説》
マンション分譲業者であるAは、東京都区部に本件マンションを建設して販売するに際し、その敷地の一部に駐車場を三区画設けた。Bは昭和四五年九月ころ、本件マンションの区分所有建物(本件建物)と敷地権をAから購入する際、駐車場一区画(本件駐車場)の専用使用権を取得し、Aに権利金として四...
《解 説》
X、Y、Aの三名は、平成三年一一月、XとYが各二〇〇万円、Aが一〇〇万円をそれぞれ出資し、ヴィクトリアンボックスの商号によりアンティーク宝飾品等の輸入販売事業をXが経営するB社の所在地においてYを中心に行うことを合意し、それぞれ出資金を支払った。Xらは、同六年一二月、同事業を廃...