《解 説》
一 愛媛県北条市は、農業地域工業等導入促進法による工業団地建設を計画し、Xら住民らからY公社による土地買収を進めた。本件土地買収の対象となった用地の総面積は約一二ヘクタールで、地権者は八八名であったが、Y公社は、対象土地を国道バイパスとの遠近によりA、B、Cの三ランクに区分して...
《解 説》
T県民であるXら九名は、建設会社のYら五社がT県の水道管理所監視制御装置の更新工事二件の指名競争入札において談合し、いずれもY1をして適正な価格の二ないし三割増しで落札させ(契約は、平成三年五月及び同五年六月)、T県に少なくとも一億二六八九万円余の損害を与えたが、T県は損害賠償...
《解 説》
一 原告は平成元年度の京都府知事交際費に関する公文書の公開を請求したところ、知事は資金前渡金受払表を支出相手方の記載部分を除いて公開した。原告は支出相手方部分を非公開とした処分の取消しを求めて訴えを提起した。一審京都地裁は、非公開の部分のうち、支出相手方が購入業者であるものの公...
《解 説》
一 分譲マンションの六階に居住するYと七階に居住するXとは、上下の居住関係にあるが、Yは、平成元年ころからゴロゴロという騒音が階上から聞こえる旨訴えるようになった。Yは、右騒音はXのゴルフのパター練習音によるものではないかと考え、深夜X方を訪れて問いただしたが、Xが、その場で実...
《解 説》
一 本件は、乳癌の診断方法が適切であったか、乳房温存療法でなく、乳房切除術を選択・施行したことにつき、それが適切であったか、説明義務違反がなかったかなどが争われた医療過誤事件である。
Xは、昭和二一年生まれの女性である。Xは、平成元年一月中旬ころ右乳頭から出血があったため、同...
《解 説》
本判決は、当事者双方の主張及び理由の大部分について原判決を引用しており、本件の事案の詳細は不明であるが、同族会社X1がその元代表者Y1に対し、Y1が会社整理の申立てをしたことを忠実義務、善管注意義務違反及び不法行為に当たるなどと主張して損害賠償等を求め(なお、右会社整理の申立て...
《解 説》
一 Xは株式会社Y1に正社員として雇用されていた者であり、Y2は同社の取締役(専務)、Y3は代表取締役である。
Y1の社員Aは、女子更衣室にビデオカメラを設置して秘かに撮影していた。平成七年六月ころ、Y3は撮影の事実に気付いたが、カメラを逆さにしただけで、その他に何の措置も取...
《解 説》
一 本件本案訴訟は、いわゆる大和銀行株主代表訴訟(第一次訴訟)で、大和銀行ニューヨーク支店の行員らが、過去一一年間、無断取引を繰り返し、会社に約一一億米ドルの損害を発生させ、しかも、その損失を隠すため帳簿類の偽造、虚偽記載など行ったことで、大和銀行は、刑事訴追を受け、司法取引に...
《解 説》
一 本件の事案は次のとおりである。Yの住民であるXが、監査事務局が平成六年一一月二九日に開催した会議につき、平成七年三月八日、監査委員に対して右会議に関する起案文書等の公文書につき開示請求をしたところ、監査委員は、同年五月八日、右請求にかかる公文書を開示しない旨の決定をした。そ...
《解 説》
Xは、テレビ番組にレギュラー出演しているジャーナリストであるが、視聴者からの投書により新興宗教法人Yを本番組で取り上げる意向を固めた。スタッフが取材結果の確認取材をYの広報担当者に申し入れたところ拒否され、さらにYの広報委員会名による「警告書」と題するファックス文書が番組宛に送...
《解 説》
一 Xは、A所有の使用借権付建物につき強制競売の申立てをし、売却許可決定を得た上、代金を納付して右建物の所有権を取得した。ところが、右売却許可決定後、右建物の敷地の所有者であるBは、執行裁判所に対し、Xが右建物の買受人になった場合は、右建物の敷地に係るAB間の使用貸借契約を民法...
《解 説》
Xは、平成六年一二月二六日、Y(株式会社)が債務超過の状態にあるとして破産申し立てをした。第一審は、同八年三月二六日、Yが債務超過の状態にないことを理由にXの破産申立てを却下する決定を下した。Xが右決定に即時抗告を申し立てたところ、抗告審は同年七月一九日、第一審の決定を不当であ...
《解 説》
一 事案の概要
タクシー会社が、その所有車と衝突した相手方自動車の運転手に対し、交通事故による営業車の修理期間中の休車損害を請求したところ、右運転手は、事故で休車した車があったとしても、他のタクシーに無線配車することによりタクシー会社の営業収益は填補される等と反論して休車損害...
《解 説》
一 本件は、日本赤軍のメンバーにより、又はこれが加わって二回にわたり日航機がハイジャックされ、その結果として、航空機が爆破され、また超法規的措置として受刑者など六名が釈放されたことから、事件発生当時大きな社会的反響を呼んだ事件の控訴審判決である。
二 日本赤軍に所属する被告人...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、被告厚生大臣が、平成四年一〇月二四日、平成五年三月四日及び同年九月一四日の三回にわたり、食品衛生法(平成七年の改正前のもの、以下「法」という。)七条一項に基づき、食品、添加物等の規格基準の一部を改正し(以下、一括して「本件告示」という。)、平成四年一一月...
《解 説》
一 Y市立中学校の三年生であったAは、平成三年一一月一五日の放課後、同中学校の校庭において、同級生四名から殴る蹴るの暴行を受け、同月二一日に死亡した。Aの両親は、右加害生徒四名に対して民法七〇九条の不法行為に基づく損害賠償を求めるとともに、加害生徒の親権者らに対しては、本件事故...
《解 説》
一 Xは、Yの経営する私立幼稚園の園児であった者(当時四歳)であるが、同幼稚園の教室内において右眼瞼挫創、右眼裂傷等の傷害を負う事故に遭い、右眼視力が〇・〇五に低下するなどの後遺障害を残すに至った。
Xは、主位的に、本件事故は、Y幼稚園の同じ組の園児であるAがハサミを手に持っ...