《解 説》
一 本件は、預託金会員制ゴルフクラブと入会契約を締結した原告らが、当該ゴルフ場の開場遅延を理由として、契約時に支払済の入会金及び会員資格預り保証金(預託金)について、ゴルフ場入会契約の解除に基づく原状回復請求をした事案である。本件の争点は、多岐にわたるが、主要な争点は、①ゴルフ...
《解 説》
Yは国立大学附属病院歯科口腔外科診療科長、歯・口腔診療グループ長、教授の地位にあった者、Xは同グループに属する助教授である。Xは昭和六三年八月九日患者に対し右側顎下部ガマ腫の摘出手術を行った際、患者との間でトラブルが発生した。Yは、右トラブルを理由に同年九月七日、Xに対し、前記...
《解 説》
一 事案の概要
1 秋田県の住民である控訴人(第一審原告。以下「X」という。)は、平成元年六月、秋田県公文書公開条例(昭和六二年秋田県条例第三号。以下「本件条例」という。)に基づき、A産業廃棄物処理センター(以下「A産業センター」という。)が平成元年五月秋田県知事(Y)に提出...
《解 説》
本件は、旧民訴法三一条(損害又は遅滞を避けるための移送)に基づく移送命令を抗告審において取り消し、同申立てを却下した事例である。
XはYに対し、貸金債権八〇万円とこれに対する遅延損害金の支払を求め、平成八年、Yの住所地を管轄する木津簡裁に支払命令を申し立てたところ、同簡裁は、...
《解 説》
一 本件は、リース会社Xが、その所有する冷凍食品プラント等をAにリースしていたところ、右物件がAからBへ、Bからリース会社Yへ売買され、Yにおいて、C、後にDに対してリースしているとして、Y及びDに対し本件物件の引渡を求めるとともに、Yに対し所有権侵害による賃料相当損害金の賠償...
《解 説》
一 本件は、Yらの申し立てた会社更生法(以下「法」という。)八二条の否認の請求を認めた決定中のXに関する部分が不当であると主張して、その取消しを求めた異議訴訟である。主要な争点は、質権の目的である債権を直接取り立てる行為が否認の対象となるか否かである。
二 更生会社D社は、F...
《解 説》
Xら夫婦は、平成七年五月二九日、建築会社Y1との間で木造住宅の建築工事請負契約を締結し、着手金と部材発注金合計二〇四二万円を支払ったが、Y1は間もなく工事に着工することなく倒産してしまった。Xらは、Y1に対して債務不履行を理由に右支払金の返還を求めたほか、登記簿上Y1の代表者で...
《解 説》
一 民法五〇一条五号には、保証人と物上保証人の間における代位の割合は「頭数」によるべきであると規定されているが、本件の主たる争点は、単独所有であった物件に担保権が設定された後、これが弁済までの間に共同相続により共有となった場合に、この「頭数」について、相続人をそれぞれ一名として...
《解 説》
一 本件は、破産管財人が破産者のした代物弁済行為を否認して、その相手方に対して目的物の価額の償還を求めた事件である。
1 Aは、Yから本件物件(紳士服)を仕入れ、これをBに転売した直後に手形不渡りを出して支払を停止した。
2 Aは、Yから本件物件の返還を求められたため、Bと...
《解 説》
本判決が引用している最三小判平9・11・28は、本誌九六一号一二三頁において紹介したとおりであるが、その判示事項、判決要旨は、本件において「破産者の財産に対する滞納処分手続」とされているところが、「破産者所有の不動産に対する競売手続」とされていた。すなわち、右最三小判は、破産者...
《解 説》
一 私道敷地の所有者が他人が私道を通行することを妨害した場合における通行妨害予防・妨害排除請求については、右請求を基礎付ける権利で明文の根拠規定のあるもの(地役権等)を認めることができなくても、なお、右請求を認容できるケースがあるのではないかということが、判例上未解決の問題とな...
《解 説》
本件は、株式会社XからXがA社を吸収する前にA社の代表取締役社長であったYに対し、「貸金」の返還と代表取締役の義務違反(善管義務、忠実義務等)を理由に損害賠償を求めた事案である。
本判決の認定したところによると、本件「貸金」八億九五八〇万円余については、A社は政治家に対する献...
《解 説》
一 本件は、税関長の知的財産権侵害物品の水際取締に関し、知的財産権者の側からなされた国家賠償事案である。その内容は、判決の事案の概要の記載を参照していただきたい。本件では、国家賠償特有の問題もあるが、その点については、多数裁判例等のあるところであるので、以下では、関税定率法に関...
《解 説》
本件は、既に死亡した弁護士Aの相続人又は債権者である原告らが、Aの依頼者であった被告に対し、Aが被告から受任した建物収去土地明渡請求事件等について、Aと被告との間で弁護士報酬を五億円とする合意があったとして、被告に対しその支払を求めた事案である。
本判決は、被告自身が作成した...
《解 説》
本件は金先物取引による商品取引会社Xから顧客Y(第二種身体障害者四級に認定され、年金と内妻の収入で生計を立てていた)に対する差損残金五四四万円余を請求した本訴事件と、YからXに対し、Xの商品取引行為が不適格者排除原則、説明義務に違反し、両建て、因果玉の放置、ころがし、断定的判断...
《解 説》
一 本件は、いずれもパソコン通信網PC―VANの会員であるXとYとが、平成六年三月、PC―VANのオンライン会話サービス(チャット)を利用し、Xが、平成四年六月ころ、A社の所有するユーザID(PC―VANの会員番号)をその承諾を得ずに不正に使用していたのではないかという疑惑に関...
《解 説》
本件は、町議会の議長及び議員によって行われた贈収賄事件である。町役場に隣接する土地を町に買い上げてもらおうとした地主が、議長らをも巻き込んだ上、町議会の「議員全員協議会」における同案件の通過を画策して、反対派の議員らに現金を供与したという事案である。
判決によると、被告人らは...