《解 説》
一 Xの父A(大正一四年生)は、土木建築請負業を営んでいたが、平成四年三月、自動車を運転して静岡県清水市内を走行中、右折専用車線上で停止していた貨物自動車に正面衝突する事故を起こして死亡した。
そこで、Xは、Aが被保険者として傷害保険契約を締結していた保険会社Yらに対し、自ら...
《解 説》
一 Xらは、Yとの間で墓地永代使用契約を締結していた者らであるが、右契約に関してYに債務不履行又は不法行為があったとして、Yに対して損害賠償請求訴訟を提起し、その過程でYの所持する文書(図面を含む。)の提出を求めるため、文書提出命令の申立てをした。原審がこれを却下したため、これ...
《解 説》
一 訴外Aは、平成元年九月、Yの開設する病院における頭部CT検査の結果、右側頭部に腫瘤が認められたため、右腫瘤の検査と手術のため同病院に入院し、右腫瘍について血管造影検査を受けたところ、その直後に頭痛と吐き気を催し、めまいや苦痛を訴え、急激に血圧が上昇し、心停止・呼吸停止の状態...
《解 説》
一 本件は、大腸癌の早期発見に関する医師の判断の当否が争われた事例である。
Aは、六四歳であった平成元年一二月、健康診断で便潜血反応が陽性であったことから、精密検査が必要となって、被告Yが運営する社会保険中央総合病院を受診した。主治医は胃と腸の造影検査を実施し、腸に主要な病変...
《解 説》
一 稲荷神社(私設の小さな祠)の境内地である本件土地について、後述する昭和三五年実施の登記簿と課税台帳の一元化に際して、登記簿の表題部が新設され、土地台帳に権利者として「A外七名」と記載されていたため、これがそのまま登記簿の表題部の所有者欄に移記された。A(大正七年死亡)の一般...
《解 説》
一 Xは、本件ワラント取引当時六七歳で、電力会社を退職後、零細な酒店を経営していた者で、早くに妻を亡くし一人暮らしをしていた。Xは、それまで優良銘柄の現物株式取引をしていたが、老後の生活資金を少しでも増やそうとして、Y会社の従業員から積極的な勧誘を受け、比較的短期間に四回にわた...
《解 説》
本件は、被告人が、所携のカッターナイフ一本(刃体の長さ六・八センチメートル、刃体の幅一・八センチメートル、刃体をさやに固定する装置を備える)を示して被害者を脅迫し、暴力行為等処罰に関する法律違反、銃砲刀剣類所持等取締法(以下「法」と略称する。)違反の各罪に問われた事案である。
...
《解 説》
本件は、その子が東京都品川区立の小学校に在学中に担任教師(以下「本件教諭」という。)から体罰を受けたと主張する控訴人Xが、ほか一名(控訴人親子とは身分関係のない第三者。以下Aという。)とともに、品川区から関係公文書公開に関する許否の権限を与えられている被控訴人Y(同区教育委員会...
《解 説》
一 事案の概要
原告は、昭和三八年からエホバの証人の信者である。エホバの証人は、聖書の中で「血を避けなさい」という言葉が何度も出てくることから、エホバ神が人間に対し血を避けることを指示していると考え、従って、ひとたび体の外に出た血を体内に取り入れることはできないとの信念を有し...
《解 説》
一 訴外A(昭和二三年五月生)は、数年前から、いびきが強く、昼間眠気があったため、平成四年二月、Yの設置する「福島労災病院」において診察を受けたところ、「睡眠時無呼吸症候群」と診断されたため、同年三月一七日、同病院に入院したが、その後無呼吸症状等が改善したので、同月二四日、同病...
《解 説》
一 Yは、平六年一月九日自動二輪車運転中、A運転の貨物自動車に追突・転倒して、右下肢脱臼開放骨折等の傷害を負い、Xの病院に四月一五日まで入院・治療した。Xは、YX間の診療契約は健康保険診療基準によらず自由診療にする旨の契約であったとして、診療費を請求した。Yは、その母Bが、Xに...
《解 説》
Aは本件土地上に賃貸用アパートを建築することを計画し、平成元年一月、建築業者であるYに対し代金合計三六九五万円でアパートの建築を発注し、Yはこれを請け負った。Aは、契約時、内金として一〇〇〇万円をYに支払ったが、YはAの要望により同額を返金した(但し、返金であるか、Aの経営する...
《解 説》
Y1寺はY2の被包括宗教法人であり、Xらは、Y1の信徒としてその墓地について永代使用契約を締結していた者又はその祭祀継承者であるところ、Xらは、Y1において、墓地の経営につき墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)一〇条に基づく許可を得ておらず、Y1は契約者らを騙して墓地使用権の設定...