《解 説》
Y(日本中央競馬会)は、T市内に場外勝馬投票券発売所及び払戻金交付所(場外馬券売場)を設置し、平成六年二月五日から場外馬券の発売及び払戻金の交付を行っている。本件売場の周辺に住むXら五一名は、Yに対し、人格権の侵害を理由に場外馬券の発売及び払戻金の交付の差止めを求め、併せて不法...
《解 説》
一 事案の概要と本判決
1 昭和六〇年一一月二一日に開かれた第一〇三回国会衆議院社会労働委員会において、当時衆議院議員であり同委員会の委員であったY1は、同日の議題であった医療法の一部を改正する法律案の審議に際し、同法律案の問題点を指摘するとともに、B病院の問題を取り上げて質...
《解 説》
X市は、「パチンコ店等、ゲームセンター及びラブホテルの建築等の規制に関する条例」を制定し、その三条において、パチンコ店等の建築等をしようとする者は市長の同意を得なければならないこと、四条において、市長は、都市計画法上の商業地域以外の用途地域でのパチンコ店等の建築を例外なく不同意...
《解 説》
(本件は、いわゆる旧民事訴訟法の適用による判決であり、記載された民事訴訟法の条文は、いずれも旧法のものである。)
一 本件は、XからYに対する三〇〇万円の損害賠償請求訴訟であるが、一審は一五〇万円の限度で、双方控訴による控訴審は二〇〇万円の限度で、請求を一部認容した。そこで、...
《解 説》
一 本件は、主債務者が破産宣告を受けた後に破産債権を代位弁済した連帯保証人X(信用保証協会)が、主債務者の求償債務を連帯保証したYらに対し、その履行を求めた事案である。本件の争点は、原債権が破産債権として届け出られ、これを代位弁済したXが破産裁判所に届出名義の変更の申出をした場...
《解 説》
本判決は、意見ないし論評の表明による名誉棄損の不法行為責任に関するいわゆる「公正な論評」の法理の解釈適用をめぐり、従来未解明とされていた点についての考え方を明らかにしたものである。
一 本件の事案の概要は、次のとおりである。本件の原告Xについては、昭和五六年中に実行行為が行わ...
《解 説》
一 本判決は、不法行為(車両衝突事故)による被害者(X)の加害者(Y)に対する損害賠償額を定めるに当たり、被害者と恋愛関係にある者(A)の右事故における過失を「被害者側」の過失として斟酌して過失相殺し、損害賠償額を減額できるか、という論点を扱ったものである。
二 本件の事案は...
《解 説》
本件は、定款上株式の譲渡には取締役会の承認を要することとされている会社の内部における経営上の主導権をめぐる紛争を背景に有するものであり、本判決は、取締役の株主総会開催における職務上の義務の内容に関し、従来の判例の前提とされていた法理又はその論理的帰結というべき法理等を明らかにし...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、園部税務署の管轄区域内で酒販業を営む業者である原告ら六七名が、被告がAに対してした酒税法一六条一項に基づく酒類販売免許販売場移転許可処分の取消を求めた抗告訴訟である。この背景には、訴外○○産業が、新規に酒類販売業免許を得られる余地のない同地区において酒...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、被告人が、夜間、自己の所属する暴力団が介入していた民事紛争の一方当事者である会社の事務所が所在するマンション四階の通路において、(一)自動装てん式けん銃一丁を適合実包二四発と共に携帯し、(二)同事務所玄関扉に向けて右けん銃で実包四発を発射したという事案...
《解 説》
Aは、自己の財産を妻B及び二男Xにすべて与えるとの遺言を残して死亡した。BとXは遺産分割協議を行い、土地全部をXが取得するものとした。しかし本件土地については、相続を原因とし、Bの持分六分の三、X、長男Y、長女C各持分六分の一とする所有権移転登記、その後、錯誤を原因とし、Xの持...
《解 説》
一 事案の概要
1① X(元請)は、A社(下請)に対し、マンション新築工事及び右マンションのモデルルーム工事を請け負わせ、代金の一部の二億七九〇〇万円余りを支払った。ところが、Aは、マンション新築工事を約二〇パーセント、モデルルーム工事を約八五パーセント完了した時点で破産宣告...
《解 説》
一 本決定によれば、本件事案は概ね次のとおりである。Yは経理課員であるXが同僚社員とともに会社代表者名義の(法人)クレジットカード利用明細書添付のクーポン券を集め、応募用紙に会社代表者名義を冒用してクーポン券と一緒にカード会社に送付し、六年間にわたり総額約一四万円相当のカラーテ...
《解 説》
一 本件は、コンビニエンスストアチェーンのフランチャイザー(本部)であるとするXが、Xとフランチャイズ契約を締結してコンビニエンスストアを経営していたY1が右チェーンから脱退し、その直後から、同一場所において、妻名義でXの競業他社のコンビニエンスストアチェーンに加盟して経営を継...
《解 説》
本判決は、死亡した者に相続人はないが相続財産全部につき包括受遺者がある場合に、右が民法九五一条にいう「相続人のあることが明かでないとき」に当たり同条以下に定める配当清算手続等を経ることが必要か否かについて、最高裁として初めての判断を示したものである。
一 本件の事実関係は、次...
《解 説》
同性愛者の団体Xは、Y都に対し青少年の家の宿泊利用を申し込んだが、青少年の家のS所長は申込書の受理を拒否し、さらに都教育委員会は、本件申込みについて都青少年の家条例八条一号(秩序をみだすおそれがあると認めたとき)、二号(管理上支障があると認めたとき)に該当するとして承認を拒否し...