《解 説》
一 原告X(受傷当時四一歳)は、昭和六二年一二月に交通事故に遭って、全身に受傷した。そのうち目の部分については翌年春まで訴外A病院及びB病院で治療を受けたが、右眼球陥没、複視等の障害が残った。同年(昭和六三年)八月以降は被告Y1が運営する病院を受診して、同年一二月から平成三年三...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、訴外呉服販売会社(以下「A社」という。)及びその関連会社から、A社を契約者、その取締役(以下「B」という。)を被保険者、A社及びその関連会社等を保険金受取人として締結した一連の生命保険契約のうち六件の生命保険契約(以下「本件各契約」という。)に基づく保...
《解 説》
一 X1は、平成四年一二月二日、Y1保険会社との間で、訴外Aを被保険者とするデラックス傷害保険契約を、X2は、平成四年一二月二八日、Y2保険会社との間で、Aを被保険者とする普通傷害保険契約を、X1は、平成五年一月六日、Y2保険会社との間で、Aを被保険者とする普通傷害保険契約を、...
《解 説》
一 本裁判例は、X(消費生活協同組合、いわゆる生協)の酒類販売業免許申請に対し、Y(税務署長)がした拒否処分の取消請求に関するものである。酒税法(以下「法」という。)九条一項は酒類の販売業について免許制を採用しており、同法一〇条は免許の要件を定めているところ、同条一一号(酒類の...
《解 説》
一 本件事案は、次のようなものである。
原告Xは、被告学校法人Yが設置する私立男子高校(以下「本件学園」という。)の保健体育の教師であり、同校の水泳部の顧問教諭であったところ、体育の水泳の授業中、水泳部員である生徒Eが膝痛を理由に見学し、かつ、水着を所持していない旨申し述べた...
《解 説》
本件は、いわゆるオウム真理教団関係事件の一環で、被告人両名が他の共犯者らと共謀のうえ、自動小銃を製造する意思で、被告人乙は銃身、遊底、引金ほかの部品を製作しあるいは銃身にライフル加工を施すなどし、同甲は銃身部品に薬室加工を行う等したほか、ともに大量の上部遊底、制退器等の銃砲に使...
《解 説》
本件は、夜間、飲酒の上、自転車に乗って歩道を走行していたAが、折からの車道拡幅工事のため、歩道の植木を撤去した後、土砂が陥没していた箇所にハンドルを取られて転倒し死亡した事故について、Aの相続人であるXらが、右工事の元請業者であるY1、Y1の現場代理人であるY2、並びに下請業者...
《解 説》
一 本件の事案は複雑であり詳細は判文に譲るが、概略は次のとおりである。Z(Yに補助参加)は、Xが所有する本件土地の付近一帯の地上げをしており、その一環として、Xに対して複数の土地の買取りを申し入れ、以後X代表者の従兄弟であるAがXの窓口となった。Aは、一帯が公図混乱地域であった...
《解 説》
Xら二三七名は、昭和五二年六月以前から瀬戸内海のT島に居住する者であるところ、Y1が県知事に対しT島で有害産業廃棄物処理業を行うことの許可を申請したので、これに対抗し、同年六月、Y1に対し廃棄物処理場の建設の差止めを求めて訴えを提起した(別件訴訟)。Y1は許可を求める事業内容を...
《解 説》
一 昭和六二年四月二二日、釜石市東前町庄治ヶ沢付近の市有山林から山火事が発生し、同月二三日、大規模な消火作業により右火災は一旦鎮圧されたが、同月二四日、残火の再燃により山火事が再発し、Xら所有の山林にまで燃え広がって、立木の焼損等により、莫大な被害を被った。
そこで、Xらは、...
《解 説》
本件は、Xが、市立中学二年在学当時に、大掃除の際に三階の窓の外側を拭こうとして窓の外に出たところ、足を滑らせて転落し傷害を負った事故につき、その両親と共に、Y市に対して国家賠償を求めたものである。
Xらは、中学二年生程度では、心身の発達が未熟で判断能力も十分でない生徒もおり、...
《解 説》
一 訴外Aは、平成六年七月一四日、札幌市中央区内を走行中の普通乗用車に同乗していたが、同区内の交差点を赤信号無視して進行してきたY運転の普通乗用車に衝突され、死亡するに至った。
そこで、Aの遺族であるXらは、Yに対し、自賠法三条、民法七〇九条に基づき損害賠償を請求したが、その...
《解 説》
本件は、遊漁船の船長である被告人が、総トン数約二・一トンの遊漁船に釣り客四名を乗船させて帰港するに際し、岩礁や浅瀬に挟まれた狭い海域を航行中、船尾方向から高さ約五メートルの高波を受けて遊漁船を転覆させ、釣り客三名を溺死するに至らせたという事案である。
本件では、船尾方向からの...
《解 説》
一 X有限会社は、平成五年四月、訴外Aが経営する株式会社B不動産に対し、六〇〇〇万円を弁済期を定めずに融資したが、その際、Aが代表取締役をしている訴外C会社が振り出し、Aが無限責任をしているY合資会社の引受けのある本件為替手形をその担保として受け取ったので、Y会社に対し、右為替...
《解 説》
一 訴外Aは、平成六年八月当時、福島県立会津高校の二年に在籍し、柔道部の部長となっていたが、平成六年夏に行われた同部の合宿に参加し、早朝マラソンを行っていたところ、途中脱水症状によって道路上に倒れ込んだため、近くの綜合病院に搬送されたが、翌日の夜、「横紋筋融解症とそれによる急性...
《解 説》
一 原告は、所有する猫(アビシニアン種)の出産にあたり、獣医師である被告にその処置を依頼した。この猫は、過去に二回帝王切開による出産歴があったため、原告は、今回についても、帝王切開による出産を希望していたが、被告の勧めに従い、自然分娩によることを承諾した。そして、被告が、猫に対...
《解 説》
一 事案の概要は以下の通りである。
甲(当時四五歳)は、アルコール性肝障害や糖尿病で被告Y1(日本赤十字社)が運営する日赤医療センターに通院中であったが、深酒状態が続いていた平成五年二月六日、胸痛、腹痛症状を呈し、救急車で同センターに搬送された。しかし、甲の応対ぶりに不穏、不...
《解 説》
Xは、昭和一四年生まれで農協に勤務し、給油所において事務及びガソリン給油の仕事をしていた者であり、軽い高脂血症の既往歴があった。Xは、平成二年二月二八日、給油所において給油作業中、給油口から吹き返したガソリンを顔面及び頭部に浴び、作業の交代を求め、洗顔中に倒れ、病院に収容された...
《解 説》
一 本件は、昭和四〇年代半ばに頻発した爆弾事件のうち、未遂に終わったものの、警察要人を狙った初めてのテロ事件として社会的に注目された警視総監公舎爆破未遂事件(総監公舎事件)について、無罪判決を受けた被告人らが、警察官の捜査や検察官の捜査指揮等が違法であると主張して、国、東京都等...
《解 説》
本件は、被告人の友人であって、警察に被告人の覚せい剤所持、密売について情報提供し、被告人に対する捜査予定などを警察から事前に知らされていた甲が、被告人に覚せい剤購入を申し込み、これに応じて被告人が覚せい剤を準備していたところ、捜索差押が実施されて本件が発覚したという事案であり、...