《解 説》
一 本事案において、Yらは、その持分の合計に相当する部分の土地をYらの共有のままで残し、その余の部分の土地をXの単独所有とする現物分割を希望したが、一、二審とも、Xの希望する全面的価格賠償の方法による分割を命じた。Yらが上告したが、第一小法廷は、平成三年(オ)第一三八〇号事件(...
《解 説》
一 本件は、共有物の分割協議が調わないため、共有物である本件不動産について、共有者であるXらが、残る共有者であるA(Yらの被承継人)に対して、共有物分割等を求める訴えを提起した事案である。Aは、本件不動産について三分の一の持分を有するにすぎないが、昭和四八年以来、本件建物にその...
《解 説》
Xらは、米軍が使用している伊江島補助飛行場の敷地の所有者であるが、米軍用地使用等特措法一四条、土地収用法七二条により使用裁決が下され、昭和六二年三月、一〇年間分の使用料相当の損失補償金を受け取った。Xらは、確定申告をした後、税額等の計算に誤りがあったとしてY税務署長に更正の請求...
《解 説》
一 本件では、石材卸売会社に勤務していた養子である被告に対し、石工であり養親である原告が、被告が独立して石材卸売事業を営むための資金の一部として一〇〇〇万円を貸し渡した。その際に、被告は、「事業が軌道に乗ったときに返す」旨を約束した。その独立の約三年後、被告は、石材加工、販売等...
《解 説》
本件は、特許出願の拒絶査定に対し、A及びBを代理人として審判請求を行ったXが、手続補正指令書で指定した期間内に補正書の提出がなかったことを理由に右審判請求を無効とした特許庁長官Yの処分に対し、手続補正指令書がX代理人らの事務所に到達していないなどとして、右処分の取消し等を求めて...
《解 説》
一 本件は、いわゆるマンションの区分所有建物とその敷地部分についての不動産競売における評価人の調査義務に関するものである。本決定の理由は簡潔に記載されているので明確ではないが、事案の概要は、次のようなもののようである。すなわち、担当評価人は、現地調査に赴いてマンションの四囲の状...
《解 説》
本件は、中央労働委員会が発した抗告人らの救済申立てを棄却する命令の取消訴訟に、使用者である相手方が行政事件訴訟法二二条に基づく参加の申立てをしたところ、東京地決平7・8・24(参考決定①)はこれを却下したが、東京高決平8・3・25(参考決定②)は、右東京地決を取り消し、右参加の...
《解 説》
一 本件は、地下送水管新設工事現場でメタンガスが爆発して坑内作業員が死傷した事故について、作業員の安全管理等の業務に従事していた被告人三名が、十分な安全管理を行わないまま作業を進めた業務上の過失があったとして業務上過失致死・同傷害罪に問われた事件である。
二 事案の概要は次の...
《解 説》
一 Xは、東京都西多摩郡日の出町の主婦であって、同町内の廃棄物処分場の建設等に反対し、廃棄物処分場の建設差止めを求める訴えを提起するなどの住民運動を行っている者であるが、Yの平成七年度の町議会第二回定例会において、同町の町長が、Xの住民運動をオウム真理教の活動に喩え、日の出町民...
《解 説》
一 Xの夫Aは、Yとの間で、「法令に定める酒気帯び運転又はこれに相当する運転をしている間に生じた事故について保険金の支払を免責される」旨の免責条項がある災害割増特約及び傷害特約を付加した生命保険契約を締結していたところ、普通乗用自動車を運転中に停車車両に追突した事故により死亡し...
《解 説》
一 Aは郵便局に通常預金と定額貯金を、二つの銀行に普通預金と定期預金をそれぞれ有していたが、平成五年一〇月に死亡し、妻と長男である原告がこれを相続した。原告は被告らに対し、本件預金につき、法定相続分である二分の一の払戻し請求をしたが、被告国は、郵便貯金規則三三条は相続人が二人以...
《解 説》
一 中華人民共和国には、養子縁組届出等の法的手続をとらない収養関係をも、養親子関係として法的に保護する「事実上の収養」(事実養子)という制度があるが(陳明侠著「中国の家族法」敬文堂二〇〇頁等参照)、中国の法制度の不備、日本語文献の稀少性から、その該当性の判断は困難である。本件は...
《解 説》
一 訴外Aは、平成三年一二月二日、福井県三方郡三方町常神三号一七番地先漁港において、自動車を運転中、自動車ごと海中に転落したので、Aの遺族であるXらは、Aを被保険者として傷害保険契約を締結していたY1、Y2(保険会社)に対し、総額八四〇〇万円の保険金を請求した。
これに対し、...
《解 説》
Xは、十数年前から申立外会社所有のRC造り四階建ビル(以下、本件ビルという)の三階部分を賃借して麻雀店を経営し、Yは、本件ビルの一階部分を賃借してパチンコ店を経営していた。
平成七年一月一七日の阪神大震災により本件ビルの一階の柱の鉄筋が曲がってしまうほどの損傷を受け、市から半...
《解 説》
一 本件の事案の概要は次のとおりである。
電力会社であるY社は、平成二年六月開催の株主総会について、それまでの原発反対派の行動から、議事進行が妨害されたり、議長席及び役員席が取り囲まれたりする事態が発生することをおそれ、従業員株主らをして、受付開始時刻前に株主総会の会場に入場...