《解 説》
Xは拘置所に勾留されている被告人であるが、眼科で治療を受けるため、拘置所職員に付き添われ、両手錠、腰縄付きで病院に行き、眼科で治療を受けた。Xは、被告人は有罪判決を受けるまで無罪の推定を受けるものであるのに、両手錠、腰縄付きで公衆の面前を歩かされ、名誉が侵害され、尊厳を著しく傷...
《解 説》
一 本件は、中学校教諭である被告人が、その教え子である女子中学生二名に対し、それぞれ性具である電動バイブレーターを提供するなどして、被告人の面前で自慰行為をさせたことが児童福祉法六〇条一項、三四条一項六号(以下、「本号」という)にいう「児童に淫行をさせる行為」をした罪に当たると...
《解 説》
一 生活保護法四条一項は、「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。」と規定し、保護の補足性の原則を宣明している。
そして、これまでに、東京高判昭42・8・17下民集一八巻七・...
《解 説》
T村(Y村長)は、昭和六二年秋に開催される国体の馬術競技場の用地とするため海面の埋立免許を得、国体終了後、これをゴルフ場用地として売却することとなった。T村では、同用地を一般競争入札に付することとし、埋立原価二三億四六四七万円を最低限度価格、これに四・七パーセントの利益を乗せた...
《解 説》
Aは、自己所有の本件建物の一部である本件店舗を昭和六二年八月一〇日にBに対し賃貸し、その際、Bは、Aに対し保証金一億五〇〇〇万円余を賃貸借契約が終了し本件店舗の明渡が終了した後一か月以内にBがAに対して負担する賃貸借契約上の債務額を控除の上で返還するとの約定で差し入れた。その後...
《解 説》
一 本事案は、病院の建物及びその敷地として使用されている不動産を対象とした共有物分割の訴えである。本件不動産は、Yらの先代Aの時代から、一体として病院の運営に供されており、現在は、Yらが病院経営を行っていて、右病院は救急病院として地域社会にも貢献している。Aの相続人の一人から本...
《解 説》
一 本事案において、Yらは、その持分の合計に相当する部分の土地をYらの共有のままで残し、その余の部分の土地をXの単独所有とする現物分割を希望したが、一、二審とも、Xの希望する全面的価格賠償の方法による分割を命じた。Yらが上告したが、第一小法廷は、平成三年(オ)第一三八〇号事件(...
《解 説》
一 本件は、共有物の分割協議が調わないため、共有物である本件不動産について、共有者であるXらが、残る共有者であるA(Yらの被承継人)に対して、共有物分割等を求める訴えを提起した事案である。Aは、本件不動産について三分の一の持分を有するにすぎないが、昭和四八年以来、本件建物にその...
《解 説》
Xらは、米軍が使用している伊江島補助飛行場の敷地の所有者であるが、米軍用地使用等特措法一四条、土地収用法七二条により使用裁決が下され、昭和六二年三月、一〇年間分の使用料相当の損失補償金を受け取った。Xらは、確定申告をした後、税額等の計算に誤りがあったとしてY税務署長に更正の請求...
《解 説》
一 本件では、石材卸売会社に勤務していた養子である被告に対し、石工であり養親である原告が、被告が独立して石材卸売事業を営むための資金の一部として一〇〇〇万円を貸し渡した。その際に、被告は、「事業が軌道に乗ったときに返す」旨を約束した。その独立の約三年後、被告は、石材加工、販売等...
《解 説》
本件は、特許出願の拒絶査定に対し、A及びBを代理人として審判請求を行ったXが、手続補正指令書で指定した期間内に補正書の提出がなかったことを理由に右審判請求を無効とした特許庁長官Yの処分に対し、手続補正指令書がX代理人らの事務所に到達していないなどとして、右処分の取消し等を求めて...
《解 説》
一 本件は、いわゆるマンションの区分所有建物とその敷地部分についての不動産競売における評価人の調査義務に関するものである。本決定の理由は簡潔に記載されているので明確ではないが、事案の概要は、次のようなもののようである。すなわち、担当評価人は、現地調査に赴いてマンションの四囲の状...
《解 説》
本件は、中央労働委員会が発した抗告人らの救済申立てを棄却する命令の取消訴訟に、使用者である相手方が行政事件訴訟法二二条に基づく参加の申立てをしたところ、東京地決平7・8・24(参考決定①)はこれを却下したが、東京高決平8・3・25(参考決定②)は、右東京地決を取り消し、右参加の...
《解 説》
一 本件は、地下送水管新設工事現場でメタンガスが爆発して坑内作業員が死傷した事故について、作業員の安全管理等の業務に従事していた被告人三名が、十分な安全管理を行わないまま作業を進めた業務上の過失があったとして業務上過失致死・同傷害罪に問われた事件である。
二 事案の概要は次の...
《解 説》
一 Xは、東京都西多摩郡日の出町の主婦であって、同町内の廃棄物処分場の建設等に反対し、廃棄物処分場の建設差止めを求める訴えを提起するなどの住民運動を行っている者であるが、Yの平成七年度の町議会第二回定例会において、同町の町長が、Xの住民運動をオウム真理教の活動に喩え、日の出町民...
《解 説》
一 Xの夫Aは、Yとの間で、「法令に定める酒気帯び運転又はこれに相当する運転をしている間に生じた事故について保険金の支払を免責される」旨の免責条項がある災害割増特約及び傷害特約を付加した生命保険契約を締結していたところ、普通乗用自動車を運転中に停車車両に追突した事故により死亡し...